
冷凍車の構造とは? 冷蔵車との違いや主要メーカー、選び方のポイントも解説
トラックによって世の中におけるあらゆる材料や製品が輸送されています。その中でも冷凍車は、低温での温度管理によって食品や医薬品の品質を保つ重要な役割を担う車両です。
今回の『豆知識』では、冷凍車の定義、温度別の種類、構造、冷却方式、主要メーカー、価格相場を解説します。あわせて冷蔵車・保冷車との違いや、選び方のポイント、使用時の注意点も詳しく紹介します。冷凍車の導入を検討中の方に、効率的で最適な選択をサポートする情報をお届けします。
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目次

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冷凍車とは?
冷凍車は、低温での温度管理を必要とする、荷物を輸送するための温度管理が可能な冷却装置を備えた車両です。0℃から30℃までの定温での温度管理を行うことができ、積荷の管理適温に合わせて温度管理をしながら冷凍食品や医薬品の運搬します。
スーパーや飲食店への配送、ワクチン輸送など、厳格な温度管理が必要なシーンで活躍します。冷凍車に対して保冷車には冷却機能がなく、車両の保温材による保冷機能のみで定温を保ちます。詳しい違いは後述します。
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冷凍車の温度別の種類
冷凍車は、対応する温度帯により低温車と中温車に分類されます。用途や運搬する荷物に応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。以下で詳細を解説します。
・低温車(-30℃対応)
低温車は、-30℃までの温度を維持管理できる冷凍車で、冷凍食品(アイスクリーム、冷凍魚介類)や医療品(ワクチン)の輸送に適しています。強力な冷却装置を備え、庫内の温度を低温のまま一定に保つことが可能なため、長距離輸送でも積荷の品質を維持できます。
コンプレッサーや断熱材の性能が高く、消費電力が多いことが特徴です。主に大型・中型トラックで使用され、製造工場から品質を保ったまま、日本各地に配送されます。
・中温車(-5℃対応)
中温車は、-5℃前後の温度を維持する冷凍車で、鮮魚や生鮮肉類、医薬品の配送に使用されます。一般的に『チルド』と呼ばれる低温帯で、完全に凍らせてしまって乾燥などによって品質を落とすことなく、傷みやすい食料品・長持ちさせたい肉などの温度管理帯です。
低温車より冷却負荷が低く、燃費効率が良くなるのが特徴です。スーパーやコンビニへの短~中距離配送に適しており、小型・中型トラックで多く使用されています。
・冷蔵車・保冷車との違い
冷蔵車は冷却装置を備え、0℃から15℃までの冷蔵帯での低温の定温管理が可能です。生鮮食品(野菜、果物、乳製品)の配送に使用されます。これに対して保冷車は冷却装置がなく、荷室ボディの断熱材のみで温度を保つ仕組みとなっています。氷やドライアイスで定温を維持しても溶けてしまえば徐々に荷室温度は上昇します。そのため、短距離・短時間、予冷された荷物の輸送に向きます。
管理温度は10℃から20℃くらいまでで、生鮮市場からのスーパーや小売店への配送に使用されます。冷蔵車・保冷車との違いは冷却装置の有無で、積荷や配送時間距離によって車両の選択が必要です。
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冷凍車の構造
冷凍車の冷却システムは、荷物を低温に保つための主要部品で構成されています。以下に主な部品と役割を表でまとめます。
部品 | 役割 |
コンプレッサー | 冷媒を圧縮し、冷却サイクルを駆動します。
庫内の熱を外部に排出する冷却装置で一番の重要部品です。 |
コンデンサー | 圧縮された冷媒の熱を放出し、冷媒を液体化します。
車両外部に設置されます。 |
エバポレーター | 庫内で冷媒を蒸発させ、熱を吸収して庫内を冷却する装置です。 |
ターボファン | ファンによってバンボディ内の空気を循環させて全体を冷やします。 |
コントローラー | バンボディ内の空気を循環させて全体を冷やします。 |
膨張弁 | 冷媒の流量を調整し、冷却効率を最適化します。 |
これらの部品が連携し、庫内を安定した低温に維持します。ボディ壁面の断熱材(ウレタンフォームなど)も重要で、外部の熱侵入を防ぎます。システムは定期的なメンテナンスが必要で、冷媒漏れやフィルター詰まりを防ぐことが重要です。
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冷凍車の荷台(庫内)の仕組み
冷凍庫の形状はバンボディ、もしくはウイングボディタイプです。冷凍車の荷台壁面は、アルミ合金の外面の内側に断熱材(ポリウレタンフォームや発泡スチロール)が仕込まれ、外部の熱を遮断しています。エバポレーターとファンが庫内に設置され、冷気を均一に循環させています。庫内はステンレスやアルミ製で、衛生管理が容易に行えるよう装備されています。
温度センサーでリアルタイムに庫内の温度管理をし、設定温度を定温維持します。ドアの気密性が高く、開閉時の温度上昇を最小限に抑えてあります。パーティションで温度帯を分ける冷凍車もあります。
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冷却方式の種類
冷凍車の冷却方式は、機械式、蓄冷式、液体窒素式の3種類があります。それぞれの仕組みを以下で解説します。
・機械式
トラックの荷台に、上記で説明した冷却装置を備えた荷室を積んだ冷凍車です。冷却装置の重量分、車両重量は増え、最大積載量は減ってしまいます。この冷却装置を駆動させるのは車両のエンジンもしくはサブエンジンになります。詳しくは後述します。
・蓄冷式
蓄冷式は、蓄冷材(冷凍プレート)を予冷し、庫内の低温を維持します。エンジン駆動による冷却が不要で、騒音や排出ガスが少なくなります。短距離配送や小型車に適するが、連続運用には限界がある。
しかし、エンジンを切っても庫内の温度が下がらないというメリットもあります。蓄冷材の予冷に安価な深夜電力利用も可能で環境に優しい方式とも言えます。
・液体窒素式
液体窒素式は、強力な液体窒素の冷却作用を利用する方式です。-30℃以下の超低温にも対応し、冷却タイプとしては一番優秀な冷凍車となります。装置はシンプルですが、窒素補充のコストが高いというデメリットもあり、特殊な用途で使用されます。
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冷凍車を使用する際の注意点
冷凍車を使用する際は、適切な運用とメンテナンスが不可欠です。まず、庫内の予冷を徹底し、荷物を積む前に設定温度に到達させてください。ドアの開閉は最小限にし、積荷の出し入れを素早く行って温度上昇を防ぎます。荷室内が全体的に設定定温になるように、積荷は密着させて積むのではなく、隙間を作って冷気が循環するようにしましょう。
温度センサーの定期点検を行い、異常をいち早く発見しなければなりません。冷却システムのコンプレッサーやフィルターは、汚れや冷媒漏れがないか月1回点検が必要です。断熱材の劣化も確認し、交換が必要な場合は早めに対応しなければなりません。
ドライバーは温度管理記録を残し、荷主の要求に応じた証拠を保持する必要もあります。適切なメンテナンスで、品質維持とコスト削減を実現してください。
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冷凍車の主要メーカーと価格相場
日本での冷凍車主要メーカーは、いすゞ、三菱ふそう、日野自動車、トヨタなどになります。
いすゞ「エルフ冷凍車」は、小型で約500万円~700万円、中型で800万円~1,200万円。
日野「レンジャー冷凍車」は、中型~小型で700万円~1,500万円。
トヨタ「ダイナ冷凍車」は、小型で400万円~600万円。
価格は車両サイズ、冷却性能、付加機能(リフトやパーティション)で変動します。
中古車は200万円~500万円が相場です。メーカーごとの耐久性やアフターサービスも比較が重要です。
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冷凍車の選び方のポイント
冷凍車の選び方は、用途や運用環境に応じた適切な仕様が重要になります。以下に具体的なポイントを解説します。
・容量・想定距離・機能
冷凍車の容量は、一般的なトラックと同様で運搬する荷物の量で決めます。小型冷凍車(1~2t)は近距離配送、中型冷凍車(2~4t)は地域配送、大型冷凍車(4t以上)であれば長距離に適します。あわせて想定距離に応じて、燃費や冷却方式を選びます。長距離であれば機械式、短距離なら蓄冷式が経済的になります。
機能面では、温度センサー、パーテーション(複数温度帯対応)、リフトの有無の確認も必要です。積荷の種類(冷凍食品、医薬品)で必要な温度帯(-30℃や-5℃)を明確化してください。車両の耐久性やメンテナンス網も考慮し、信頼性の高いメーカーを選びましょう。事前に運用コスト(燃料、冷媒)を試算し、業務効率の最適化を目指してください。
・直結エンジン式・サブエンジン方式
機械式冷凍車の冷却装置の駆動は、直結エンジン式とサブエンジン式の2種類に分かれます。直結エンジン式は、車両の主エンジンでコンプレッサーを駆動させます。初期コストが安く、小型・中型冷凍車に適しているのですが、エンジンへの負荷が大きくなり、燃費が悪化する場合もあります。
サブエンジン方式は、独立した補助エンジンで冷却システムを駆動させます。燃費効率が良くなり、長距離や低温(-30℃)の安定した維持に向いています。中型・大型が一般的ですが、初期コストとメンテナンス費用が高いことが難点になります。
運用距離や温度管理の厳格さに応じて選択を行い、短距離なら直結エンジン式、長距離ならサブエンジン式がおすすめになります。
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まとめ
冷凍車は、-30℃の低温車や-5℃の中温車があり、冷凍食品や医薬品の輸送に不可欠なトラックです。冷蔵車(0℃から15℃)や保冷車(冷却装置なし)とは温度帯や用途が異なり、用途に応じた選択が必要になります。
冷却システムはコンプレッサーやエバポレーターで構成され、機械式、蓄冷式、液体窒素式の方式があります。使用にあたっては、メンテナンスや予冷、冷気循環の確保の確認が重要となり、余裕のある容量や冷却方式を考慮して選ぶことが大切です。適切な運用で、品質と効率を両立させましょう。
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