ゴミ収集車(パッカー車)とは? 仕組みやサイズ、最大積載量を徹底解説

2020年1月末に始まった新型コロナウイルスによる世界的な流行は収束したもの、私たちの生活に多くの変化を残しました。
そのコロナ禍で注目を浴びた『エッセンシャルワーク』ですが、どんな日常になっても私たちの生活から生まれてくるゴミの収集作業にも注目が集まりました。そのゴミ収集作業に欠くことができないのがゴミ収集車(パッカー車)です。
今回の『豆知識』ではこのパッカー車を取り上げ、特徴や仕組み、購入時のポイントを解説します。
『豆知識』の過去記事、エッセンシャルワーカーと商用車 ~全てのエッセンシャルワーカーと商用車に敬意と感謝を~ をぜひご参照ください。

 

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ゴミ収集車(パッカー車)とは?

パッカー車の正式名称は『塵芥車(じんかいしゃ)』です。塵芥(じんかい)とはゴミのことです。
塵芥車は国土交通省が定める道路運送車両法の中に定義される8ナンバーの特殊用途自動車の一つです。狭小な道路もある街中における家庭や事業所から出るゴミを収集し、清掃工場(ゴミ処理場)へ運ぶ仕事が中心のパッカー車は2t~10tサイズのトラックにパッカー機能が架装されています。ゴミ収集が基本的な用途ですが植栽業における街路樹の剪定をした後の枝木収集にも用いられます。和製英語「パッカー車」は「pack(詰め込む)」に由来します。
正式名称である塵芥車のほかにパッカー車、ゴミ収集車、塵芥収集車とも呼ばれています。

 

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【サイズ別】ゴミ収集車(パッカー車)の寸法と最大積載量

ゴミ収集車(パッカー車)は、小型・中型・大型のサイズに分かれ、用途やエリアで使い分けられています。各サイズの特徴、用途、寸法、最大積載量を紹介します。

 

・大型ゴミ収集車(パッカー車)

大型パッカー車は、生産工場や大規模施設の大量ゴミ収集に適しています。プレス式で粗大ゴミや産業廃棄物を強い力で圧縮して処理場に運びます。
広域エリア向けですが、街中の狭い道には不向きで、使用する業者は限定されてきます。車両は大きく、積載量は4t以上(ゴミ袋にして約2000袋)となります。

使用大型トラックの例:三菱ふそう「スーパーグレート」

 

項目 詳細
全長 約900~1,100cm
約250cm
高さ 約350cm
最大積載量 約4~6t

 

・中型ゴミ収集車(パッカー車)

中型パッカー車は、一般廃棄物や産業廃棄物(廃プラスチック、木くず)に適しています。住宅地や商業エリアで活躍しています。
プレス式や回転板式が多く、積載量は約2t(ゴミ袋にして約1000袋)となります。小回りが利き、都市部で使いやすいサイズのゴミ収集車です。

使用中型トラックの例:三菱ふそう「ファイター」

 

項目 詳細
全長 約600~750cm
約220cm
高さ 約280cm
最大積載量 約2t

 

・小型ゴミ収集車(パッカー車)

小型パッカー車は、家庭ゴミや小規模事業所のゴミの収集に最適です。狭い住宅街で小回りが利き、回転板式で生ゴミを効率よく収集します。
積載量は約2t(ゴミ袋約にして1000袋)となります。需要が高く、自治体で多く使用されています。

使用小型トラックの例:三菱ふそう「キャンター」

 

項目 詳細
全長 約520~600cm
約180~200cm
高さ 約230~260cm
最大積載量 約2t

 

中型パッカー車と小型パッカー車がどちらも最大積載量が2tであるのにはいくつか理由があります。
まずは、一般家庭のゴミ収集が中心であり、住宅街や狭い道の通行・収集が必要なためです。収集の効率を上げるために2tに統一されている理由もあります。道路運送車両法や車両のシャーシ設計、ゴミの圧縮効率に基づく理由もあります。
そして、準中型免許(車両総重量7.5t未満)の運転可能な範囲で、2tがさまざまな理由からバランスよく設定されるという理由もあります。

 

 

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ゴミ収集車(パッカー車)の仕組み

パッカー車には最大積載量内でより多くのゴミを積み込むために、三種類の圧縮方式と、清掃工場(ゴミ処理場)に運搬して焼却炉内にそのゴミを放り込むための、二種類の排出方式があります。
見かけは似ていますがそれぞれの方式によってパッカー車の仕組みが異なります。

 

・3種類の圧縮方式

パッカー車にはより多くのゴミをパッカー内に集積するために、ゴミを圧縮して嵩(かさ)となる空気を追い出す3種類の圧縮方式があります。

 

1.圧縮板式(プレス式)
圧縮板式(プレス式)は名称どおり圧縮板でゴミを上からプレスしてその容積を縮小させる方式です。この圧縮力は冷蔵庫も押しつぶすほどの強力な圧力ですが、リサイクルの観点からそこまでの圧縮は行われていません。圧縮板式パッカー車では圧縮時に家庭ごみの汚水が染み出てしまいます。
そのためにパッカー車後部に汚水タンクを設置してその汚水をためるように工夫されています。

 

2.回転板式(巻き込み式)
回転板式(巻き込み式)は車体の後部にある二枚の回転板の力でゴミをパッカー車収集室の奥に送り込む方式です。
一枚目の回転板でゴミ袋をつかんで巻き込みます。巻き込まれたゴミは二枚目の回転板で圧縮されて収集室に放り込まれます。圧縮されたゴミが溜まるとゴミ処理場に運ばれ処理される方式です。
大量のゴミを効率的に収集することができて、処理の負担を軽減することが可能です。

 

3.荷箱回転式(ロータリー式)
荷箱回転式(ロータリー式)は後部に取り付けられた大型の円筒形ドラムを使用します。このドラムを水平に回転させながらゴミを巻き込んで収集します。収集されたゴミは、ドラム内部で圧縮され、収集室に放り込まれます。
利点は連続投入が可能なことや、汚水の飛散がないことなど作業性が良いことです。強い力の回転板がないため巻き込まれ事故の危険性が少なく、作業者にとって安全なパッカー車です。

 

・2種類の排出方式

パッカー車が収集・圧縮したごみを清掃工場で排出する方法は二種類あります。

 

1.押し出し式
押し出し方式は収集室内に積込まれた圧縮されたゴミを押し出し板で開口部より押し出し排出します。収集室内の押し出し板は強い圧力でゴミを開口部に押し出します。
開口部に向かって押し出し板はスライドしてゴミを押し出すので、ゴミの排出作業は一度で終わります。収集室内に残るゴミがないので、作業効率はダンプ方式と比べると高くなります。そして、圧縮装置で縮められたゴミは小さいまま排出されるメリットもあります。

 

・ダンプ式
ダンプ方式はその名称どおり、ダンプトラックが荷台を傾斜して積荷を一気に降ろすようにパッカー車荷台部分を傾斜させて後部開口部よりゴミを一気に流し落とします。
しかし、押し出し方式のような押し出し板があるわけではないので荷台に付着し、落としきれないゴミは作業員が手作業で落とさなければなりません。ゴミを排出させる際の傾斜には車両のバランス、安全性をよく考慮して、事故のないように清掃工場の焼却炉に投下する必要があります。

 

 

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ゴミ収集車(パッカー車)の主要な架装メーカー

ゴミ収集車の架装は、シャーシに圧縮・排出装置を搭載する専門メーカーの手によります。ここでは、主要メーカーを紹介します。

 

・新明和工業株式会社

新明和工業は、日本最大手の特装車メーカーで、パッカー車のシェアは約60%を占めています。プレス式「G-PX」は強力な圧縮力で粗大ゴミに対応します。
回転板式の「G-RX」は、家庭ゴミ収集に適しています。環境対応技術や安全性を重視し、自治体や廃棄物処理業者に信頼される特装車メーカーです。

 

・極東開発工業株式会社

極東開発工業は、多様なパッカー車を展開しています。プレス式「プレスパック」は高効率で大型ゴミに強く、回転式「パックマン」は生ゴミに適するパッカー車です。都市型「スライドパック」は街中の狭いエリアに向けて設計・架装されています。
環境配慮と耐久性の高さが特徴で、幅広いニーズに対応しています。

 

・富士車輌株式会社

富士車輌は、パッカー車の架装で豊富な実績を持ちます。プレス式や回転板式を市場に展開し、特に小型パッカー車・中型パッカー車に強みを持っています。環境対応モデルを開発し、汚水タンクや安全装置を強化しています。
自治体や中小業者向けに、使いやすさとメンテナンス性の高さを重視した設計が評価されているメーカーです。

 

・株式会社モリタエコノス

モリタエコノスは、環境に配慮したパッカー車を製造しています。プレス式やロータリー式を揃え、ハイブリッドモデルで燃費と排出ガスを削減しました。安全機能(巻き込み防止装置)も充実させています。
都市部の清掃業務や産業廃棄物処理に適し、将来に向けて持続可能な運用を支援している特装車メーカーです。

 

 

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ゴミ収集車(パッカー車)を運転するのに必要な免許

ゴミ収集車(パッカー車)の運転には、車両サイズに応じた免許が必要になります。特別な資格は必要ありませんが、2017年3月12日以降に普通免許を取得した場合、家庭ゴミ収集の2tパッカー車の運転には準中型免許(車両総重量3.5t以上7.5t未満、最大積載量4.5t未満)が必要となります。準中型免許もしくはそれ以上の中型免許、大型免許があれば問題なく対応できます。
産業廃棄物向け、もしくは大規模事業所向けの大型パッカー車には大型免許が必要となります。車検証の車両総重量と積載量を確認して、適切な免許で安全運転を心がけてください。

 

 

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ゴミ収集車(パッカー車)の車両価格の相場

ゴミ収集車の車両価格はサイズや状態で異なります。
新車は、小型400~600万円、中型500~800万円、大型800~1000万円。中古車は年式や走行距離で変動し、小型200~400万円、中型300~600万円、大型は希少で500~800万円が目安です。架装の状態やメンテナンス履歴、時期にもよって価格が左右します。

 

 

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ゴミ収集車(パッカー車)を購入するときのチェックポイント

ゴミ収集車(パッカー車)を購入する際にチェックしたいのは、用途に合ったゴミの圧縮方式と排出方式です。そして、中古車であれば、実際にパッカー機能を実動させて、動きを確認して、正常に作動しているかを確認する必要があります。
メンテナンスや車体のサビ・腐食の有無、各部品の消耗具合の確認も必要です。下記をご参照ください。

 

・すべての機能が正常に動作するか

購入時は、車両の状態を慎重に確認する必要があります。
まずは圧縮板や回転板、排出機構の動作を確認します。スイッチ切り替えやPTO(動力取出装置)の作動不良は作業効率を下げてしまいますので、要注意です。
中古車では特に、経年劣化による不具合の点検や、すべての機能が正常に動作するか確認も必要です。

 

・押し込み板がすり減っていないか

圧縮板式(プレス式)や回転板式(巻き込み式)においてはパッカー車の一番のミッションであるゴミの圧縮を十分に行うための押し込み板・回転板が十分に稼働するかが重要になります。
中古パッカー車を購入する際にはこの押し込み板・回転板の先端の摩耗状態を良く確認してください。押し込み板・回転板の爪先が隙間なくゴミをかき取り収集室へ運べるかどうかがパッカー車の効率に大きくかかわってきます。

 

・連続単動切り替えスイッチがあるか

モーターの動力で稼働する圧縮板と回転板は一方向だけに動くものではありません。しかし、ゴミ収集に当たる作業員の安全確保のために圧縮板と回転板の稼働方向の切り替えが行えるパッカー車の使用を禁じている自治体もあります。
そのため、中古パッカー車を購入の際には使用目的を考慮して、この稼働切り替えスイッチの有無を確認することは、大切なポイントとなる場合があります。

 

・内部にさびや腐食がないか

パッカー車の荷箱内部のさびや腐食は、ゴミの水分や塩分・汚れで発生がしやすくなっています。腐食が進むと漏れや悪臭の原因にもなります。
中古車購入時は、内部が清掃されており、さびや腐食の有無の確認が必要です。

 

・水抜き(排水溝)があるか

生ゴミの水分を処理する汚水タンクと排水溝はパッカー車に必須のパーツです。タンクがないと道路に汚水が漏れ、衛生的にも法的にも問題です。
収納容量や清掃のしやすさを確認し、プレス式では特に汚水タンクの状態を点検する必要があります。購入前に排水溝の機能やメンテナンス性をチェックし、購入後の長期的な運用が可能かどうかの確認が必要です。

 

 

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ゴミ収集車(パッカー車)で注意したい事故と対策

ゴミ収集車には、圧縮装置や作業環境による事故リスクがあります。ここでは、代表的な事故と対策を紹介します。

 

・回転板の巻き込まれ事故

回転板式パッカー車では、不注意により作業員がゴミ投入時に巻き込まれる事故が発生しています。対策として、以下項目にご留意ください。

・作業前にPTOを切り、巻き込み防止装置を確認する。
・作業員は安全装備(手袋、ヘルメット)着用し、必ず二人以上で作業する。
・スイッチの誤操作防止教育も徹底する。

 

・スプレー缶などによる火災事故

プレス式でスプレー缶やガス缶が圧縮され、残量ガスが発火・爆発する火災事故が報告されています。住民等ゴミ排出者へのゴミの分別指導を強化し、危険物の混入を防ぐことが行政や事業所に求められています。
収集業者としては圧縮前に目視確認、火災検知センサー搭載車を選ぶ必要があります。消火器を常備し、緊急対応訓練を実施する必要もあります。

 

・ピットへの転落事故

清掃工場(ゴミ処理場)のピット(荷下ろし場)での転落事故が非常に危険です。運転手はピットの位置確認を徹底する必要があります。
車両に後方カメラやセンサーを装備し、作業員は蛍光ベストの着用が必須です。清掃工場(ゴミ処理場)の担当者の指示に従うことと、作業手順の教育でリスクの軽減を実行しなければなりません。

 

 

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まとめ

パッカー車は私たちの日常生活において欠くことのできないエッセンシャルワーク車両です。新車での購入はかなりの高額なものになります。見た目ではなく、機能を重視する中古パッカー車の需要は小さなものではありません。
私たちトラックファイブを通じてここまで活躍してきたパッカー車を、第二の人生に送り出してやるのはいかがでしょうか。
年間13,000台以上の買取実績を持つトラックファイブが、その時にはお役に立たせていただきます。お気軽にお問い合わせください。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報をお届けしていきます。

 

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