
エンジンオイル漏れが起きたらどうする!? トラブル回避のためにも迅速な対応が必要
目次

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はじめに
エンジンオイルは潤滑作用・冷却作用・洗浄作用・気密作用・防錆作用を持ち、トラックの心臓部分、つまりエンジンを支えている、なくてはならないものです。
しかし、各部品の修理時におけるヒューマンエラーや経年劣化など、さまざまな理由でエンジンからエンジンオイルが漏れ出すことがあります。
このオイル漏れは日々のメンテナンス時に気付かなければならないのですが、内部漏れの場合は発見するまで時間がかかってしまうことがあります。
オイル漏れはエンジンの焼き付きなど大きなトラブルにつながる可能性があるので、早急に対応する必要があります。

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オイル漏れが起きる原因
オイル漏れが起きる原因はさまざまです。
部品の劣化もあればキャブオーバー型トラックの場合、エンジン下部が外部に対してむき出しになっているためタイヤが弾き飛ばした小石に当たって破損する可能性もあります。
また、部品の締付けが悪いというヒューマンエラーによるオイル漏れの原因もあります。
さまざまなオイル漏れの原因を知ることで、オイル漏れを未然に防いだり、オイル漏れに対処することにもつながるのです。
・ガスケットの劣化
薄板状のパッキンであるガスケットの素材はゴムやプラスチックです。ガスケットはエンジンの各所で使われており、エンジン部品同士の接合部からエンジンオイルが漏れ出さないように隙間をふさいでいます。
しかし、ガスケットの素材であるゴムもプラスチックも経年劣化をしてしまいます。
避けることのできない経年劣化ですので理想的には取り換えたいところですが、大がかりなエンジンの分解整備となるため、費用も時間もかかりなかなかできません。
ガスケットの経年劣化がエンジンオイル漏れの原因となります。
・ドレンボルトの不具合
ドレンボルトはエンジンオイルを抜くためにエンジンの底に設置された排出用の蓋です。
ドレンボルトからエンジンオイルを抜くことは少なくなり、エンジンオイルの給油口から機械で吸い出して再び注入することが多くなっています。
それでもドレンボルトを使用する際はこのボルトを丁寧に扱うことが大切です。ボルトは正しく規定値のトルクで締めてください。甘い締め方はオイル漏れの隙間を作り、きつく締めるとボルトを傷めてオイル漏れの原因になってしまいます。
また、ワッシャーの再使用はオイル漏れの原因にもなりますので、使用後は新品のワッシャーに交換してください。
・オイルパンの破損
エンジンの底の部分であるオイルパンは簡単に破損する部品ではありません。
しかし、接合部に設置されたガスケットの経年劣化で隙間ができてオイル漏れを起こす可能性があります。
外部にむき出しになっている場合が多く、タイヤが弾いた小石や異物が当たって破損してしまうこともあります。
オイル漏れが起きたときの症状
オイル漏れが起きると、オイルランプの点灯の他にもさまざまな症状で確認することができます。
エンジンのオイル漏れの症状を事前に知ることや、その確認方法を知っておくことは修理などの次の手立てを早く打てることにつながります。
・マフラーから白煙が出る
マフラーからの白煙はエンジンオイルが燃えている場合に起こります。
エンジンの燃焼室に入る空気を制御しているバルブには、ステムシールとも言われるゴム製の部品が取り付けられています。それが劣化して、エンジンオイルが内部漏れを起こしてしまっています。
なかなか判断の難しいエンジンオイル漏れですが、排出ガスが白煙の場合、まずはオイルの内部漏れを疑い、その原因をバルブシールの劣化ではないかと疑ってみてください。
・異臭がする
本来燃えてはならないエンジンオイルが燃料とともに燃えてしまうと、白煙ばかりか異臭まで発生します。ゴムが焼けるような嫌な臭いがします。
臭いが消えない場合はオイル漏れを疑ってください。
・加速力が下がる
パーツ類の劣化や損傷などによりエンジンオイルが漏れ出し、燃料ともに燃焼したエンジンは、本来の出力を保つことができず、エンジンにダメージを与える可能性もあります。
さらに、エンジンの加速力が下がってしまいます。
このような場合にもオイル漏れを疑ってください。
・燃費が下がる
正常な燃焼ができなくなってしまったエンジンは本来の働きができません。加速が落ちてしまうばかりか、燃費まで下がってしまします。
さまざまな症状がありますが、燃費の落ちた場合にもオイル漏れを疑ってみてください。
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オイル漏れが起きた時の応急処置
オイル漏れには早急な対応が必要です。しかし、そうもいかない緊急な場合や、遠隔地でのオイル漏れ、早朝や深夜でプロの整備士にメンテナンスの依頼ができない場合もあります。
そのような場合にはトラックを動かさないことが一番の処置となりますが、走るのを止めるわけにはいかないこともあるでしょう。
以下のような応急処置を使って乗り越えてください。
・オイル漏れ止め剤を使う
通常は車両に合った粘度や規格のエンジンオイルを定期的にしっかり交換していれば、大きなトラブルは起こらないのですが、メンテナンスをしていても経年劣化は仕方なく、エンジンの性能低下は嫌でも起きてしまいます。
その時に活きるのがエンジンオイル漏れ止め剤です。
オイル漏れ止め剤は、劣化してしまったパッキンやガスケットを膨張させて、修復することでオイル漏れを止める作用があります。
オイル漏れの早い時期であるならば、この添加剤の利用も応急処置として有効です。
・粘度の高いエンジンオイルに交換する
エンジンオイルには粘度が低い軟質なものから粘度の高い硬質なものまであります。
オイル漏れの応急処置として粘度の高い硬質なオイルを入れてみるのも一つの方法になります。
エンジンオイルには「10W-30」や「10W-40」などのように数字でオイルの硬さを表記しており、右側の数字が大きくなるほど高温でも高い粘度を保ちます。その粘度の高さがエンジン内からの漏れなども防いでくれるのです。
しかし、その粘度の高さはエンジンに負荷をかけて性能を下げてしまい、燃費を落としてしまうことがあります。
・エンジンオイルを継ぎ足しする
エンジンオイルがなくなってしまえばエンジンは焼き付きを起こし、修理には多額な費用が必要になってしまいます。
緊急時を乗り越えるためにエンジンオイルを継ぎ足す方法もあります。
あくまでも一時しのぎの応急処置であることを十分心得てください。
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まとめ
オイル漏れの放置が危険であることは十分ご承知かと思います。仮に不具合が起きたとしても、あわてず対処し、早急なメンテナンスを行ってください。
毎日の業務開始時の点検が、このエンジンオイル漏れでは重要なのかもしれません。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
