トラックのキャビンにはどんな種類がある?メリットとデメリットを解説

はじめに

 

トラックのキャビンはキャブとも呼ばれ、トラックの一番前の運転席のある部分を指してそう言っています。

ドライバーはキャビンで過ごす時間が多く、単なる運転席のある運転室だけではなく、ある時には事務仕事を行う事務室であり、休憩室でも食事をする憩いの場でもあり、長距離ドライバーにとっては仮眠室にもなっています。

 

トラックメーカー各社は長年積み重ねてきたノウハウと多くのドライバー達からヒアリングを行いキャビンの改良に務めています。

キャビンはひと昔前と比べると驚くほど快適で居心地が良く、しかも運転はしやすくグレードの高いものに進化しています。

 

運送業は日本の基幹産業でありながら、他の産業と比べると所得水準は低く、重労働であり危険作業や交通事故という危険と切っても切れない環境にあり、深刻な人手不足となっています。

女性の就業割合が低く、高齢者の就業が多く若年層の就業は薄いものとなっています。

 

この先、運送業界により多くのドライバーを呼び込むための施策の一つとしてこのキャビンにも焦点が合わされています。

国土交通省が中心となって設置された『女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方検討会』において、キャビン整備の充実も課題として挙がっています。

 

『働き方改革』『SDGsへの取り組みにおけるホワイト物流』においてこのキャビンも欠かすことの出来ない今後の改良項目の一つになっていきます。

今回『豆知識』ではこのキャビンを皆さんと再考してみたいと思います。

 

 

トラックのキャビンその種類と特徴、メリットとデメリット

 

トラックのキャビンにはその大きさ、形状から5種類あります。

◆ショートキャブ

◆フルキャブ

◆ダブルキャブ

◆ワイドキャブ

◆ハイルーフキャブ

 

国内でのトラックのキャビンの形状はエンジンの上に乗車スペースが乗ったキャブオーバー型が主流です。

一昔前は海外の映画に出てくるようなボンネット型のトラックもありましたが、各サイズのトラック毎に決められた全長から積載スペースを少しでも広く確保するにはボンネット型よりもキャブオーバー型の方が有利になります。

 

キャブオーバー型のキャビンのその形状から5種類に分かれたそれぞれのキャビンの特徴及びメリットとデメリットを見ていきたいと思います。

 

◆ショートキャブ

国内のトラックのキャビンで一番多いのがこのショートキャブです。

側面から見たショートキャブのキャビンはフルキャブ、ダブルキャブより短かくなっています。

小型トラックから大型トラックまで一番一般的な標準キャブとも呼ばれるキャビンです。

乗員は3名までです。

メリット デメリット
キャビンの長さが短くなることで荷台を長くとることが出来ることと、キャビンの軽量化によって、積載量がその分増えます。

キャビンの居住部分を削って輸送という目的に重点を置いたトラックと言えます。

長距離ではない短距離・中距離での輸送に向きます。

居住空間を削り取ってしまったことは仕事に専念することであり、その事がデメリットとなります。

仕事の合間にキャビン内で休憩をすることは期待できません。

長距離運転には不向きなキャビンです。

 

◆フルキャブ

フルキャブとはキャビン内運転席後部に一人用のベッドを備えたものです。

当然なことながら、側面から見るとショートキャブよりもキャビンが長くなっています。

乗員は3名までです。

メリット デメリット
キャビン内は広くなり、ドライバーは横になっての休息や長距離を走行する際に仮眠を取ることが出来るので心身のストレスをしっかり解消して安全運転に務めることが出来ます。

長距離走行の業務に向きます。

キャブ長が長くなることと、装備分の重量が重くなることによって、その分荷台の長さは短くなり、積載量もキャブが重くなってしまう分減ってしまいます。

 

◆ダブルキャブ

乗員座席が二列になっているキャビンです。

シングルキャブ、フルキャブでは乗員数2~3名のところ5から6名の乗員数を可能にしています。

小型トラックでの採用が多くみられ、多人数の作業員と資機材・材料を同時に運べることから建設現場へ向かうトラックにはこのダブルキャブが多く見られます。

メリット デメリット
もちろん、人員の輸送が出来ることです。

それに加えて大量には輸送できませんが資機材・材料を同時に輸送できることです。

作業道具等を必ず持参する必要のある建設現場への作業員の送迎に重宝します。

キャビン内は広くなりますので多少の長距離も快適に運転・走行することが出来ます。

キャビン内のシートが2列になることによってキャビンが長くなり、荷台や荷室は狭くなってしまい積載量はその分、小さくなってしまいます。

乗員数を優先するのか積載量を優先するのか、事業者の判断で決めることなので必ずしもデメリットとは言えないかも知れません。

 

 

◆ワイドキャブ

その名の通り、標準的なショートキャブより20㎝ほど幅が広くなっているトラックのキャビンです。

小型・中型・大型トラック各サイズに採用されています。

幅が広がるということは荷台・荷室の幅も広がってその分の積載量が増えるということです。

メリット デメリット
キャビン内の空間が広がりゆとりが出来るため、ドライバーも同乗者も楽になり、肉体的・精神的な疲労を減らすことが出来ます。

そして、荷台・荷室は大きくなり、積載量を増やせる大きなメリットがあります。

 

車幅が広がるということは、その分運転が難しくなるということです。

小回りが利かなくなる分、注意して安全運転に務めなければなりません。

市街地や近距離の輸送ではなく中距離・長距離の輸送に適したサイズのキャビンであり、トラックと言えることが出来るでしょう。

 

◆ハイルーフキャブ

名称の通り、屋根の高いキャビンです。すべてはドライバーの快適性とその快適性がもたらす安全のためのハイルーフです。

成人男性が立てるほどの高さを持つキャビンもあれば、ハイルーフ部分がベッドスペースになったキャビンもあります。

メリット デメリット
キャビンを長くすることなく、ベッドスペース(居住空間)を上部に設けることによって荷台・荷室のスペースを減らすこと無くトラックを構成できています。

ドライバーの肉体的・精神的ストレスを和らげることの出来る空間はドライバーの最大のミッションである安全を高め、同時に仕事の高効率化を実現させることが可能です。

しかしながら、高い居住性を保つということはそれだけ費用がかかっているということになり高額な車両価格になるということです。

そして、ハイルーフの壁面は厚さに限界があるため、夏場の暑さがあることは知っておかなければならないことのようです。

改良点はまだ残されているようです。

 

しかしながら、高い居住性を保つということはそれだけ費用がかかっているということになり高額な車両価格になるということです。

そして、ハイルーフの壁面は厚さに限界があるため、夏場の暑さがあることは知っておかなければならないことのようです。

改良点はまだ残されているようです。

 

働き方改革とトラックのキャビン

 

冒頭にも述べました通り、運送業の深刻なドライバー不足に対応するため、国も腰を上げて国土交通省がその打開策の一つとして女性ドライバーたちの要望を聞き、取りまとめています。

『女性ドライバー(トラガール)等が運転しやすいトラックのあり方 取りまとめ』として2019年4月に国土交通省と公益社団法人全日本トラック協会でトラガールと高齢ドライバーの活躍に向けてのトラックのあり方をまとめています。

 

そこにキャビンについても要望があがっており、ピックアップしてみました。

・小物入れの充実度の向上

・キャビンへの乗り降りのステップの位置の配慮

・運転に適したシートの調節範囲(背もたれの角度、座面の位置)

・UVカットガラスの設置

・ラウンドカーテン・カーテンレールの充実

・サンバイザーの改善

・エアコン改善(ベッド・アイドリングストップ対応含めて)

・ベッドスペースの充実

・室内灯の照度アップ

以上のような要望が上がっています。

 

これらはトラックでの輸送と切ることの出来ない居住性能(事務仕事、休憩、食事、仮眠)を高めることであり、安全につながり、トラックドライバーを志す女性や若者のモチベーションにつながります。

 

トラック事業者はよくこれらを理解し、トラックメーカーは最新技術を導入し、最善の開発を行うことによって女性をはじめとする多様な人材を確保する努力が必要でしょう。

 

最後に各メーカーのキャビンに対する取り組みを見てみたいと思います。

 

 

各メーカーのトラックのキャビンに対する取り組み

 

◆日野自動車

大容量のセンターコンソール、充電専用のUSBソケット装備や運転席から1.6m先の子どもを目視確認できる上下に広いフロントウインドウの装備を行っています。

 

高い場所でしかも上下に広いフロントウインドウの洗車、ふき取りは背の低い女性に至難の業です。

フロントグリルを手前に引くと出て来る幅約1.5mのステップはそんな問題を解消します。

 

運転中のスムーズな操作移行を実現するために運転シーンに合わせスイッチ操作を分離すると共に、単純明快にわかりやすくすることで、頻繁な操作や長時間の運転などでも、“ドライバーが疲れないトラック”を目指し開発を行っています。

 

“ドライバーが疲れないトラック”は安全に即、関係することで事業主にもドライバーにとっても大変気になるところです。

 

◆いすゞ

『シートの角度や座面の(形状)凹凸なども、世界中の国々の人たちの身長や体型などを人間工学の面から研究して、長時間運転してもなるべく疲れないような工夫がされています。デザインや材質も、下手なセダンには負けないほどのクオリティです。』(いすゞウェブサイトより)

 

長時間の運転に睡眠や社内での事務作業・生活まで含めるとこの人間工学は非常に大切なものとなってきます。

 

永年に渡る経験と蓄積に新たな研究を加え、ドライバーにとってより優しいトラック、キャビンを開発してくれることはありがたいことです。

 

◆UDトラックス

UDトラックスでは「女性ドライバー向け試乗会」を開催し、現場で働く女性ドライバーと直接意見交換を行っています。

 

「女性ドライバー視点からみた女性が乗りやすいトラックとは」や「現役女性ドライバーからみた女性が働きやすい運送業界とは」などを中心に意見交換会を行い、試乗会、工場見学会を行っています。

 

このような取り組みでUDトラックスは女性が運転しやすい働き易いトラック、キャビンの開発を進めています。

 

 

おわりに

 

運転室として考えるトラックのキャビン、事務作業や休憩・仮眠の居住空間としてのトラックのキャビン。

いずれにしても使い易さと安全性能の高さは不可欠です。

一番大切なドライバーという人材不足解消にも一役買う『トラックのキャビン』はトラックを購入する際にも重要な決定要素となることでしょう。

 

世の中の動きとともに進化しているトラックのキャビンです。

経営者、事業主の皆さんには日々の情報収集のアイテムにこの『トラックのキャビン』を是非加えていただきたいと思います。

 

これからもこの『豆知識』にお付き合いください。

 

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