
排気ブレーキの仕組みや使い方、注意点を徹底解説! シーン別の使い分けも!
トラックやバスなど重量のある車両を制御するためにさまざまなブレーキシステムが開発され、安全かつ経済走行のために利用されています。今回の『豆知識』ではこのブレーキシステムの中の排気ブレーキを取り上げました。
ディーゼルエンジンに特有の補助ブレーキである排気ブレーキです。この排気ブレーキの仕組みや役割、正しい使い方をこの『豆知識』で知っていただき、今後のトラックやバスの運転にお役立てください。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
目次

-
豊富な実績
買取12,000台/年
-
最短即日から!
高価買取
-
日本全国無料!
出張査定
排気ブレーキ(エキゾーストブレーキ)とは
トラックの排気ブレーキ(英語でエキゾーストブレーキ、exhaust brake)は、大型トラックやバスなどの一部の商用車に搭載されているブレーキシステムの一種です。通常、自動車のブレーキはディスクブレーキやドラムブレーキのようなフットブレーキです。フットブレーキは摩擦によって速度を減速させるため摩擦ブレーキと呼ばれます。
この摩擦ブレーキに対して排気ブレーキは、エンジンの排気ガスを利用して速度を減速させるブレーキシステムです。
・排気ブレーキの役割、効果
排気ブレーキの役割はフットブレーキの補助です。重量の重いトラックやバスが、長い下り坂を走行する際にフットブレーキだけを使い続けると、フェード現象やベーパーロック現象を起こしてフットブレーキは使用不能になってしまいます。
排気ブレーキは長時間の減速が必要な場合にフェード現象やベーパーロック現象を起こすことなく、減速と制御力を発揮し続けます。排気ブレーキを使用することで、通常の摩擦ブレーキであるフットブレーキを頻繁に使用する必要が減ります。その結果、摩耗が軽減され、ブレーキパッドの寿命を延ばすことができます。長時間の下り坂や減速時に排気ブレーキを使用することで、ドライバーの足の疲労を軽減し、より快適な運転環境を提供することができます。排気ブレーキは安全性とブレーキシステムの耐久性を向上させるために重要な要素となっていると言えます。
・排気ブレーキの場所と構造
排気ブレーキは、排気ガスの制御を利用しているので、通常であればエンジンの排気システムの一部として配置され、エンジンもしくは排気システムとともに位置します。
トラックの排気ブレーキの具体的な場所や構造についてはトラックのメーカーやモデル、年式によって異なるため、詳細な情報はトラックの取扱説明書やメーカーの技術情報を参照することが望ましいです。
・排気ブレーキの仕組み、作動原理
トラックの排気ブレーキは、エンジンの排気バルブを制御することで作動します。排気ブレーキが作動すると一部の排気ガスがエンジン内に戻され、エンジンの圧縮効果を利用して制動力を発生させます。
具体的にはバルブ制御機構を介して排気バルブの開度を制約し、バイパスバルブを閉じることで減速されます。エンジンの圧縮空気がシリンダー内の圧力を高めトラックを減速させる効果があります。これにより急な下り坂や長時間の減速時において追加の制動力を提供し、ブレーキパッドの寿命を延ばし、ドライバーの疲労を軽減します。
排気ブレーキの作動はアクセル・クラッチペダルの操作によって制御されます。ドライバーが排気ブレーキのスイッチを入れると制御システムが作動しバイパスバルブを閉じて排気ブレーキを作動させます。
アクセル・クラッチペダルを踏むと排気ブレーキは非作動状態に戻り通常の排気ガスが排出されます。排気ブレーキはエンジンの排気ガスを活用することで制動力を発生させる仕組みであり、長距離トラックや大型バスなどで安全性とブレーキシステムの耐久性を向上させる重要なシステムです。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!

-
豊富な実績
買取12,000台/年
-
最短即日から!
高価買取
-
日本全国無料!
出張査定
排気ブレーキがトラックやバスに装着されている理由は?
トラックやバスに排気ブレーキが装着されている理由は、フットブレーキだけに頼った減速ではリスクが高いためです。大型車両は重量が大きく、長時間または急激な制動を繰り返すと、フットブレーキのブレーキパッドやドラムが過熱し、制動力低下を引き起こす可能性があります。これにより安全な減速が難しくなり、事故の危険性が高まります。
また、積載量が多い場合や下り坂での連続使用では、熱による故障リスクも増大します。排気ブレーキはエンジンの排気抵抗を利用して減速する補助システムとして設計されており、フットブレーキの負担を軽減します。これにより、フェード現象やベーパーロック現象を防ぎ、メンテナンスコストの抑制にも寄与します。以下でその詳細を解説します。
・フェード現象やベーパーロック現象を防ぐため
排気ブレーキがトラックやバスに装着される主な理由の一つは、フェード現象やベーパーロック現象を防ぐためです。フェード現象は、フットブレーキを長時間使用することでブレーキパッドやドラムが過熱し、摩擦力が低下する状態です。特にトラックは積載量が多く、長距離や下り坂で連続制動を強いられるため、ブレーキの効きが弱まり、制御不能に陥るリスクがあります。
一方、ベーパーロック現象は、ブレーキ液が熱で気化し、液圧が失われる現象です。この場合、ブレーキペダルを踏んでも効果が得られず、急停止が困難になります。両現象とも大型車両の安全運行を大きく脅かしてしまいます。
排気ブレーキは、エンジンの排気バルブを調整し、排気抵抗を増やすことで減速する仕組みを持ち、フットブレーキの使用頻度を減らして過熱を抑え、フェードやベーパーロックの発生を防止します。特にバスでは乗客の安全を優先し、トラックでは積荷保護に寄与します。
適切な使用で、さまざまな事故リスクを大幅に低減できます。
・維持費やメンテナンス費用を抑えるため
排気ブレーキは、フットブレーキの負担を軽減することで、ブレーキパッドやドラムの摩耗を抑え、部品寿命を延ばします。部品の頻繁な交換や修理が不要となり、維持費やメンテナンス費用を大幅に削減できます。トラックやバスではブレーキ部品の交換がコスト高になるため、排気ブレーキの活用は経済的な利点も大きくなります。
特に長距離走行や積載量の多い車両では、フットブレーキの劣化が早まりますが、排気ブレーキを補助に使うことで、長期的なコストダウンが実現できます。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
排気ブレーキの使い方
○車両の状態を確認する
走行前に排気ブレーキが作動可能か、警告灯やメーターでチェック。異常があれば使用を控える。
○適切なギアを選ぶ
エンジンとギアが繋がった状態で使用する。低速ギア(2~3速程度)が推奨され、エンジン回転数を最適化。
○スイッチをオンにする
ダッシュボードやステアリング付近の排気ブレーキスイッチを押す。作動音(排気音の変化)が確認できる。
○徐々に減速を始める
アクセルを緩め、排気ブレーキがエンジン抵抗で減速を支援。急激な操作は避け、滑らかな制御を心がける。
○フットブレーキと併用する
補助ブレーキとして機能するため、必要に応じてフットブレーキを軽く踏む。停止直前はフットブレーキに切り替える。
○使用後はスイッチをオフにする
走行終了後やアイドリング時にスイッチをオフにし、システムをリセット。長時間作動させない。
これらの手順を守り、車両の種類や積載状況に合わせて調整します。トラックでは積荷の重さに応じ、バスでは乗客の快適さを考慮して操作する必要があります。特に下り坂では、早めに作動させ、連続使用で効果を発揮させます。
慣れが必要ですが、安全な減速に不可欠なブレーキシステムです。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!

-
豊富な実績
買取12,000台/年
-
最短即日から!
高価買取
-
日本全国無料!
出張査定
排気ブレーキは使い分けが重要
排気ブレーキは補助ブレーキとして優れた効果を発揮しますが、状況に応じオン・オフを切り替えての使い分けが不可欠です。積載状態や走行環境によって効果が異なり、誤った使用は逆効果になることもあります。適切なシーンで活用し、注意点を守ることで安全性と効率が向上します。
・排気ブレーキを使用するべきシーン
排気ブレーキは特定のシーンで特に有効です。積載量や走行条件に応じて使用し、フットブレーキの負担を軽減します。以下で、排気ブレーキの使用に適した状況を詳しく説明します。
積み荷を載せて走行するとき
排気ブレーキを使用するのは、積み荷を載せているときが基本です。トラックやバスは積載重量が増えると、フットブレーキだけでは減速が難しくなります。特に重い荷物を運ぶ場合、ブレーキの過熱やフェード現象のリスクが高まります。
排気ブレーキはエンジンの排気抵抗を利用し、こうした負担を軽減しています。積荷の安定性も保ちやすく、急ブレーキによる荷崩れを防ぐ効果もあります。バスでは乗客の安全を考慮し、積載量に関わらず補助として活用されています。日常走行でも、積み荷がある場合は常に排気ブレーキを意識して使用することが推奨されます。
積み荷を載せて長い下り坂を走行するとき
積み荷を載せて長い下り坂を走行する際は、排気ブレーキの使用が必須です。下り坂では重力で速度が増し、フットブレーキだけでは熱が蓄積しやすくなってしまいます。排気ブレーキで連続減速が可能となり、特にトラックは積載重量が大きいため、効果を発揮することが可能です。
積み荷を載せて高速道路を走行するとき
積み荷を載せて高速道路を走行する際も排気ブレーキが有効です。高速度での減速が必要な場合、フットブレーキの負担を軽減し、安定した制御をサポートします。トラックでは長距離走行で特に役立ちます。
・排気ブレーキの使用を控えるべきシーン
排気ブレーキは状況によっては使用を控えるべきケースもあります。誤った運用は車両や安全に悪影響を及ぼすため、適切な判断が求められます。以下で、控えるべきシーンを解説します。
積み荷を載せていないとき
積み荷を載せていないときは、排気ブレーキの使用を控えるべきです。車両重量が軽い場合、排気ブレーキの減速力が強すぎて急激な減速が、追突事故の原因になる可能性があります。
特にトラックは空荷状態で速度が上がりやすく、エンジン抵抗が過剰に働いてしまいます。バスでも乗客が少ない場合、急ブレーキによる揺れが快適性と安全性を損なってしまいます。代わりにフットブレーキやエンジンブレーキを主に使い、排気ブレーキは必要最低限に留めます。
雪道を走行するとき
排気ブレーキの制動力は強く、路面の摩擦が低下している雪道ではトラクションが低下しています。これによって制動力が不安定になりトラックやバスのスリップやスライドをひき起こしてしまう可能性があります。
雪道では急激な制動は車輪のロックを引き起こしやすくなります。よって雪道での排気ブレーキの使用は控えるべきです。
低速で走っているとき
排気ブレーキは高速道路や長い下り坂などでの使用が適しています。低速での使用は車輪のロックや車両の不安定性を引き起こす可能性があるので、低速での制動は通常の摩擦ブレーキを使用するほうが安全です。
信号待ちや交差点で止まるとき
排気ブレーキは騒音を発生させることがあります。信号待ちや交差点などの人が近くにいる場所での使用は騒音での迷惑や不快感を引き起こす可能性がありますので、これらの場所では排気ブレーキの使用は控え、通常の摩擦ブレーキを使用するほうが適切です。
トンネル内を走行するとき
トンネル内などの他の車両が近くにいる場所では排気ブレーキの使用は周囲のドライバーに不快感を与える可能性があります。周囲の安全性や快適性を考慮し排気ブレーキの使用は控え、通常の摩擦ブレーキを使用する必要があります。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
排気ブレーキを使用する際の注意点
排気ブレーキを安全に使用するには、いくつかの注意点を守る必要があります。誤った操作は事故や車両損傷を招くため、以下のポイントを意識して運用する必要があります。
・排気ブレーキだけで操作しない
排気ブレーキはあくまでも補助ブレーキです。必ずフットブレーキの併用を心がける必要があります。
・雨天時には急な減速を避ける
雨天時には路面が滑りやすく、急な減速はスリップやコントロール不能に陥る危険性があります。排気ブレーキを使用する際は、徐々に減速し、状況に応じてフットブレーキを調整することが大切です。
・適切なギアに変更する
排気ブレーキを効果的に使うには、適切なギアに変更する必要があります。低速ギアでエンジンブレーキと併用し、過剰な負荷を防ぎます。これにより安定した減速が可能となります。
・長時間の連続使用は避ける
排気ブレーキはエンジンの排気ガスを利用して制動力を発生させますが、長時間の連続使用はエンジンや排気ブレーキシステムに負担をかける可能性があります。適切な休息や冷却のために長時間の連続使用を避けるようにします。
・空転状態では使えない
排気ブレーキはエンジンとギアがつながっていない空転状態では作動しません。クラッチを切ったり、ニュートラルにすると効果が失われることを知っておく必要があります。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!

-
豊富な実績
買取12,000台/年
-
最短即日から!
高価買取
-
日本全国無料!
出張査定
排気ブレーキが故障する原因
排気ブレーキの故障原因は一連のシステムの中、稼働して排気ガスの調整をするバルブや排ガス浄化装置、バブルの開閉を指示する電気系統の異常がほとんどです。ブレーキの異常を感じた時にはこの3つを疑ってみてください。
・バルブの異常
排気ブレーキのスイッチを入れると制御システムが作動し、バイパスバルブを閉じて排気ブレーキを作動させるのですが、いつも排気ガスにさらされているこのバルブには燃料の燃えカスや煤が付着して作動不良を引き起こす場合があります。
・排ガス浄化装置の汚れ
排気管出口にある「排ガス浄化装置」に汚れがたまってしまうと正常に作動しなくなってしまいます。そのためバルブが常に閉じた状態となって排気ブレーキがかかったままになってしまいます。
・電気系統の故障
排気ブレーキの制御には電気系統が関係しています。電気配線などの接触不良、断線、故障などが原因で、排気ブレーキが正常に作動しなくなることがあります。スイッチを入れても排気ブレーキが作動しない場合にはまずは電気系統の故障を疑って、数多い電気系統の部品・部材を順番に調べる必要があります。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
排気ブレーキの修理費用
排気ブレーキの修理費用は、故障の内容や修理が必要な部品の種類によって異なります。具体的な修理項目が上がらなければ交換部品代、調整・整備代、工賃は出てきません。
内容にもよりますが、少なくとも万円単位、修理、取替え部品によれば数十万円単位の修理費用を覚悟しないといけないかもしれません。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
排気ブレーキの故障を防ぐ方法
排気ブレーキの故障は安全運行を脅かします。予防には日常的な点検と適切なメンテナンスが重要となります。以下で、具体的な方法を詳しく説明します。
・故障の予兆を見逃さない
排気ブレーキの故障は事前に予兆があることが多いです。これを見逃さず早期に対処することで、重大なトラブルを防げることができます。以下に主な予兆を挙げます。
○異音の発生
作動時に異常な排気音や金属音がする場合、バルブやパイプに問題がある可能性があります。
○効きの低下
減速効果が弱まる場合、内部の摩耗や詰まりが疑われます。
○警告灯の点灯
ダッシュボードの警告灯が点灯すれば、システムに異常があるサインだと心得てください。
○振動や異臭
操作時に振動が増えたり、焼けた匂いがする場合、過熱や部品劣化の兆候です。
これらの兆候に気づいたら、早急な対応が必要です。整備士に早急に点検を依頼しなければなりません。特にトラックやバスは長時間使用するため、日常点検が不可欠です。予兆を見逃すと、突然の故障で安全が損なわれる大きなリスクがあります。
・定期的にメンテナンスを受ける
排気ブレーキを長く安全に使うには、定期的なメンテナンスが不可欠です。トラックやバスは長距離走行や積載重量が大きいため、部品の摩耗や劣化が早まってしまいます。
メンテナンスでは、排気バルブ、配管、エキゾーストシステムの点検や清掃を行い、異常を早期発見するよう心がけてください。定期点検のタイミングは、走行距離や使用頻度に依存しますが、一般的には以下の目安が推奨されます。
○走行距離
1万~2万kmごとに点検し、5万kmごとに大規模メンテナンスを実施。トラックは積載量が多いため、1万kmごとが理想です。
○時間ベース
6ヶ月~1年ごとの点検が標準。長期間使用しない場合も、年1回のチェックを心がけてください。
○使用環境
日常点検や月時点検においての目視、作動音や効き具合の確認。悪路や高温環境では、3ヶ月ごとや5000kmごとに見直しが必要です。
メンテナンスでは、専門の整備工場で排気システムの圧力テストやバルブの調整を行い、詰まりや腐食を除去します。部品交換が必要な場合、バルブやシリンダーは5~10年、配管は10年が目安です。定期的なオイル交換や冷却水点検も併せて行い、関連システムの負担を軽減してください。
これらによって、故障リスクが減り、排気ブレーキの性能を維持できます。特にバスでは乗客安全、トラックでは積荷保護のために、怠ることなく実施することが重要です。メンテナンス記録を残し、履歴を基に次のタイミングを調整するのも効果的です。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
排気ブレーキ以外の補助ブレーキの原理と仕組み
トラックにはエンジンブレーキや排気ブレーキのほかにもいくつか補助ブレーキがあります。それらによってトラックの制動力を増強し、通常の摩擦ブレーキの負担を軽減することができます。
・ジェイクブレーキ
ジェイクブレーキ(Jake Brake)はエンジンの圧縮ストロークにおいて排気バルブを開放することで圧縮ストロークのエネルギーを利用して車輪を制動します。エンジンの圧縮効果により排気バルブの開放によって発生するエネルギーが車輪に制動力として伝えられます。通常はスイッチやボタンで制御されます。
ドライバーがジェイクブレーキを作動させるとエンジン制御装置が作動し、適切なタイミングで排気バルブを開放します。この制動力により、トラックや大型車両の速度を減速させることができます。ジェイクブレーキは長い下り坂や急勾配の道路などでの制動に効果的です。
通常の摩擦ブレーキだけでは制動力が不足する場合にジェイクブレーキを併用することで制動性能を向上させることができます
・リターダー
リターダーは排気ブレーキと並ぶ補助ブレーキの一種です。通常トランスミッションや車輪ハブに組み込まれた制動装置であり、エンジンやトランスミッションの回転エネルギーを利用して制動力を発生させます。以下で電磁式と流体式を紹介します。
・電磁式
電磁式リターダーは、電磁力を利用して減速する補助ブレーキです。トランスミッションやドライブシャフトに電磁コイルを設置し、回転する金属部分に磁場を発生させます。これにより、摩擦を起こさずに制動力を生み出す仕組みです。熱が発生しないため、フェード現象の心配がなく、連続使用に適します。
作動はスイッチ一つで可能ですが、電磁コイルのメンテナンスが重要で、劣化すると効きが弱まります。コストは初期投資が高いですが、長期間の維持費が抑えられる利点があります。特に高速道路や下り坂での安定した減速が求められるシーンで、排気ブレーキと併用される場合が多くあります。
・流体式
流体式リターダーは、油圧や流体の抵抗を利用して減速します。ローターが流体中で回転し、摩擦熱を発生させて制動力を得る仕組みです。トラックやバスで使用され、電磁式より簡易な構造が特徴です。
メンテナンスは油の交換が主で、比較的安価なことも特徴の一つです。連続使用に強く、下り坂での安定性が評価されます。
【参考】LINE友達登録でトラックの買取実績・お役立ち情報を送信!無料出張査定依頼ができる!
まとめ
乗用車しか運転しない方にはトラック・バスにこれほど多くの補助ブレーキがあることに、驚かれるに違いありません。
20世紀初頭から自動車の大量生産が始まり、交通手段や物流になくてはならないものとなりました。そして、この短期間にたくさんの事故があったのです。これまで多くの改良と、開発を重ね今に至っている大型車両であるトラック・バスに多種のブレーキが生まれている理由です。
トラックファイブはトラック・バス、重機の買取業者です。車両たちの第二の人生をサポートするためにこの先も努力・協力を続けます。
今回の『豆知識』で私どもも補助ブレーキの重要性をあらためて噛みしめています。皆さまとともにこの先も安全で安心な事故のない社会を作っていきたいと思っています。
私どもが協力できることはトラック・重機の買取であり、そのことが社会へのお返しにつながると考えています。
※ご参照ください。2020年10月『TRUCK BIZ』の過去記事です。
『一般社団法人フラワーリボン協会 交通遺児支援と交通安全を願う 前編』
『一般社団法人フラワーリボン協会 交通遺児支援と交通安全を願う 中編』
『一般社団法人フラワーリボン協会 交通遺児支援と交通安全を願う 後編』
トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報をお届けしていきます。
