
インタークーラーとは? 役割や仕組み、メンテナンス方法などを解説
自動車やトラックのエンジンの高出力を支えるインタークーラー。ターボチャージャーやスーパーチャージャーと組み合わせて、高出力ばかりか効率を高めるエンジンに重要な部品です。
スポーツカーから大型トラックまで幅広く採用され、燃費向上やエンジン保護にも寄与しています。しかし、その役割や仕組みを知る人は少ないかもしれません。
今回の『豆知識』では、インタークーラーの基本から、ラジエーターとの違い、役割や仕組み、設置場所、そしてメンテナンス方法までを詳しく解説します。トラックと一般自動車の比較も交え、初心者にもわかりやすく説明します。
インタークーラーがないとエンジンにどんな影響が出るのか、定期ケアの重要性もお伝えします。自動車の心臓であるエンジンを支えるこの装置を、ぜひ理解してください。
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インタークーラーとは
インタークーラーは、ターボチャージャーやスーパーチャージャーを使ったエンジンで、圧縮された空気を冷却する装置です。過給器が空気を圧縮すると高温になりますが、これを冷やすことでエンジン性能を向上させます。
トラックやスポーツカー、一般自動車に搭載され、特に高出力が必要な車両で活躍します。役割は空気を冷やすことや燃費向上にあり、仕組みは熱交換を利用しますが、詳しい内容は後述します。
設置場所はエンジンルーム内や車体の前方など様々で、それぞれ設計が異なります。インタークーラーは、エンジンの効率を高め、現代の自動車技術に欠かせない存在です。
・ラジエーターとの違い
ラジエーターは、エンジンの冷却水を循環させ、エンジン自体の熱を下げて過熱を防ぐ装置です。一方、インタークーラーは、過給器で圧縮された空気を冷却し、エンジンに入る空気の温度を下げる装置です。ラジエーターがエンジン本体を冷やすのに対し、インタークーラーは吸気側の空気冷却に特化している点が双方の違いです。
トラックでは、大型のラジエーターは耐久性が求められ、一般自動車はコンパクト設計が主流です。一方、インタークーラーはターボ車に限定され、トラックでは高負荷時に有効で、一般車ではスポーツモデルでよく見られます。両者は熱交換の目的が異なり、役割分担は明確です。
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インタークーラーの役割
インタークーラーは、ターボやスーパーチャージャーによる圧縮空気を冷やすことで、エンジン性能を最大限に引き出します。トラックや高性能車で特に効果を発揮し、燃費向上にも寄与します。
・エンジンに入れる空気を冷やす
インタークーラーはエンジンのシリンダー内に送り込む空気の温度を下げるために装備されています。ターボチャージャーは空気を加圧してシリンダーに送り込み強いパワーを得るのですが、過給機であるこのターボチャージャーが加圧した空気は高温になってしまうという弱点があります。
その圧縮で高温になった空気を冷却するためにインタークーラーはあるのです。温度が100℃以上になる場合もありますが、インタークーラーを通すことで20~30℃に低下させることができます。
・高出力を発揮する空気を送る
ディーゼルエンジンはそのシリンダー内で高圧力の状態を作り、燃料を発火させて動力に変えています。その発火時点でターボ付きエンジンは自然吸気エンジンよりも吸気温度が高くなってしまい、多くの空気をシリンダー内に取り込むことができません。
高熱ではない高圧の空気をシリンダーに送り込むためにインタークーラーは存在しています。冷えた空気は密度が高く酸素量が増え、燃焼効率が向上するためエンジンの負担を軽減し、過熱による損傷を防ぐ役割も担っています。
・燃費を向上させる
インタークーラーはターボチャージャーを通してエンジン内に送り込まれる空気の温度を下げて、高効率にシリンダー内の燃料を燃焼させています。
エンジンの出力を上げて燃費の向上をインタークーラーは実現させています。過熱を抑えることでエンジン負荷が減り、アイドリング時の燃料消費も抑えられます。
長距離走行のトラックや街乗りの一般車双方で、インタークーラーは燃費向上によって環境負荷低減に貢献します。
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インタークーラーの仕組み
インタークーラーは、熱交換器として機能し、圧縮された空気から熱を奪います。ターボチャージャーが空気を圧縮すると、温度が急上昇(100~200℃)し、密度が下がります。
これをアルミニウム製のフィン構造に通し、外気や冷却水で冷やします。空気がフィンを通過する間に熱が分散し、温度が大幅に低下(20~40℃減)します。
エアタイプは外気を利用し、ウォータータイプは冷却水を使いますが、トラックではエアタイプが主流で、一般自動車ではウォータータイプも採用されます。空気が冷えると密度が増し、エンジンに多くの酸素を送ることができます。電磁弁やファンで空気流量を調整し、効率を最適化します。過熱を防ぎつつ、高出力と燃費向上を実現する仕組みなのです。
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インタークーラーの設置箇所
インタークーラーの設置場所は、車両の設計や用途で異なります。エンジンルーム内や車体前方に配置され、冷却効率やスペースを考慮しています。
トラックと一般自動車で特徴が異なり設置方法も多様です。
・前置き
前置きインタークーラーは、車体の前方に設置されるタイプで、一般的にはラジエーターの前に配置されます。外気を取り込みやすく、冷却効率が高いのが特徴です。
トラックでは大型の前置きが採用され、長時間走行や高負荷時に効果を発揮します。一般自動車、特にスポーツカーでは、空力設計を考慮し、フロントグリルから空気を直接導入します。
フィンの面積を広く取ることで、熱交換を最大化しますが、路面の飛び石や虫の付着で汚れやすく、メンテナンスが必要です。トラックでは耐久性を重視し、頑丈なケースで保護されますが、一般車ではコンパクト化が求められ、デザインとのバランスが課題となります。冷却水を使わないエアタイプが一般的で、シンプルな構造が特徴です。
・中置き
中置きインタークーラーは、エンジンルーム内に設置されるタイプで、ターボとエンジンの間に配置されます。スペースが限られるトラックやコンパクトカーで採用され、配管を短くして応答性を高めています。
一般自動車のターボ車では、エンジン上部にコンパクトに収まりますが、外気を取り込みにくいため、ファンを追加して冷却効率を補う必要があります。トラックでは高出力エンジンに近く、エンジン熱の影響を受けやすいです。冷却水が効率的に熱を奪うウォータータイプが適しています。
メンテナンスは前置きより難しく、定期的な清掃が必要です。
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インタークーラーの種類
インタークーラーには水冷式と空冷式の2種類があります。高温になった空気の冷却方法と、特徴やメリットをそれぞれ説明します。
・水冷式インタークーラー
水冷式インタークーラーは冷却水を利用してシリンダーに送り込む高温の空気を冷却します。エンジン近くに設置するので広いスペースを取ることなく高温の空気を冷却することができます。
構造は空冷式よりも複雑になりますが、設置位置の制約が少ないことや、低速時における熱交換に優れるメリットがあることから、水冷式インタークーラーを採用するエンジンが増えています。
・空冷式インタークーラー
空冷式インタークーラーはトラックが走行中に直接受ける空気を利用して、高温の空気を冷却する方法です。
水冷式インタークーラーより構造がシンプルなことから低コストでの搭載が可能になりますが、低速走行時には直接インタークーラーが受ける空気は少なくなるため、大きな冷却効果が期待できません。
構造は水冷式インタークーラーと比べるとシンプルですが、道路事情などによって渋滞も起こり得る車両にとってデメリットとなってしまいます。
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インタークーラーがないとどうなる?
インタークーラーがないと、過給エンジンの性能が大きく低下してしまい、高温の空気による問題が発生し、トラックや一般自動車で走行に影響が出る。以下で、具体的な影響を詳しく解説します。
・パワーが出ない
インタークーラーがないと、圧縮された空気を冷やせないため、エンジンに入る空気が高温のままになってしまいます。高温の空気は密度が低く、酸素量が減少します。酸素が少ないと燃料との混合が悪化し、燃焼効率が落ち、パワーが出にくくなります。
トラックでは坂道や積載量の多い場合にその症状は顕著で、一般自動車のターボ車では加速が鈍ってしまいます。温度が100℃を超えると、酸素密度はさらに減少し、エンジンの潜在能力を活かせなくなります過熱による負担が増え、エンジン寿命は縮まってしまいます。
冷却が不十分な状態で無理に走行すると、燃料消費も増え、経済性が悪化します。インタークーラーは、冷えた空気でパワーを最大化するために不可欠な装置なのです。
・ノッキングを起こす
インタークーラーがないと、高温の空気がエンジンに送られ、燃焼タイミングが乱れることがあります。これがノッキングと呼ばれる異常燃焼で、エンジン内部で予期せぬ爆発が起きる金属音や振動が特徴です。
ノッキングはピストンやシリンダーにダメージを与え、故障の原因にもなります。
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インタークーラーに起こりやすいトラブル
エンジンとともに常時作動するインタークーラーには起こりやすいトラブルもあります。その原因は、走行時の外的要因もあれば、経年劣化によるものもあります。
インタークーラーを取り外して洗浄するだけでも大幅に寿命を延ばすことが可能なので、こまめに点検・メンテナンスを行うことが重要になってきます。ここでは、具体的なトラブルを解説します。
・エア漏れ
インタークーラーに設置されているインナーフィンの損傷が原因となってエア漏れが起きてしまいます。インナーフィンは冷却する空気が通過する部分で、損傷による穴から空気は漏れ出してしまいます。
損傷による穴が小さくても、もちろん空気は抜け出してしまいますので圧力が低下してしまいます。パワーダウンしてしまい、アクセルを強く踏み込んでもパワーが出にくくなってしまいます。
・フィンつぶれ
インタークーラーのフィンつぶれもトラブルの原因となります。放熱性のよいアルミなどの柔らかな素材でフィンは作られているために、手で押すだけでもつぶしてしまうことができます。
走行中の外的要因となる小石などの異物が当たるだけでもフィンはつぶれてしまいます。つぶれたフィンは表面積が減ってしまい、放熱面積が少なくなってしまいます。非常に柔らかで潰れやすいという認識を持ってインタークーラーの取り扱いをしてください。
・タンク割れ
インタークーラーのタンク割れは衝突事故などによる大きな衝撃が加わることによって起きてしまうトラブルです。
タンク割れが引き起こすのはエア漏れです。割れた個所から空気が漏れ出してしまいます。
エア漏れと同様にアクセルを強く踏み込んでもパワーが出にくくなり、最悪の場合にはトラックが走行できなくなってしまいますが、タンク割れは気づきやすいので、不調を感じたらまずタンクを確認してください。
・オイル漏れ
インタークーラーのオイルが漏れてしまうこともあります。オイル滲みを確認したらオイル漏れを疑ってください。トラブルを未然に防ぐには定期的なメンテナンスが有効です。定期的にインタークーラーを取り外して洗浄してください。
インタークーラー内に洗浄液を注ぎ、洗浄することによって大きなオイル漏れに至る前の小さなオイル滲みを発見することができます。メンテナンスを定期的に行い、インタークーラーを守ってください。
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インタークーラーは定期メンテナンスが重要
インタークーラーは、汚れや詰まりで冷却効率が落ちやすいため、定期メンテナンスが欠かせません。トラックでは長距離走行で砂や虫が付着し、一般自動車でも都市部の埃が付着します。
フィンにゴミが溜まると空気流量が減り、熱交換が不十分になり、パワー低下やノッキングのリスクが高まり、エンジンに負担をかけてしまいます。メンテナンス頻度は走行距離や環境で異なり、1万kmごとや年に1回が目安です。洗浄や点検の定期的なケアで性能を維持し、寿命を延ばすことが可能になります。
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インタークーラーの洗浄手順
インタークーラーの洗浄は、汚れを除去して冷却効率を回復する作業です。安全に進めるため、工具と手順を準備します。
1.取り外す
洗浄前にまずはインタークーラーを取り外す作業があります。エンジンを停止し、バッテリーのマイナス端子を外して安全を確保します。
次に、ホースやクランプを外し、配管を丁寧に取り外す必要があります。取り外す時は、ダクトやフィンの損傷に注意し、緩衝材を使うと安全です。マニュアルを確認し、取り付け位置やボルトの数をメモして慎重に進める必要があります。
2.穴をふさぐ
インタークーラーを取り外したら、各開口部をふさぐ必要があります。ゴムキャップやテープでホース接続部をふさぎ、異物が入らないようにします。汚れや水が内部に侵入すると、洗浄後に残留し性能を損ないます。
3.洗浄する
洗浄は水や専用の洗浄剤を使用します。トラックでは砂や油汚れが溜まりやすく、一般自動車でも虫や埃が目立ちます。洗浄剤を使う場合は、説明書に従い、フィンに優しいものを選びます。
デリケートな素材ですので高圧洗浄機は避けて、フィンの変形を防ぎます。汚れが落ちたら、水で洗剤を完全に洗い流します。
4.乾燥させる
洗浄後、自然乾燥させるか、風通しの良い場所で扇風機を使って乾燥させます。乾燥が不十分だと、取り付け後に性能低下や異音が発生する場合があります。
5.設置する
乾燥後、インタークーラーを元に戻します。取り外し時に手順をメモしておくことをおすすめします。取り付け位置やボルトの数を確認しながら元通りに取り付け、ボルトを締めます。
取り付けミスは空気漏れや振動の原因になるので、慎重に進めます。
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まとめ
インタークーラーは、ターボやスーパーチャージャー付きエンジンで空気を冷やし、高出力と燃費向上を実現する装置です。ラジエーターとは異なり、吸気側の熱交換に特化し、トラックや一般自動車の性能を支えています。
高性能の維持のために定期メンテナンスで汚れを除去し、洗浄手順を守れば長寿命が期待できます。
インタークーラーを理解して、車両の高効率と安全を保ってください。
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