
トラックのエアタンクって何? 役割と構造、点検で見るべきポイントを解説
トラックのエアタンクは、圧縮空気を貯めてブレーキやサスペンションなどを動かすために必要な重要なパーツです。大型車両の安全走行や荷物運送の効率を支えています。
今回の『豆知識』では、エアタンクの役割や構造、数や容量、圧力確認方法を解説します。エアタンクのエアブレーキやトランスミッションへの影響、安全装置、故障時の不具合や点検のポイントも紹介します。
エアタンクの知識をよく理解していただき、安全性を向上させてください。日々の業務における事故防止と効率的なエアタンクの運用を目指しましょう。
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目次

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トラックのエアタンクって何?
トラックのエアタンクは、コンプレッサーで生成した圧縮空気を貯蔵する金属製のタンクです。エアブレーキ、エアサスペンション、トランスミッションなど、空気圧で動くシステムに圧縮空気を供給するために不可欠なパーツです。
大型トラックでは、荷重や長距離走行に対応するためエアタンクを装備し、各種の装置とともに安定性や安全性を確保しています。タンクは複数個設置されていて、容量や圧力は車両サイズによって異なります。その詳細は後述します。
耐久性は高く作られていますが、錆を発生させないよう水分の管理が必要になります。故障するとブレーキやギア操作に影響し、事故リスクが高まってしまいます。定期点検でエア漏れや圧力を確認し、安全運転を維持することが不可欠です。
安全走行のための日常車両点検においてエアタンクのメンテナンスは非常に重要です。
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トラックのエアタンクの役割と構造
エアタンクは、トラックの空気圧システムを支える中枢のパーツとも言えます。ここでは、エアタンクが支えているエアブレーキ、サスペンション、トランスミッションの役割と構造を解説します。
・エアブレーキ
エアブレーキは、圧縮空気でブレーキを制御するシステムです。大型トラックやバスに採用され、強力な制動力で重い荷物や多数の乗員がいる車両を安全に停止させます。エアタンクから供給される空気圧でブレーキシューをドラムやディスクに押し付け制動するのです。
・エアブレーキの構造
エアブレーキは、コンプレッサー、エアタンク、ブレーキバルブ、ブレーキチャンバー、配管で構成され、一つの装置として成り立っています。まずはコンプレッサーが空気を圧縮して、エアタンクに圧縮空気を貯めます。運転者がブレーキペダルを踏むと、バルブの作動によって空気圧をチャンバーに送り、ブレーキシューを動かしてブレーキを作働させます。
大型トラックでは、複数のタンクの設置で圧縮空気の安定供給を確保しています。チェックバルブやマルチプロテクションバルブが異常時に空気圧の漏れを保護します。メンテナンスでは、エア漏れや水分の除去がとても重要になってきます。
・エアブレーキの必要性
エアブレーキは、油圧ブレーキより強力で、車両総重量10t以上にもなる大型トラックを確実に停止します。油圧ブレーキは高温で効きが弱まりますが、エアブレーキは温度で制動力が左右されることなく、安定したブレーキングによって安心して停車できます。
国土交通省によると、トラック事故の約15%はブレーキ不調が原因となっています。エアタンクの圧力不足やエア漏れは制動力低下を招いてしまいます。定期点検で空気圧(約0.8MPa)を維持し、安全性を確保しなければなりません。
長距離走行や、過酷な環境下での走行でも信頼性が高いエアブレーキはトラックにとって非常に重要なブレーキです。
・エアブレーキを使うときのコツ
エアブレーキは、適切な操作で最適な効果を発揮します。安全性を確保するためにエアブレーキを使うときのコツを身につけてください。
①ブレーキペダルを急に踏むことは避けましょう。
急踏みはせずに、滑らかに踏むことがエアブレーキを適切に効かせるコツとなります。エアブレーキの急操作は空気圧の急減を招き、効きを不安定にさせてしまいます。
②圧力計を常時確認(正常:0.7~0.9MPa)するクセを付けてください。
インパネのエアブレーキ警告灯の警告音が鳴ったら、即時点検してください。
③長い下り坂ではエンジンブレーキを併用し、エアタンク内のエアの過剰消費を防いでください。
④駐車時はパーキングブレーキを確実にかけ、エアタンクの圧力低下の防止が必要です。
⑤冷間時はコンプレッサーの立ち上がりを待ってください(約5分間)。
これでトラック運転の事故リスクを軽減し、安定したブレーキ性能を維持できるようになります。
・エアサスペンション
エアサスペンションは、エアタンクの圧縮空気を利用して、走行中の衝撃を吸収・緩和できるサスペンションです。乗り心地を良くするばかりか、車高を調整することもできます。
走行路面や積載する積荷によって車高の調整を行い、最良の輸送状態を作ることができます。主に大型トラックやトレーラー、バスに採用され、荷物の保護や乗員の快適性、走行時の安定性を向上させています。精密機器など衝撃に敏感な積荷を運ぶ際にも非常に有用なサスペンションシステムです。
・エアサスペンションの構造
エアサスペンションは、エアバッグ(ベローズ)、エアタンク、コンプレッサー、レベルバルブ、ショックアブソーバーで構成されています。
エアタンクから圧縮された空気をエアバッグに送り、その空気圧によった衝撃緩和装置であり、車高を調整することも可能です。レベルバルブが荷重に応じて空気量を制御します。
大型トラックでは、複数のエアバッグで圧縮空気供給の安定性を確保しています。エアサスペンションの構造の中に、圧縮した空気をためることができるエアタンクが存在することによってエアサスペンションの機能は成り立っています。
・エアサスペンションの利点
エアサスペンションの利点の一つは、荷物の積み下ろしがスムーズに行えることです。エアサスペンションの空気圧を下げることで、車高を下げて荷台を地面に近づけ、フォークリフトの作業効率を高めます。
勾配の急な斜面では、車内にいながら行うことが可能な車高調整によって、車体底部の道路面との擦りを防止できます。エアサスペンションによって乗り心地は良くなり、振動を吸収し、ドライバーの疲労を軽減させてくれます。
振動や衝撃に敏感な精密機器、生鮮食品の運搬を行い、荷物の保護に役立つことも利点の一つです。非常に優れた衝撃吸収能力を持つエアサスは、輸送業でのトラックばかりか、居住性を要求される観光バスや路線バスにも採用されて安定・快適走行を実現しています。さらには、燃費向上やタイヤ摩耗の軽減にも寄与し、長距離運転で効果を発揮し大きな利点となっています。
・トランスミッション
エアタンクは、トラックのトランスミッションのギアチェンジも補助しています。大型トラックでは、ギア操作に強い力が必要なため、エアタンクからの圧縮された高圧の空気でスムーズな切り替えを行っています。ドライバーがトランスミッションのレバーを切り替えることによってエアタンクの高圧空気がギアを動かす補助をしてくれます。
エアタンクの高圧空気は自動変速や補助ブレーキにも利用されています。
・トランスミッションの構造
トラックのトランスミッションは、クラッチ、ギアボックス、シフトアクチュエーター、エアタンクなどのパーツで構成されています。大型トラックでは、ギアチェンジに大きな力が必要なため、以前は「てこ」の原理を利用して長いチェンジレバーを使ってギアチェンジを行っていました。しかし現在では、エアタンクから供給される高圧の圧縮空気(約0.8MPa)がアクチュエーターを動かし、ギアをスムーズに切り替えるようになりました。
エアアシスト式トランスミッションは、クラッチ操作におけるドライバーの負担を軽減し、運転を楽にします。自動変速モデルでは、エアでシフト制御を精密化しています。そのためにエア不足時はギアチェンジが硬くなり、警告音で通知されます。
定期点検でエア漏れや圧力を確認し、変速性能の維持を図る必要があります。特に長距離運転では、効率的にギア操作をサポートして、ドライバーの長時間運転による疲労の低減を実現しました。
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トラックのエアタンクの数や容量
トラックのエアタンクは、車両サイズで数や容量が異なります。
小型トラック(2t)では、1~2個(容量20~30L)のエアタンクが設置され、中型トラック(4t)は2~3個(30~50L)、大型トラック(10t以上)やトレーラーでは3~5個(50~100L)を搭載しています。
エアタンクからの高圧空気はブレーキ、サスペンション、トランスミッションに供給されます。容量は車両総重量や用途で設計されており、必要量の圧縮空気(0.7~0.9MPa)を確保しています。複数タンクで、万が一の故障時のバックアップも行います。そして、トラックへの搭載にはスペースに限りがありますので、一つのエアタンクを複数室(2室や3室)に仕切って複数の装置に高圧空気を送ることも行っています。
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トラックのエアタンクの圧力の確認・充填方法
エアタンクの圧力は、運転席の圧力計(0.7~0.9MPaが正常)で確認します。低下時はインパネのエアブレーキ警告灯が点灯し、警告音が鳴ります。点検はエンジン始動後、コンプレッサーが圧力を上げるまで待ってから、行ってください(5~10分)。
エア不足は、外部コンプレッサーでの充填が必要な場合があります(整備工場利用を推奨)。漏れや配管の詰まりを確認し、ドレンコックで水抜きも必要です。定期点検で圧力低下を防ぎ、安全性を維持することが大切です。
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トラックのエアタンクに搭載されている安全装置
エアタンクには、チェックバルブ(逆止弁)とマルチプロテクションバルブが搭載されています。
チェックバルブは、空気の逆流を防ぎ、コンプレッサーや配管を保護する役割を果たしてくれている安全装置です。マルチプロテクションバルブは、複数系統(ブレーキ、サスペンション)に空気を分配し、1系統の故障時でも他の機能を維持することが可能な安全装置です。
タンクは2~3の部屋に分割され、万一、穴が開くようなトラブルがあっても、全空気喪失を防止します。たとえば、大型トラックでは、ブレーキ用とサスペンション用に分離させており、故障時の安全を確保し、事故リスクを軽減させています。
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トラックのエアタンクが故障するとどうなる?
トラックのエアタンクの故障は、エアタンクのドレンコックを開けた際に、多量の水分やオイルが排出されることで確認できる場合があります。エアタンク内を乾燥させるドライヤーの故障や乾燥材の侵食の可能性があります。
エアタンクの故障は重大な不具合を引き起こしますので、早急な対処が必要となります。エアタンクの故障で一番に現われるのはエアブレーキの不調です。エアブレーキが効かなくなり、制動力が低下してしまいます。
大型トラックの場合には、その重量から停止距離が延び、追突リスクが高まってしまいます。ギアの切り替えもできなくなり、トランスミッションが硬くなり、変速不能になってしまいます。これらはエア不足(圧力0.5MPa以下)が原因で、警告灯の点灯とともに警告音(ブザー)が鳴ります。
対策としては、
①エンジン始動後、必ず圧力計を確認(正常0.7~0.9MPa)すること②ドレンコックで水抜きを行うこと
③エア漏れ点検を行うこと
④不調時には整備工場で即修理を行うこと
走行不能になる前に、定期点検でタンクの錆や配管の劣化を確認する必要があります。安全運転のために点検は必須の作業です。
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トラックのエアタンクの点検で見るべきポイント
エアタンクの点検は、安全運転のカギと言えます。以下で、重要なチェックポイントを解説します。
・エア漏れがないか
エアタンクの点検で一番重要なポイントです。エア漏れは、ブレーキやトランスミッションの不具合を招きます。点検は、エンジン始動後、圧力計で0.7~0.9MPaが確保されているかを確認します。
低下時は、配管やバルブの接続部に石鹸水で塗り、発生する泡で漏れを特定します。タンク表面の錆や亀裂も点検し、漏れ箇所は整備工場に修理を依頼します。定期点検を行うことによって、長距離運転でも安全を確保してください。
・エアタンク内に水がたまっていないか
エアタンク内に水分が溜まると、錆や圧力低下を引き起こしてしまいます。コンプレッサーの吸気で混入した水分が原因となります。
点検は、ドレンコックレバーを引き、排水の有無で確認します。濁りや錆混じりの水はタンク内部の腐食の可能性を示しています。週1回の排水を必ず行うことで、内部を清潔に保ち、ブレーキやサスペンションの機能を維持してください。定期的な水抜きで安定走行を実現してください。
・エアコックに異常がないか
エアコック(ドレンコックやバルブ)は、水抜きや圧力調整に使用します。錆や詰まり、緩みがあるとエア漏れや圧力不足の原因になります。
点検は、レバーの動きを確認し、固着や異音をチェックして行います。潤滑剤でメンテナンスし、必要ならば交換します。異常時は整備工場へメンテナンスを依頼し、定期点検で安全運転を確保します。
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まとめ
トラックのエアタンクは、エアブレーキ、サスペンション、トランスミッションを支える圧縮空気の貯蔵庫です。大型トラックの安全走行や積荷の保護に不可欠な部品です。
複数のタンクで安定供給し、チェックバルブや分割構造で安全性を強化しています。故障はブレーキやギアの不具合を招き、警告灯の点灯と警告音で通知されます。エア漏れ、水分、エアコックの点検で事故の防止につなげます。エアブレーキ、サスペンション、トランスミッションと、トラックの駆動に非常に重要な役割を果たすエアタンクです。
安全走行のために定期的なメンテナンス行い安全走行につなげてください。
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