トラックやバンのリターダーとは?排気ブレーキとの違いや使い道・操作方法を解説

大重量の荷物を積み高速で走るトラックを止めることは容易ではありません。

そのためにトラックには乗用車に装備されているフットブレーキだけではなく、排気ブレーキなども装備されているのが通常のスタイルです。

補助ブレーキでありながら排気ブレーキ以上の制動力を得ることができるリターダーについて今回の『豆知識』でまとめてみました。

高速域からの減速や下り勾配での抑速に効果があるリターダーの特性や操作方法をご紹介します。

 

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トラックやバンに使用されるリターダーとは?

ガソリンエンジンの車両ではフットブレーキの補助ブレーキとしてエンジンブレーキが用いられます。

ディーゼルエンジンではその構造上の理由からエンジンブレーキが利きません。

そのためにある補助ブレーキが排気ブレーキやリターダーになります。

フットブレーキ・排気ブレーキ・リターダーという3種類のブレーキが、大型車の減速・停車を助けます。

リターダーの使用によってフットブレーキにおけるブレーキシューのような消耗品の存在は無く、どれだけ使ってもブレーキに悪影響は与えることはありません。

しかもどれだけ使用頻度を高めてもフェード現象やベーパーロック現象を起こすことが無いために運行上の安全性を高めることができます。

 

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リターダーの仕組み・構造【方式別】

リターダーはフットブレーキのように直接回転するタイヤに停止させる力を加えるものではなく、エンジンのプロペラシャフトに直接作用して回転数を落とし強い制動力を生んでいます。

その方式をご紹介します。

 

・流体式

推進軸であるプロペラシャフトとともに回転するローターとの間にエンジンオイルや水などの「流体」を流してその抵抗力でブレーキをかける仕組みです。

重量が重く、後付けが難しいのが難点です。

 

・電磁式

放熱用のプロペラシャフトとブレーキローターに電磁誘導を利用して起きる電気的な抵抗でブレーキをかける方法です。

発熱が大きく、電磁石を作動させるためバッテリーやオルタネーターの強化が必要であることと、非作動時にも走行抵抗があることが難点です。

 

・永久磁石式

電磁式リターダーの固定子を電磁石から永久磁石に置き換えた方式です。

小型で軽量、メンテナンスも難しくなくコストパフォーマンスにも秀でた方式です。

国産トラックにおいて主流となっている方式です。

 

リターダーと他のブレーキの違い

リターダーの利点を理解するために他のブレーキとの違いを確認してみたいと思います。

 

・排気ブレーキとの違い

排気ブレーキは排気に抵抗を与えてエンジンブレーキの利きを強めるブレーキです。

排気抵抗を増やすことでエンジンの回転抵抗を増やし、エンジンブレーキの作用を強化させています。

エンジンのプロペラシャフトに直接作用して回転数を落とし強い制動力を生んでいるリターダーとエンジンブレーキという点では同じですが、エンジンの回転数を落とす方法が違っています。

ピストン内で爆発する燃料を減らし回転数を落とす本来のエンジンブレーキの仕組みがディーゼルエンジンでは通用しないために生みだされた補助ブレーキです。

 

※過去記事をご参照ください!

『排気ブレーキとは?仕組みや役割、正しい使い方などを解説!』

2023.06.19

 

・ジェイクブレーキ(圧縮開放ブレーキ)との違い

ジェイクブレーキはディーゼルエンジン内のシリンダーの圧縮行程を利用したシステムです。エンジンブレーキの一種であることはリターダーや排気ブレーキと同じですが、エンジンブレーキに作用させる方法が違います。

直接エンジンピストン内で作用を起こすのが圧縮開放ブレーキであるジェイクブレーキです。

ピストン内で空気を圧縮して最も圧が高まった上死点前後で、燃料を噴射せず排気バルブを開いてシリンダー内の空気の圧縮を解放してしまうシステムです。

その際に大きな排気音を起こすのが難点です。

市街地で避けるなど使用場所を選ばなければなりません。

 

※過去記事をご参照ください!

『【トラック形状別】排気ブレーキやその他の補助ブレーキ装着例をご紹介』

2023.06.19

 

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トラックに使用されるブレーキの種類

その他のトラックに使用されるブレーキも確認しておきたいと思います。

 

・油圧式ブレーキ

もっとも一般的に採用されているフットブレーキのブレーキシステムです。

ブレーキペダルを踏むとマスターシリンダー内のオイルに圧力が発生し、ブレーキホースやブレーキパイプを経由して各車輸のブレーキにその圧力が伝わり制動力を起こします。

しかし、このオイルがあるために油圧式ブレーキは酷使して熱を持たせてしまうとベーパーロック現象を起こしてしまいます。

 

・エアブレーキ

エアブレーキは空気を利用し空気圧で制動力を起こすブレーキシステムです。

地球上どこにでもある空気を取り入れて、コンプレッサーで空気圧力を高めてブレーキの制動力を起こします。

逆に制動力を下げたい時には空気を排出して空気圧を下げます。

トラックやバスが停車した際に「プシュー」という音が聞こえる時があります。

この音が減圧時に空気を排出している音です。

 

※過去記事をご参照ください!

『トラックは大きさによってブレーキが違う!ブレーキの種類と運転のコツ』

2023.04.11

 

リターダーの正しい操作方法

リターダーの仕組みを理解して正しい操作を行ってください。

通常、リターダーはボタンやスイッチで作動開始します。

ドライバーがリターダーを作動開始させると制御装置がリターダーに電力を供給して制動力を発生させます。

リターダーは、アクセル・クラッチと連動しているためにアクセルペダル・クラッチペダルを踏んでいたら作動しません。

ペダルから足を離してから作動します。

そしてアクセルペダルかクラッチペダルを踏めばリターダーは解除されます。

リターダーは長時間使用してもフェード現象やベーパーロック現象のような弊害が起きることはありません。

必要時に作動させて正しい操作で効果的な減速方法を行ってください。

 

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リターダーが故障した場合の対処法

リターダーの故障で多いのは信号線の断線など配線系が原因になっている場合です。

電気系統における故障の対応はなかなかドライバーでは難しいです。

リターダーが故障して作動不能になったとしてもブレーキが利かなくなるわけではありませんのであわてる必要はありません。

あわてずに整備工場に行ってください。

 

まとめ

非常に重い積荷を運ぶトラックにとってブレーキのトラブルほど怖いものはありません。

補助ブレーキであるリターダーにはフェード現象やベーパーロック現象のようなブレーキの過度の使用による弊害はありません。

安心・安全な走行のためにリターダーを正しく活用してください。

 

トラックファイブはこれからも皆様にさまざまな情報をお伝えしていきます。

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