トレーラーとトラックは何が違う?それぞれの特徴とメリットを解説

はじめに

 

超少子高齢化社会を迎えた日本において『3K』の業種とされる運送業もご多分に漏れることなく働き手不足にどの企業も頭を抱えています。

EC事業の発展と共にこの運送業界での働き手不足はますます深刻さを増していっています。

 

すこし古い資料ですが、2008年時点の経産省の調査で対象となったEC事業者数が5万6,199件あり、そのうち有効回答数が2万7,558件に上っています。

アマゾンジャパン、ZOZO、楽天などの無店舗販売組や、実店舗も持ちながらEC事業に参入しているヨドバシカメラ、ビックカメラ、ユニクロなどの大企業はその中のほんの一部で大多数は中小、零細のEC事業者たちです。

 

この右肩上がりのEC事業、これほど多くのEC事業者たちを支えているのは運送業です。

この先、どれだけAIが進化しようともコンピューターがエンドユーザーの元へ注文された品物を届けることは出来ません。

 

ますます深刻さを増す働き手不足を解決するために『働き方改革』を含めてさまざまな方法を考えて対処していかなければなりません。

 

トレーラーの利用はその対処方法の一つとなります。

一人のドライバーが一度に輸送できる最大量をもたらし、積荷・荷降ろし作業の手間を最小限に小さくできます。

 

一般社団法人日本自動車車体工業会の調査によると2019年度から2022年度まで『トレーラー国内需要見通し』で総需要台数は8,200台から9,400台と毎年大きくその需要は変わることなく推移しています。

このことは足らない労働力をトレーラーの優位性、利点を利用して補おうとする証明の一部とのなるでしょう。

 

今回の『豆知識』では日本の運送業を支えるトレーラーとトラックの違いを見ていきたいと思います。

 

 

トレーラーの特徴と種類

 

まずはトレーラーの特徴です。

トレーラーと呼ばれるトラックにはキャビン部分が無く、エンジンもありません。

当然自走することは出来ず、トレーラーを走らせるためにはけん引車となるトラクターが必要となります。

 

しかしながら、この自走出来ないトレーラーには利点があります。

トラクターはトレーラーをけん引して目的地まで走り、そこでトレーラーを切り離してそのまま置いてくることが出来ます。

 

これがトラックであれば当然積載物の荷下ろしの作業があり、そこでの滞在時間が長くなってしまいます。

トレーラーはその時間を省略でき、その時間を走行時間に充てることが出来ます。

 

この場合、トラクターが複数台あれば、中継地点を設けてそこで次のトラクターにけん引して来たトレーラーを引き継げば、トラックであれば宿泊しての輸送作業となるところをトラクタードライバーは日帰り作業として業務をこなすことが出来て、働き方改革にも役立ちます。

 

また、トレーラーは通常のトラックより積載量は大きくなります。

このことは一人当たりの輸送量を増やすことであり、物流業界のドライバー不足に役立つこととなり、トレーラーの利用が進んでいる理由の一つにもなっています。

 

そして、トレーラーには大きく分けてセミトレーラー、フルトレーラー、ポールトレーラーの三種類のトレーラーがあります。

 

セミトレーラー

セミトレーラーは私たちが目にすることの多い日本で一番普及しているトレーラーです。

けん引車両(トラクター)にけん引され、後輪だけを持っており前輪を持ちません。

セミトレーラー単独で自立させるには補助足を使う必要があります。

 

トラクターに連結されて初めて運搬車両としての機能を果たします。

運転時には比較的小回りが利き、バック進行時にも操作性がよく運転操作はしやすいです。

 

全体の長さは国土交通省車両制限令で16.5m以内と定められています。

 

国際規格の海上コンテナのサイズ、その長さは20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の二種類です。

40フィート(約12m)のコンテナ用トレーラーとそれをけん引するトラクターとで全体の長さがが16.5mほどになります。

その他の種類のトレーラーも全長16.5mに合わされています。

この車両制限令の全長規制のため、トレーラーを連結して2連結のトレーラーとしての利用は出来ません。

 

 

フルトレーラー

より多くの荷物を積むために単体のトラックにトレーラーを連結した前輪と後輪の両方を持つ被けん引車両です。

フルトレーラーのけん引車両であるトラクターは普通のトラックとしても使うことができます。

 

運転時にはセミトレーラーと違い先頭のキャビンで二台の車両を連行することとなり、運転操作は複雑で難しくなります。

バック運転操作にはかなりの熟練を要します。

 

けん引部分と合わせた、全体の長さが21m以下と国土交通省車両制限令で定められています。

 

そして、現在では一部通行区間(新東名高速道路の豊田東IC~海老名ICを中心とする決められた区間)で、一定の要件を満たして申請許可が下りれば全長25mのフルトレーラーのコンテナトラックの通行が認められています。

 

ポールトレーラー

長尺物を運ぶトレーラーです。積荷によってトレーラ―車体のポールを伸縮することが出来ます。用途が特殊なため、大型特殊自動車として取り扱われます。

 

 

トラックの種類

 

積荷に対応させたさまざまな種類のトレーラーがあります。

トレーラーは自走出来ないだけでトラックと同様の機能を持ちます。

さまざまな積荷に対応したトレーラーとトラックを対比して考えるためにトラックの種類をおさらいとして考えてみたいと思います。

 

平ボディ

一般の方でも『トラック』と聞けば一番に想像するトラックは、オープンなスタイルで荷台がフラットの形状の『平ボディ』でしょう。1t車から10t車まであります。運送業のみならず、農業・林業・水産業での小運搬から建設業での資機材運搬までモノを運ぶトラックの種類で言えばこの平ボディが定番です。

 

そして、用途によってアオリを選ぶこともできます。幌の有り、無しも自在です。低床車などの種類も各メーカーは揃えておりモノの積み込み方で選ぶことが可能です。ハードな使用に耐え、様々な使用方法に利用されています。

平ボディは活躍する場所を選ばない、多くのニーズを世の中に持つトラックです。

 

冷凍・冷蔵車

その名称の通り冷凍・冷蔵装置が付いて、荷台が冷凍庫や冷蔵庫のようになる種類のトラックを『冷凍・冷蔵車』と呼びます。冷凍食品を運んだり、生鮮食品を新鮮なまま運ぶことができます。

 

この原型となる国産冷凍車第一号は第二次世界大戦後の福岡市で難産の末に産声を上げています。駐日米軍基地の福岡市内の駐在員家庭にミルク・パン・アイスクリームを配達して欲しいとのアメリカ軍の要請に大手運送会社は全てさじを投げました。

 

そんな中で福岡市の福岡運輸株式会社がただ1社、手を挙げました。会社を創立した女性社長は冷凍車の将来性を見込みアメリカ軍の中古トラック、冷凍庫を払い下げてもらい矢野特殊自動車と共に苦心して研究開発しました。

 

冷凍車と冷蔵車と二つの種類に分類されます。

冷凍車は低温冷凍車・中温冷凍車と世の中のニーズに応えてその種類は細分化されています。冷蔵車は生鮮食料品以外にも薬品や化粧品、植物・精密機械などの定温輸送に活用されています。世の中が便利になり過ぎた現在、冷凍・冷蔵の低温・定温輸送が当たり前になっています。無くてはならない存在になっています。

 

バンボディ

金属素材の荷室の載ったトラックの種類を『バンボディ』と言います。

BtoC時代の到来は商品の種類・量を少品種多量時代から多品種少量時代に変えました。これによって『バンボディ』の価値は大きく上がってきています。

 

平ボディの荷台が荷室になることで雨風の影響を受けることも無く、運送業の最大のミッションである安全、無事にお客様のもとに荷を届ける作業の精度を向上することが出来ます。少品種多量であれば平ボディの荷台にフォークリフトで平積みをする単純な作業でしたが、多品種少量となるとそういうわけにはいきません。宅配便の小口配送のさまざまな形・大きさの荷物は積みにくさも配送中の荷崩れの心配もありません。

 

 

タンク車 (タンクローリー)

『タンク車』もしくは『タンクローリー』、一般道や高速道路を走っていてもよく見かける種類のトラックです。ガソリンなどの液体ばかりではなく、食品や工業用の原材料であるさまざまな種類の固体・気体の輸送も行う輸送トラックです。

 

積荷は消防法で定義されるガソリン・石油・劇薬類などの危険物、牛乳・飲料水、温泉水や水族館の海水などの非危険物である液体。工業における原材料となるセメント・石炭や食料品である小麦粉などの固体。高圧ガスなどの気体であったりします。

 

積荷の種類は重量のあるものばかりです。その高重量の積荷の荷重を分散させるためにタンクの形状は楕円形ないしは真円形となっています。

 

そして積み込む荷の素材によってタンクの材質も変わってきます。スチール、ステンレス、アルミ合金、FRPとさまざまです。その積荷によって各タンク車、タンクローリーは専用車両となります。

 

 

トレーラーとトラックの特徴とメリット

 

トレーラーとトラックは同じ機能を果たす種類の車両でも、一つのシャーシで一体になっているトラックと、トラクターとトレーラーの二台で構成されているトレーラーとではそれぞれ違った特徴を持ちます。

 

冒頭で述べたトレーラーとけん引車両であるトラクターと分離することでのメリットがあります。

 

運転機能的には同じ長さのトラックよりもトレーラーの方が回転半径が狭く長さのわりに交差点での右左折がし易いというメリットがあります。

 

税制面ではトレーラーには重量税がかからないというメリットがあります。

一台のトラクターで多種類のトレーラーを引けば、複数台のトラックを一台分の重量税で利用できることになります。

 

そして、高速道路の通行料は一体となったトレーラーの車軸合計3本が大型料金、車軸合計4本が特大料金となっています。

これは道路面への接地したタイヤの車軸本数なので、このルールを利用したリフトアクスル機能という積み荷の積載重量に応じてタイヤを接地させたり浮かせたりする機能を搭載したトレーラーもあります。

これを利用すれば高速料金ばかりか、燃費やタイヤ、ブレーキパッドの摩耗減少にも役立ちます。

 

 

さいごに

 

トレーラーとトラック、この二種類の貨物の輸送を目的とした車両にはそれぞれ使用のメリットがあります。

そのメリットは利用する側のそれぞれの事情や環境で変わってきます。

その事情や環境は働き手の問題であったり、発注者の希望もあれば、企業としての利益の追求や自然環境対策への取り組みであったりするでしょう。

 

トレーラーとトラック、いずれにしても非常に高価な資産となります。

十分な検討を行っての購入となると思います。

その際の参考としてこの『豆知識』がお役に立てれば幸いです。

 

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