
トラックの内輪差とは? 右左折時の注意点と事故防止のための運転ポイント
トラックの内輪差は、プロのトラックドライバーにとって右左折時の安全運転に欠かせない要素です。大型車両では、前輪と後輪の軌道の差が大きく、巻き込みや接触事故のリスクが高まるため、注意が必要です。
今回の『豆知識』では、内輪差の基本や、乗用車との違い、右左折時の影響、事故の種類を解説します。内輪差の計算方法や、サイドミラーでの確認、適切なハンドル操作など、事故防止の運転ポイントも紹介します。
トラックのサイズや速度管理、車間距離の確保で、常に安全運転を心がけましょう。
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目次

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トラックの内輪差とは?
内輪差とは、車両が旋回する際、前輪と後輪の軌道の差のことを言います。トラックは全長が長く、ホイールベース(前輪と後輪の距離)が大きいため、内輪差が顕著になります。
特に大型トラックやフルトレーラーでは、後輪が前輪の内側を大きく通過し、右左折時に歩行者や自転車・オートバイ、障害物との接触リスクが高まってしまいます。
たとえば、大型トラックの内輪差は最大1~2mにおよび、狭い交差点での右左折には危険が伴います。国土交通省によると、内輪差による巻き込み事故はトラック事故の約10%を占めます。
安全運転には、内輪差の理解と適切な操作が不可欠で、ドライバーはホイールベースの長い大型車両の特性をよく把握し、事故を防ぐ必要があります。
・乗用車とトラックの内輪差の違い
乗用車の内輪差はホイールベースが短い(約2.5~3m)ため、0.5~1m程度と小さく、旋回時の影響が少ないです。
トラックはホイールベースが長く(中型4~6m、大型7~10m)、内輪差が1~2m以上と大きいため、事故リスクが高まってしまいます。乗用車とトラックの内輪差の違いはそのホイールベースの長さによって生まれます。
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トラックの内輪差が右左折に与える影響
トラックの右左折で内輪差はさまざまな影響をおよぼします。後輪が内側を通るため、巻き込み事故や接触事故に注意が必要です。
以下では、トラックの右左折による内輪差が起こす具体的な影響を解説します。
・左折は巻き込みやすい
左折時、トラックの後輪が前輪より内側を通過し、歩行者や自転車を巻き込むリスクが高くなります。特に大型トラックでは、内輪差が1.5~2mあり、交差点で左側の歩道や車両に接触しやすくなります。加えてトラックの左側後方の死角は大きく、バックミラー、アンダーミラーに映る範囲以外はほとんど死角となることをよく理解しなければなりません。バックアイカメラを装備していても過信はしないでください。
内輪差を意識せず急ハンドルで曲がると、巻き込み事故の発生につながってしまう可能性が非常に高いです。十分な安全確認と、ゆっくりした操作が必須です。
・狭い道路への左折はふくらみやすい
狭い道路での左折は、内輪差で後輪が内側に寄り、縁石やガードレールに接触しやすくなります。そのためトラックは大きくふくらませて曲がる必要があり、対向車線や歩道にはみ出すリスクがあります。
危険回避のためには、事前にルート確認をしっかり行って、ミラーやバックアイカメラ、助手の誘導等での後輪軌道確認が重要になってきます。
・右折は後部がオーバーハングしやすい
右折時、トラックの後部が大きく外側に振れ(オーバーハング)、対向車線や歩道にはみ出してしまいます。特に、後輪から後バンパーまでの「リアオーバーハング」の大きな、フルトレーラーや大型トラックでは、荷台や後輪が対向車線や隣の車に接触する危険があります。内輪差で後輪が内側を通過するため、車体を大きく右に振ってから右折する必要があります。サイドミラーやバックアイカメラで後部を確認しながら、十分なスペースを確保しなければなりません。
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トラックの内輪差で起こり得る事故
トラックの内輪差による事故は、右左折時の不注意で発生しやすいです。主な事故は、左折時の巻き込み事故で、歩行者や自転車が後輪に巻き込まれるケースです。国土交通省によると、2024年のトラック事故の約12%が巻き込み関連となっています。
※国交省参照資料URL
https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/content/000322705.pdf
右折時のオーバーハングでは、隣接車線や路側帯の車両・構造物との接触が頻発しています。狭い道路での左折は、縁石や電柱への衝突も起きています。
フルトレーラーでは、連結部の折れ曲がりで内輪差がさらに大きくなり、事故リスクが増加します。これらの事故は、死傷事故や車両損傷を起こし、運行遅延を引き起こしてしまいます。ドライバーは内輪差の重要性を理解し、ミラー確認やゆっくりした操作で事故を防ぐことが不可欠です。
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トラックの内輪差の計算方法
内輪差は、車両のホイールベースと旋回半径に基づいて計算されます。簡易的には、ピタゴラスの定理を用い、旋回半径(R)とホイールベース(L)から「内輪差≒ L² / (2R)」で近似値を算出できます。
大型トラック(L=7m、R=10m)では約2.45m、中型(L=5m、R=8m)では約1.56m、小型(L=3m、R=6m)では約0.75mとなります。
フルトレーラーは連結部で内輪差が増大(最大3m以上)します。
実際の運転では、車種ごとの内輪差を事前に把握し、交差点の大きさや道路幅を考慮して対応する必要があります。以下に、車種別の内輪差をまとめましたので参考にしてください。計算は目安であり、運転時は実車での確認が必ず必要になります。
車種 | ホイールベース | 旋回半径 | 内輪差(目安) |
小型トラック | 3m | 6m | 0.75m |
中型トラック | 5m | 8m | 1.56m |
大型トラック | 7m | 10m | 2.45m |
フルトレーラー | 10m(連結含む) | 12m | 3m以上 |
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内輪差を意識した運転のポイント
内輪差を理解し、適切な運転で事故を防ぐことが重要です。以下では、具体的な運転ポイントを紹介します。
・後輪の軌道をサイドミラーで確認する
内輪差で後輪が内側を通るため、左折時は左サイドミラー、右折時は右サイドミラーで後輪の軌道を確認する必要があります。
歩行者や障害物を避け、十分なスペースを確保しましょう。
大型トラックやフルトレーラーでは死角が多く、バックミラーやカメラも活用し、安全の優先を心がけましょう。
・後輪の軌道をイメージする
内輪差による後輪の動きを事前にイメージすることが重要です。交差点や狭い道路では、ホイールベースの長さに応じた軌道を頭に描く必要があります。
大型トラックでは2m以上の内輪差を考慮し、旋回前にルートを確認しましょう。シミュレーションをすることによって、事故リスクの軽減につなげることができます。
・ハンドルを切りすぎない
ハンドルを急に切りすぎると、内輪差で後輪が大きく内側に寄り、巻き込みや接触事故が発生してしまいます。右左折における操作法で重要なのは、ゆっくりハンドルを操作し、後輪の軌道をコントロールすることです。
交差点では徐々に旋回し、安全な角度を保つように心がけてください。
・大回りしない
車体を振っての右左折は必要ですが、必要以上に大回りすると、オーバーハングで後部がはみ出し、隣車線や歩道に接触してしまいます。内輪差を考慮し、適切な旋回半径で曲がることが必要です。事前に道路幅や障害物を確認しておいて、無駄な動きを避ける準備も行ってください。
・慣れるまでは運転が上手な人に教えてもらう
慣れるまでは運転が上手な人に教えてもらうことが、トラックの内輪差克服の早道になります。内輪差の感覚は経験が必要です。
初心者は、ベテランのドライバーの指導を受け、実際の交差点で実車訓練を行ってください。大型トラックやフルトレーラーの内輪差は特に難しいため、プロのアドバイスで安全運転のコツを学ぶようにしてください。
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いつでも安全運転を心掛けるには
内輪差を意識した運転に加え、全体の安全意識が重要です。安全運転に不可欠なポイントを解説します。
・トラックのサイズに慣れる
トラックのサイズである、車幅(約2.5m)、車高(約3.8m)、後部の長さ(大型で10m以上)に慣れることが重要です。
フルトレーラーでは、安全運転のために連結部の長さを身体で覚えることも必要です。狭い道や交差点での内輪差を絶えず意識し、車両の感覚を身体で覚えてください。繰り返して運転することによって、サイズ感を掴むことが非常に大切です。
・安全な速度で運転する
高速で旋回すると、内輪差による後輪のズレが顕著になり、事故リスクが増します。重量のあるトラック、トレーラーはその重量による慣性の法則でブレーキをかけてもすぐに停止はできません。交差点では時速10~15kmでゆっくり運転しましょう。
大型トラックやフルトレーラーでは、特に低速で後輪の動きをコントロールし、安全を確保することが大切です。
・車間距離を十分に空ける
前車との車間距離を十分に確保し、急ブレーキや旋回時の対応に余裕を持つことが大切です。大型トラックでは停止距離が長く、内輪差で後輪がズレるため、車間は通常の2倍(約20~30m)必要となります。
特に渋滞や交差点では余裕を持った運転を心がけてください。そして、トラックには乗用車のようなフロント部分のノーズがほとんどありません。そのため、前方の車との距離を詰めてしまいやすくなってしまいます。車間距離は十分にとり、追突事故のリスクが高まらないようにしなければなりません。
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まとめ
トラックの内輪差は、前輪と後輪の軌道差で、右左折時の事故リスクを高めます。大型トラックやフルトレーラーでは1~3m以上と大きく、巻き込みやオーバーハング事故に注意が必要です。
事前に計算で内輪差を把握し、サイドミラー、バックカメラでの確認や適切なハンドル操作で安全運転を心がけましょう。
まずはトラックのサイズに慣れることです。そして低速運転と適切な車間距離を保つことで事故防止につなげましょう。
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