『助成金・補助金』の活用について考える 前編

2020年は物流業界に限らず、全世界の産業においてこれまでの歴史上にあった革命時に匹敵するようなさまざまな予測できなかった動きを『新型コロナウィルス』によって引き起こされつつあります。

業界全体の99%を中小企業で占めるこのトラック業界、今回は中小に限らず大企業においても有事の際の資金確保の重要性を身に染みて感じ、今回『助成金・補助金』の有用性を改めて実感した経営者、資金調達担当者も少なくなかったのではないのでしょうか。
“TRUCK BIZ”では日本の基幹産業である『物流』、その中でも運送業界全体の9割を担う『トラック業界』における『助成金・補助金』について考えてみたいと思います。

日本の物流業の歴史

歴史をさかのぼれば、江戸時代の『傳馬と助郷の制度』人馬による配送システムからトラック運送は続いています。
その転換期に近代配送システムである『物流』を真剣に考えたのは明治政府でした。
 
それまでの日本は飛脚の時代でした。
資本主義国家『日本』を作らねばならないと模索していた明治新政府は、日本全国にネットワークを持つ飛脚をもとにして出来上がっていた『定飛脚陸送会社』へ郵便事業の運送部門を委ねました。
明治政府は当時郵便事業に含まれていた運送部門を民間に委託して現在の郵便事業に特化していったのです。
 
それから、本来ならば国家事業として行っていてもおかしくない運送業は民間企業の中で切磋琢磨し、国の指導も入りながら今日に続いているのです。

そもそも『助成金・補助金』とは

助成金と補助金の二つの言葉があるのですが、英語でのこの単語がわかり易くどちらも“subsidy”であり“サブとサイド”で構成された単語で、どちらもメインではありません。
メインとなる主たる事業を行うための助成事業・補助事業であって二つの言葉に大きな違いはありません。
 
ただ、国で行われる事業においては、厚生労働省では助成金、経済産業省では補助金と使い分けられています。
用語の使用ルールだけで、大きな違いは無いと思われます。
 
運送事業に限らず特定の事業の促進を期するために国、地方公共団体が公共団体、私的団体、個人に交付する金銭給付の負担金・交付金・委託費などを総称して『助成金・補助金』と言います。

『助成金・補助金』によって活かされること

『助成金・補助金』の目的は上記に述べたように、『特定の事業の促進』です。
公が特定する事業ですから、個人の利益に供するためではありません。
そして『助成金・補助金』の原資は税金ですので、国と国民の幸せにつながるものでなければなりません。
 
この『助成金・補助金』の大本は国の主管省庁から流れてきます。
 
・国土交通省、トラック業界の主管部所はもともと運輸省でした。
この運輸省は2001年にこの国交省に吸収されていますから交通省がトラック業界の主管部所です。
 
・経済産業省は旧通商産業省、産業構造・物資の流通の効率化及び適正化・省エネルギー及び新エネルギーに関する政策などに関わり、トラック業界に大きく影響をもたらします。
 
・厚生労働省はもともと厚生省と労働省と別のものでした。
密接に関係しあう二つの省は合併して厚生労働省となりました。
国家を支える基幹産業でありながら実態は“3K”の過酷な労働環境がまだ残るトラック業界です。基幹産業として、なくてはならないこのトラック業界においても『働き方改革』を実現し若い担い手を育てて、すぐそこまで来ている高齢化社会に立ち向かうのもこの厚生労働省の旗振りで大きく変わるといっても過言ではありません。
 
環境省は旧環境庁、時代の流れとともに重要性を増してきた『環境』に対して強い権限を持ち、様々な対策を執行するためにこちらも2001年に環境省に昇格しています。
基幹産業として止めることのできないトラック業界からのCO2削減への対応が環境省の大きなミッションでもあります。
 
日本という国が今後これまで以上の成長を遂げるためには『トラック輸送』無しで考えることは出来ません。
物流のスタイルは『BtoB』(企業間配送)から『BtoC』(企業から直接個人への配送)へと移り変わり人間の手数のかかる方式へと、ある意味時代に逆らったスタイルへなってしまっています。
大きな意味で『モーダルシフト』を伸ばすことは時代の流れに沿った地球環境には良いことだと思われます。
 
しかしながらこの『モーダルシフト』のためのインフラには限界があります。
『モーダルシフト』の先に残る個別の配送はいつまでもトラック業界に委ねられることでしょう。
AIでのロボットによる人力皆無での配送可能なシステムでも出来ない限りそれが変わることはないでしょう。
 
 
『助成金・補助金』を有用に活かすこと。
『助成金・補助金』の原資は税金やトラック協会への会費であること。
 
使わねば損失であり、使えば利益向上につながるのが『助成金・補助金』とよくご理解していただきたいと思います。
 
今回“Track biz”では日本で欠くことの出来ないトラック業界に従事されている皆さんと『助成金・補助金』について今回を含めて3回に渡って考えてみたいと思っています。

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