
馬力とトルクの違いをわかりやすく解説! 車選びに役立つ基礎知識
トラックを例に挙げて、馬力とトルクの違いを説明します。どちらもエンジンの性能を示す指標ですが、役割と意味が異なります。その役割と意味を理解いただき、最適なトラック選びにお役立てください。
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車の馬力とは?
1.馬力の定義
馬力(horsepower)は、エンジンが一定時間内にどれだけの仕事(エネルギー)を行えるかを示す単位です。仕事率を表し、力(トルク)と回転数を掛け合わせて計算します。トラックのエンジンでは、「どれだけ速く、どれだけ長く走れるか」を表します。
単位:日本では「PS(Pferdestärke)」や「kW(キロワット)」が使われます。
2.1馬力がどのくらいか
1馬力(1PS)は約0.735kWで、1秒間に75kgを1m持ち上げる力です。それは人間10人分の仕事量に相当します。
3.馬力が高いとどうなるか
馬力が高いと、加速や高速走行が向上し、長距離輸送が効率的になります。ただし、燃費が悪化し、コストも増える場合があります。
4.馬力という単位ができた背景
18世紀、ジェームズ・ワットが蒸気機関の性能を馬の仕事量で示すために考案したものです。馬が1分間に33,000フィート・ポンドの仕事を基準に設定し、産業革命で広く使われました。
たとえば、高速道路を走るトラックの場合、馬力が大きいほど高い速度を維持して長距離を効率的に走れます。300PSのエンジンを持つ大型トラックは、200PSのトラックよりも高速での巡航が楽で、加速もスムーズです。馬力は「仕事率」に直結するため、トラックが重い荷物を運びながらどれだけ速く走れるか(速度と仕事量)に影響します。
・馬力を表す単位
1.馬力の単位が数種類ある
馬力を表す単位には、主に「PS(Pferdestärke)」「HP(Horsepower)」「kW(キロワット)」の3種類があります。これらは世界中で使われ、特にトラックや自動車のエンジン性能を示す際に登場します。
2.それぞれの単位の違い
PS(Pferdestärke): ドイツ起源で、1PSは約0.735kW。ヨーロッパや日本で伝統的に使用され、トラック(例:いすゞギガ520PS)によく見られます。
HP(Horsepower): イギリス起源で、1HPは約0.746kW。アメリカやイギリスでは主流で、トラック(例:日野プロフィア450HP)に使われます。PSとHPはほぼ同じですが、微妙な差(1PS ≈ 0.986HP)があります。
kW(キロワット): 国際的なSI単位で、1kWは1,000ワット。電気モーターのトラック(例:電気トラックが400kW)に採用され、PSやHPより正確なエネルギー測定が可能です。
3.単位の統一について
単位の統一は進んでおらず、地域やメーカーの慣習に依存します。ヨーロッパではkWへの移行が進む一方、日本やアメリカではPSやHPが根強く残ります。トラック業界では、たとえば、三菱ふそうが輸出用にHP、国内用にPSを使用する例があり、統一が難しい現状です。
国際標準化(ISO)ではkWが推奨されますが、伝統的な単位が使われるため、トラックの仕様書では複数単位が併記されることが多いです。
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トルクとは?
1.トルクの定義
トルク(torque)は、物体を回転させる「ねじる力」を示す物理量です。力(N)と回転軸からの距離(m)を掛け合わせて計算され、単位はN・m(ニュートンメートル)です。トラックでは、エンジンがタイヤを回す力を表し、重い荷物を動かす力強さに直結します。
2.自転車の例を用いて説明
自転車でペダルを漕ぐとき、強く踏む力(N)とペダルアームの長さ(m)がトルクになります。たとえば、50Nの力で0.2mのペダルを踏むと、トルクは10N・mで表せます。強く踏むほど、またはペダルが長いほどトルクが大きくなり、坂道を登りやすくなります。
トラックも同様で、いすゞギガ(2,157N・m)は、50tの荷物を坂道で力強く発進させることができます。
3.トルクと回転軸との関係(トルクを大きくするには)
トルクは回転軸からの距離に比例します。トルクを大きくするには、力を強くすること。回転軸からの距離を長くすることの2つが有効です。自転車ならペダルを強く踏むか、クランクの長いペダルを使います。
トラックでは、エンジンの出力を上げる(例:排気量を増やす)か、ギア比を調整してタイヤへの力を増幅します。たとえば、日野プロフィア(2,000N・m)は低速ギアでトルクを最大化し、急な坂でも安定して走行可能です。
・トルクを表す単位
1.トルクの単位
トルクを表す単位は、力と距離の積であるため、主に「N・m(ニュートンメートル)」が国際標準(SI単位)として使用されます。1N・mは、1ニュートンの力が1メートルの距離で回転軸を回す力に相当します。
トラックではエンジンの出力特性を示す指標として重要です。たとえば、いすゞギガの最大トルク2,157N・mは、重い荷物を坂道で動かす力強さを表します。また、伝統的な単位として「kgf・m(キログラムフォースメートル)」も使われ、1kgf・mは約9.8N・mです。トラックのカタログでは、日野プロフィア(2,000N・m)では、kgf・m(約204kgf・m)で記載される場合もあります。さらに、英米では「ft-lb(フット・ポンド)」がまれに使われ、1ft-lbは約1.356N・mです。
2.単位の統一について
トルクの単位は、国際的にはN・mが推奨されていますが、統一は進んでいません。日本やヨーロッパではN・mが主流ですが、アメリカではft-lbが一部に残り、トラックメーカーは輸出用に両方を併記することがあります。
たとえば、三菱ふそうスーパーグレート(1,900N・m)は、アメリカ向けには約1,400ft-lbと表示される場合もあります。ISOやJISではN・mへの移行を進めていますが、伝統的なkgf・mがトラック運転手や整備士の間で親しまれており、完全な統一は難しい状況です。トラックの仕様書では、地域に応じた単位が混在し、変換が必要な場合もあります。
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馬力とトルクの関係性や違い
1.馬力とトルクの具体的な違い
馬力とトルクはエンジンの性能を示す指標ですが、役割が異なります。トルクは「ねじる力」を表し、トラックが重い荷物を坂道で発進させる力強さに影響します。
たとえば、いすゞギガ(2,157N・m)は、50tの荷物を低速で力強く動かせます。一方、馬力は仕事率を示し、高速走行や加速の効率を表します。日野プロフィア(450PS)は、高速道路で80km/hを維持しやすく、長距離輸送に適します。トルクは力の瞬間的な大きさ、馬力はそれを時間的に継続する能力と考えると分かりやすいです。
2.馬力の計算式(馬力=トルク×回転数)
馬力はトルクと回転数(rpm)から計算されます。計算式は以下のとおりです。
馬力(𝑃𝑆) = トルク(𝑁・𝑚)×回転数(𝑟𝑝𝑚)
7127
7127はPS単位の変換係数です。1PS = 735Wとして、トルクと回転数から仕事率を計算し、簡略化された係数として導出されています。たとえば、トルク2,000N・m、回転数2,000rpmのトラックでは、
馬力 = 2000×2000 ≒ 561PS
7127
となり、高出力が得られます。トラックでは、低回転でトルクを最大化し、高回転で馬力を引き出す設計が一般的です。
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車選びの際は馬力とトルクの両方を確認しよう
1.使用者のニーズや好みによって分かれる
トラック選びでは馬力とトルクの確認が重要です。たとえば、長距離輸送が多いドライバーは馬力(例:日野プロフィア450PS)を重視し、高速走行の効率を求める一方、建設現場で重い荷物を運ぶ場合はトルク(例:いすゞギガ2,157N・m)を重視し、低速での力強さを優先します。
ニーズや好みで選択が分かれます。
2.乗り心地や体感性能の違い
同じ馬力でもトルク特性で乗り心地が異なります。トルクが大きいトラック(例:三菱ふそうスーパーグレート1,900N・m)は低回転で力強く、坂道での発進がスムーズで安定感があります。
一方、トルクが小さいと高回転が必要で、エンジンが唸り、振動や騒音が増えます。馬力が同じでも、トルクの立ち上がり方で加速感や快適性が変わるのです。
3.エンジンの種類による馬力とトルクの違い
ガソリンエンジンは高回転で馬力を出しやすく(例:300PS、1,200N・m)、加速が鋭いですがトルクは控えめです。
ディーゼルエンジン(例:450PS、2,000N・m)は低回転でトルクが大きく、重い荷物に適します。EVモーター(例:400kW、2,500N・m)は即座に最大トルクを発揮し、発進が非常にスムーズで静かです。
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まとめ
馬力とトルクの違いは理解いただけましたか。使用者のニーズや好みで選択が分かれ、馬力とトルクの違いは乗り心地や体感性能も変わってきます。高額なトラックを最高の一台として、長く乗車するためにも馬力とトルクを理解してください。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
