トラックの道路標識の種類は?規制・補助・案内標識の意味を解説

道路標識には多くの種類があり、トラックが直接関係する道路標識もたくさんあります。

道路標識にある規制・補助・案内標識などの意味を今回の『豆知識』で解説させていただきます。

戦後これまでに作り上げられてきた道路交通法などでの多くの標識は度重なる法改正でその意味が変わっているものもあります。

標識の正しい意味を理解して、今後の安全運転に役立ててください。

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トラックに関する道路標識

道路標識は大きく規制標識、案内標識、警戒標識、指示標識の4種類に分けることが出来ます。また、この4種類を本標識と呼んでおり、これ以外にこの本標識の下に補足事項(時間帯や車種指定など)を表示する補助標識があります。

トラックに関する道路標識は少なくありません。

その中の規制標識、補助標識、案内標識について詳しく見ていきたいと思います。

 

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トラックに関する道路標識:規制標識

交通標識は、設置者・規制・指示内容別に分かれています。

そのなかでの規制標識です。

本標識と補助標識との組みあわせであらわされることもあります。

トラックという一般的には大型で後方に多くの荷を積み、死角が多い車両であることから運転における禁止事項や規制・制限などがありますが、それを知らせる標識です。

規制標識は、道路交通法に基づいて設置され、道路標識または道路標示によって明示されます。

 

・通行止め標識

比較的よく目にするのが「大型貨物自動車通行止め」の標識です。

丸い白地の標識プレート内に赤丸の枠線があり、その中に青色のトラックが表示されそれを遮るかのように赤色の斜線が引かれています。

この標識が表わしているのは大型貨物自動車・特定中型貨物自動車・大型特殊自動車の3種類に対するトラック・車両の通行止めです。

狭い道路の入り口や、夜間に騒音や振動公害を防ぐための時間指定の補助標識とともに市街地の幹線道路でもよく目にする標識です。

この「大型貨物自動車通行止め」標識の意味をよく理解せずに青色のトラックを見て、すべてのトラックに適用されると思いこむドライバーがいるようです。もしくは標識の名称から大型貨物自動車だけに適用されると思いこむ間違いもあるようです。

積載量を明示した補助標識が加わることによって、制限されるトラックが変わってきますので補助標識までよく確認することが大切です。

 

・駐停車禁止標識

トラックに限る駐停車禁止標識ではありませんが、一台で普通車2~3台分の駐車スペースを占めてしまうトラックの駐停車は、場所によっては深刻な問題を引き起こします。

トラックのドライバーも人間です。

生理的な欲求で駐停車を余儀なくされることはあります。

高速道路であるならば、大型車専用の案内標識を確認して専用の駐停車スペースに移動して下さい。

トラックが荷卸しを行うために路肩に停車することは標識を見誤ると駐停車禁止違反になります。

違反行為となれば反則金と違反点数が科せられる場合があります。

標識のなかには駐停車禁止時間が明記されていたり、補助標識に停車可能時間が明記されていたりする場合もあります。

駐停車禁止標識の内容を理解して違反行為を回避するようにしてください。

 

・速度制限標識

一般道におけるトラックの速度制限は時速60㎞で、高速道路では時速80㎞です。

これに対して大型バスは普通車と同じ時速100㎞です。

これには、大型トラックの交通事故数が非常に多かった時期があったことと、定員数が決まっている大型バスの車両総重量が大きな変動をしないこと、バス関係諸団体が国に陳情を行ったなどの経緯があり今に至っています。

高速道路でのトラックの速度制限に関しては、昨今の物流業界で人手不足の深刻化が懸念される「2024年問題」に対応していくために、警察庁が高速道路での大型トラックの最高速度を時速80kmから引き上げることについて、有識者の検討会を設け、具体的な議論を始めることになっています。

トラック事業者が効率的に荷物を配送できるように時速80㎞とされている高速道路でのトラックの最高速度を、引き上げる方向で有識者による調整をすすめる方針が示されたことを受けて、警察庁も検討会を設けて議論を始めることとなったようです。

実現すれば、速度制限標識に表示されている数字も変わっていくことでしょう。

 

・重量制限標識

重量制限が道路標識で明示される場合があります。

丸い白地の標識プレート内に赤丸の枠線があり、その中に青字でトン数が表示されています。

「重量制限標識」が名称であり、車両総重量が表示されている重量(トン数)以上であれば通行することは認められません。

この表記されている重量は車両総重量なので、最大積載量と勘違いしないでください。

道路や橋梁などの構築物は国が定めた制限値のもと、耐荷重が定められています。

道路や道路に付随する構築物は国民の税金によって作られており、無くてはならないものです。

これを不注意で、もしくは故意に制限荷重を越える車両総重量のトラックが走行し破損させてしまうことはあってはならないことですが、万が一そのような事故が起きた場合には非常に重い取締りが待っています。

 

・高さ制限、最大幅標識

トラックには「一般的制限値」があり、高さ3.8m、幅2.5m、全長12m、車軸の距離や最遠軸距によりますが車両総重量が最大20tまでと決まっています。

高速道路および重さ指定道路では25tまでです。

車両法に基づいて定められたこの一般的制限値にもとづいて日本の道路の多くは設計され築造されていますが、なかには旧法に基づいたサイズのトンネル、橋梁、鉄橋、道路が存在しています。

そのような構造物の入り口に高さ制限・最大幅標識は設置されています。

丸い白地の標識プレート内に赤丸の枠線があり、その中に青字で数字が記載されています。

その数字を青色の三角で上下から挟んで入れば高さ制限、左右から挟んでいれば最大幅制限を示しています。

表示された数字が最大の高さであり、最大幅です。

それよりも高い、ないし幅があるトラックは通行できません。

ご自身のトラックの高さと幅はよく把握してください。

積載物の高さも含まれますので十分ご注意ください。

 

トラックに関する道路標識:補助標識

トラックに関する道路標識には補助標識がよく表示されています。

補助標識の目的は本標識の内容を限定するためです。

あまり見かけることの無い補助標識もあります。

しかしながら、あまり見かけないといって見過ごしてしまえば処罰の対象にもなります。

自身の身は自身で守るよりほかはありません。

 

・車両の種類を表す標識

規制標識の補助標識には、さまざまな車両の種類が登場します。

補助標識に記載される内容は省略形や普段は馴染みがない車両名の場合もあります。

記号として考えるならばあり得ることなのでしょうが、いまだに軽車両(自転車以外の)が荷車(大八車)なのはいかがなものかと考えてしまいます。

 

この車両を表す補助標識のなかで、よく見かける代表的な絵柄がトラックのみ描かれた絵柄です。

このトラックの絵柄が表わす車両は、大型貨物自動車・特定中型貨物自動車・大型特殊自動車です。

ここに車両総重量の表記が加わってさらに詳細に車両を特定する場合もあります。

 

・時間帯や区間を表す標識

本標識と併設でその時間帯や区間を限定する補助標識があります。

本標識の種類はほぼ規制標識です。

 

駐車禁止や駐停車禁止の標識には赤地の丸の中に数字を記載して時間を示している標識もあれば補助標識で時間を示す場合もあります。

全国で統一されたルールは無く、都道府県によって特徴があるようです。

 

区間の規制に関しては補助標識が数種類あります。

白地の横長の補助標識に左から右に向かう赤字の矢印は規制区間の「始まり」を示します。

右から左へ向かう赤字の矢印はそこで「終わり」を示します。

ちなみに左右両方を指す赤い矢印は「区間内」を示します。

その他のタイプの補助標識で横長の白地のプレートに黒字で「ここから」と書かれた補助標識は始まりを示し、「ここまで」は終わりを示します。

もう一つ、通常の標識より径の小さな白地の円形の補助標識には細い青地の丸が書かれて斜線が引かれたものがあります。

これは規制標識の上に設置される「終わり」を示すものです。

 

・積載量を表す標識

トラック単体の絵柄の補助標識が表わす車両は、大型貨物自動車・特定中型貨物自動車・大型特殊自動車ですがこれに数字が加わることで最大積載量に制限が設けられます。

トラックの絵柄の下に「積3t」と記載があれば、最大積載量が3tであることを示すのです。

 

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トラックに関する道路標識:案内標識

案内標識の主なものは交差点や分岐点にある方面および方向の案内を地名等で示しているものです。

都道府県名、市町村名、施設名称を記載して案内する標識が多いです。

一般道では白地に青文字もしくは青地に白文字の案内標識、高速道路では白地に緑文字、緑地に白文字の案内標識が中心です。

トラックに関する案内標識もいくつかあり、記憶に残していただきたいと思います。

 

・総重量限度緩和指定道路

標識に表示されている重さを超える総重量の車両が通行できる道路であると示しています。

道路法の車両制限令にある「一般的制限値」では車両総重量は最大20tまでと決まっています。

その指定された車両総重量20tを越えて25tまで走行できることを示す案内標識です。

この案内標識には五角形のものと六角形のものがあり、それぞれが区間を示すものと分岐を示すものになっています。

この総重量限度緩和指定道路は、高速道路8,900km、一般国道(指定区間)22,700km、一般国道(指定区間外)15,300km、地方道16,000kmと、意外と長い距離が現状でも存在しています。

しかし、大部分は高速道路や国道であって、普通はそこだけを利用して目的地までたどり着くことはできないでしょう。

20tを超える車両を通行させるのであれば、結局は特殊車両通行許可が必要になります。

あらかじめ特殊車両通行許可の申請を行わなければなりません。

 

・高さ限度緩和指定道路

この高さ制限緩和も道路法の車両制限令にある「一般的制限値」の高さ3.8mを緩和する道路で、高さ4.1mまでの車両が通行できるようになるのです。

総重量限度緩和指定道路の標識と同様でこの案内標識には五角形のものと六角形のものがあり、それぞれが区間を示すものと分岐を示すものになっています。

そして一般道では青字に白抜きの標識であり、高速道路では緑地に白抜きで表示された標識になっています。

 

トラック運転時に気を付ける交通規制は?

トラックの運転時にだけ気を付ける交通規制はそれほど多くは無いと思います。

どの車両にでも共通な交通規制の方が多いと思います。

交通規制、取締りの対象、実施の場所、期間をよく調べて日頃の運転に当たってください。

 

・過積載

トラック運転時、特に注意しなければならないのはこの過積載でしょう。

過積載の罰則・罰金は厳しく、十分な注意が必要です。

極端な例ですが、10割以上の過積載を行なった場合、規定の2倍の積載を行なったということになります。

そこには厳しい処罰が待っています。

運転者には罰金と懲役刑、事業者には長い期間の車両停止処分が科されます。

200日間や500日間の車両停止処分は営業の存続にまでかかってくることでしょう。

それほど過積載は重い罪だということです。

交通規制を機に過積載に該当していないか調べてみるなど、通常の業務に念を入れるために交通規制の情報は使わなければならないと思います。

 

・スピード違反

これもあってはならない違反ですが、ちょっとした気の緩みやはやる気持ちにより法定速度を上回ってしまうことがあるかも知れません。

時には長時間の運転で疲れてしまい、判断力が低下してしまってスピードの出し過ぎにつながってしまうこともあるかも知れません。

トラックでのスピード違反の違反点数と反則金は下記の通りです。

 

・一般道

超過速度(時速) 30㎞以上50㎞未満 25㎞以上30㎞未満 20㎞以上25㎞未満 15㎞以上20㎞未満 15㎞未満
違反点数 6点 3点 2点 1点 1点
反則金(大型車等) 刑事罰 25,000円 20,000円 15,000円 12,000円

 

・高速道路

超過速度(時速) 40㎞以上50㎞未満 35㎞以上40㎞未満 30㎞以上35㎞
違反点数 6点 3点 3点
反則金(大型車等) 刑事罰 40,000円 30,000円

 

このスピード違反取締りの交通規制情報も、通常の業務に念を入れるために利用してください。

 

・携帯電話等の使用

多くのドライバーはハンズフリーで運転中にも連絡が取れるようにキャビン内の整備をしていると思いますが、普段の調子でスマートホンを手にしてしまったら、操作をしていなくても違反と見なされてしまいます。

業務で電話を使わなければならない状況になるのはどうしようも無いことかも知れません。

しかし、スマホ関連での重大事故が増えて現在のように厳しくなっているのも事実です。

運転中のスマホ使用取締りの交通規制情報も、通常業務に念を入れるために利用してください。

 

・携帯電話使用等の違反点数と反則金

違反の種類 違反点数 反則金(大型・中型)
交通の危険 6点 刑事罰
保持 3点 25,000円

 

スマホ使用でいきなり違反点数6点です。

免許停止なら、しばらく本来の仕事ができなくなる可能性が大きいです。

それくらいスマホを使用しながらの運転は危険であるということです。

運転中はスマホに触らないなどのルールが必要かも知れません。

 

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トラックに関する交通規制の調べ方

トラックに関する交通規制の調べ方はそれほど難しいことではありません。

以前でしたら、ラジオの交通情報を聞くぐらいしか無かったのですが、現在は事前にルートさえ決まればwebサイトやスマートフォンアプリで調べれば簡単に情報は手に入ります。

しかしながら取り締まりを逃れるためにwebサイトやスマートフォンアプリを利用するという考え方はしないでください。

そうなってしまえば本末転倒となってしまいます。

あくまでも業務を支障なく遂行するための一つの方法であると認識してください。

 

※参考としてトラックルート選定に特化したアプリを紹介いたします。

 

① トラックカーナビ by ナビタイム

公式サイト:https://products.navitime.co.jp/service/truck/

無料で使用出来るスマホ用のアプリです。

車高や車幅、重量、最大積載量などを設定し、トラックの条件に合わせたルートを検索できます。

 

② MapFan(マップファン) API

公式サイト:https://business.mapfan.com/service/api/

普通車だけでなく、大型トラックのルート検索にも対応しています。

法人向けのサービスです。

 

まとめ

道路標識の数は意外と多く、自動車免許取得時に憶えた標識は記憶の彼方にいってしまい、日常よく見かける標識しか頭には浮かびません。

それさえも正確な定義を憶えていなかったりします。

トラックが直接関係する道路標識は少なくありません。

交通ルールを守り安全運行で仕事を遂行できるようしっかり道路標識を頭に入れる必要がありそうです。

今回の『豆知識』をきっかけに道路標識に関心を持っていただいて正しい知識を身に付けてください。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報を皆さまにお届けします。

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