
高床・低床・全低床トラックの違いは? 特徴や用途、メリット・デメリットなどを比較
トラックには高床トラック、低床トラック、全低床トラックと荷台の高さが違うタイプがいくつかあります。では、どうして荷台の高さにこだわるのでしょうか。
運送業に携わる私たちは、道路交通法というルールの中で日々の業務を行わなければなりません。道路交通法ではトラックの高さが3.8m(一部4.1m)と決められており、この範囲内で最大積載量を最も活かせるようにトラックを低床化したり、積荷や走行路の環境に合わせて高床化されたトラックがあります。そして、ドライバーが荷の積み下ろしで健康を損なうことがないようにすることも大きな理由です。
今回の『豆知識』ではこの3タイプのトラックの違いから、特徴や用途、メリット・デメリットなどを解説いたします。
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目次

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高床・低床・全低床のトラックの特徴と見分け方の違い
トラックの「高床」「低床」「全低床」は、荷台の床面が地面からどのくらいの高さにあるかによって区別されます。それぞれの特徴と見分け方について解説します。
高床トラックの特徴と見分け方
トラックの「高床」「低床」は、地上から荷台床面までの高さで見分けることができます。高床トラックは、地面から荷台までが一番高く、走行時の安定性に優れているのが特徴です。
大型トラックではその外観から見分けやすいのですが、小型、中型トラックではタイヤの外径で見分けます。前輪、後輪ともに大口径のシングルタイヤが装着されています。
荷台と地面の間に大きな空間があり、タイヤの外径が大きいことが一目で分かります。この構造により、悪路や舗装されていない道路での走行に強く、重量物の輸送や長距離の輸送に適しています。
低床トラックの特徴と見分け方
低床トラックは、高床トラックと比べて荷台が低いのが特徴です。見分けるポイントは、後輪タイヤの外径が前輪よりも小さい点にあり、二重タイヤ(ダブルタイヤ)になっている場合もあります。
この構造により、荷台を地面に近づけているため、トラック輸送の作業の中で一番の重労働となる積み込み、荷下ろしを効率的に行うことができます。主に市街地での配送や、頻繁に荷物の積み下ろしが必要な業務で活躍します。
全低床トラックの特徴と見分け方
全低床トラックは、低床トラックをさらに進化させた構造で、車両全体を低く設計したトラックです。前輪・後輪ともに外径の小さなタイヤを装着しているのが特徴です。特に後輪では二重のタイヤ(ダブルタイヤ)が装着されて積載量を支えるタイプが多いです。
これにより、荷台の床面をフラットに低くすることができ、フォークリフトを使って非常に効率的な積み下ろし作業を可能にします。主に大量輸送や引越しなどの業務で広く使用されています。
種類 | 荷台の高さ | タイヤ |
高床 | 高い | 前後とも同じ大きさのシングルタイヤ |
低床 | 低い | 前輪は大きく後輪が小さくダブルタイヤの場合もある |
全低床 | 中間 | 前後輪ともにサイズは小さく、後輪がダブルタイヤの場合もある |
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高床・低床・全低床のトラックの用途の違い
トラックの荷台の高さは、運ぶ荷物や走行する環境によって使い分けられます。作業内容や走行距離などで効率性を高めるため用途によって使い分けます。その用途の違いを紹介します。
高床トラックの用途
タイヤの大きな高床トラックは、重量物を安定して運ぶことができます。そのため深夜印刷される新聞朝刊をまだ夜が明けきらぬ深夜に各新聞配達所にこの高床トラックが輸送しています。書籍などの重量物輸送にも適しており、パワーゲート(テールゲートリフター)を備えていることが多いです。
高床トラックには重量物や長尺物の積み下ろしの際はフォークリフトやクレーンの使用が必要になる場合があります。建築・林業・長距離輸送に需要が多いです。
また、冷蔵・冷凍トラックは太陽の熱をため込んだ地面から冷蔵・冷凍室を少しでも離したほうが効率は良いため、高床トラックが適しています。積み込み、荷下ろしの回数が少なく長距離を走るのであれば、ドライバーにも積み荷にも負担の少ない高床トラックが向いていると言えるでしょう。
低床トラックの用途
低床トラックは、荷台床を最大限に利用する大量輸送や形状の変わった背の高い荷を輸送するのに向いています。その最大の利点は、荷台の床面が地面に近いため、手作業での積み下ろしが非常に楽になることです。例えば、宅配便では個々の荷物を手で積み降ろすことが多いため、低床トラックが重宝されます。
また、背の高い荷物や、フォークリフトで荷物を積み込む際にも、荷台の高さが低いため作業効率が格段に向上します。
全低床トラックの用途
全低床トラックは、特に荷物の積み下ろしを頻繁に行う業務で真価を発揮します。前後輪のタイヤ径を揃えたため、荷台全面が低く平らになっています。そのため、フォークリフトで荷物を積み込む際にも、作業効率が格段に向上します。
その他、積み荷の重心が低くなることで、走行時の安定性が向上し、カーブを曲がる際や、風が強い日でも安全に走行できるというメリットもあります。
低床トラックよりも荷台下に余裕があるため、頑丈なフレームやサスペンションの搭載が可能です。荷台床高を下げて荷室の積載量を増やしたバンボディトラックは、現在右肩上がりで増えているEC事業における巨大配送センターから各地の配送拠点となる中継基地への輸送に適しています。高床・低床・全低床の用途の違いをまとめたので確認してください。
種類 | 主な用途 |
高床トラック | 長距離輸送、重量物輸送、悪路走行、新聞や冷凍・冷蔵品の輸送、建築・林業での使用 |
低床トラック | 頻繁な積下ろしを伴う配送、宅配便などの配達業務 |
全低床トラック | 大量輸送、背の高い荷物の輸送、EC事業の拠点間輸送、引越し |
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高床・低床・全低床のトラックのメリット・デメリットの違い
高床・低床・全低床トラックは、それぞれ異なる構造を持つため、メリットとデメリットが大きく異なります。
高床トラックのメリット
外径の大きなタイヤや、リーフスプリングへの取り付け位置で十分にクッションが効くので、ドライバーや積み荷への負担を軽減できることが大きなメリットと言えるでしょう。そのため長距離輸送に向くタイプのトラックです。
走行安定性が高いので、路面の悪い建設現場で行う資機材の小運搬にも高床トラックが向いています。高床トラックではどのタイヤも同じサイズになりますので、スペアタイヤは1本だけ用意すればよいというメリットがあります。
高床トラックのデメリット
一番のデメリットは荷台床面が高くなることから荷物の積込み、積下ろしに大きく負担がかかることです。それが手作業となればなおさらです。荷台への上がり降りだけでも大変な労力となってしまいます。
そんな労力をなくすことや、危険・事故を避けるためにもパワーゲート(テールゲートリフター)を装備したり、リフトやクレーンを利用しての積み込み、荷下ろしが必要になってしまい、このことはデメリットと考えられます。
低床トラックのメリット
低床トラックのメリットは、トラック低床化の目的である荷物の積み降ろし作業が非常に効率的になることが一番のメリットです。平ボディトラックであれば荷台床上の空間が広がり、形状の特殊な荷物の積み込みが可能になり、上部からクレーンでの積み込み、荷下ろしが可能になります。
外径サイズが小さくなったタイヤやホイールもメリットを生み、タイヤの小ささがトラック旋回時のハンドルへの負担を小さくし、ステアリングの負担を抑えてくれます。
低床トラックのデメリット
低床トラックのデメリットは、外径サイズの小さいタイヤやホイールが走行時トラックに衝撃を和らげることなく伝えてしまうところです。そのため、ドライバーにとって走行時の乗り心地は悪くなり、積み荷への衝撃の影響も考えての走行が必要になります。
キャビン下の前輪と荷台下の後輪の外径サイズが異なりますので、スペアタイヤは二種類用意しなくてはならなくなります。外径サイズが小さくなったタイヤはすり減りが早くなり、タイヤ交換の費用がかさむこともデメリットの一つとなります。
全低床トラックのメリット
全低床トラックにおいて最大のメリットは、荷物の積下ろしの負担を大幅に軽減できることです。フラットな低床はフォークリフトが使用しやすいというメリットがあります。
また、ドライバーの負担は減り、作業効率が向上します。高床トラックと低床トラックのメリットを取ったのがこの全低床トラックです。
タイヤサイズが同じなのもスペアタイヤの管理がしやすく、メリットとなります。
全低床トラックのデメリット
全低床トラックの最大のデメリットは、悪路や段差に弱いことです。床面が低いため、段差や急な坂道、悪路での走行時に車体の下部を擦ってしまうリスクが高まります。また、タイヤの外径が小さいため、同じ速度で走行する場合、高床トラックに比べてタイヤの回転数が多くなり、タイヤの摩耗が早くなります。
これにより、タイヤの交換頻度が増え、ランニングコストがかさむというデメリットがあります。
種類 | メリット | デメリット |
高床 | ・走行中のドライバーや荷物への負担が少ない ・走行安定性が高い ・スペアタイヤが1種類で済む |
・荷物の積下ろしに大きな労力がかかる ・荷物の積下ろしにリフトやクレーンなどの補助が必要になる |
低床 | ・積下ろし作業の効率が良い ・重心が低く安定走行が可能 ・旋回時の負担が少ない |
・乗り心地が悪い ・タイヤの摩耗が早い ・スペアタイヤが2種類必要 |
全低床 | ・積下ろしの負担が極めて少ない ・重心が低く安全性が高い ・スペアタイヤが1種類で済む |
・悪路や段差に弱い ・タイヤの摩耗が非常に早い |
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まとめ
高床、低床、全低床のトラックは、それぞれ異なる目的と用途に合わせて設計されています。高床トラックは悪路や長距離輸送に強く、低床トラックは大量輸送や背の高い荷物の運搬に適しています。
そして、全低床トラックは、特に積下ろし作業の効率を最大限に高める目的で開発されたものです。
これらの違いを理解することで、運ぶ荷物や走行環境に最適なトラックを選ぶことができるでしょう。
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