メルセデス・ベンツのトラック「アクトロス」とは?特徴や価格、内装などを解説
メルセデス・ベンツグループの商用車部門であるダイムラートラック社は、2022年9月に開催されたIAA Transportation 2022で電気大型トラクター「eActros LongHaul」(イーアクトロス ロングホール)と電気中型トラック「eActros 300」(イーアクトロス 300)を発表しました。
1996年に登場した中型トラックとして登場したアクトロスは時代の流れと時代の要望に応えながら成長変遷をして来ました。
日本においても今なお中古車両として人気の高いアクトロスの最高峰となってこの先に登場するCO₂を排出することの無いゼロエミッション車の「eActros LongHaul」と「eActros 300」の実走は待ち遠しくもあります。
今回の『豆知識』ではこの「アクトロス」の特徴や価格、内装などを解説いたします。
目次
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ベンツのトラック「アクトロス」とは?
今からもう半世紀以上前にアクトロスはこの世に登場しています。
当初はメルセデス・ベンツのAtego(アテゴ)と同様のキャブデザインを備えた中型トラックとして開発されました。
評判の良いアクトロスは大型トラックとして進出し、高いパワーと耐久性、トラックとしてのミッションを提供することを目指して進化しました。
1998年日本での販売が開始されてから、2003年マイナーチェンジされましたが、2006年に日本では販売終了されています。
世界においては20万台以上販売されたアクトロスなのですが、思うように日本での販売が伸び悩んだのはやはり日本国内での販売後のメンテナンス体制の希薄さだったのでしょうか。
初期投資だけで終わらないトラックの維持費用や、部品の供給体制に困難を抱えたのかも知れません。
・アクトロスの発売時期
① 初代メルセデス・ベンツ・アクトロス
1996年秋にヨーロッパで発表されました。
1998年5月日本で販売が開始されました。
② 二代目メルセデス・ベンツ・アクトロス
2003年マイナーチェンジを実施しました。
2006年日本においての販売を終了しています。
③ 三代目メルセデス・ベンツ・アクトロス
2008年ヨーロッパでフルモデルチェンジをしています。
日本国内での販売は終了したものの、人気のアクトロスです。
④ 四代目メルセデス・ベンツ・アクトロス
2011年にさらにフルモデルチェンジ、内・外観ともにフルモデルチェンジでした。
三代目の頃からメタリックカラーが定着し、メルセデス・ベンツという高級感や「actros」という力強さ・ハイテクの意味を持つ造語の迫力が伝わってきます。
⑤ 五代目メルセデス・ベンツ・アクトロス
2018年に新モデルが発表されました。
これまでのアクトロスと区別するための名称アクトロス5です。
これまでの形式にとらわれることの無い、MirrorCamと呼ばれる2台のカメラを搭載してバックミラーの無い近未来的なフォルムに容貌を変身させています。
⑥ eアクトロス
2022年のIAA Transportation 2022で電気大型トラクター「eActros LongHaul」と電気中型トラック「eActros 300」の発表へと続いています。
・アクトロスの販売価格
2006年に日本国内での販売終了をしてしまったアクトロスの新車は、現在は輸入をしない限り購入はできません。
ハッキリした価格は分かりません。
2022年、ドイツのIAA Transportation 2022で発表された「eActros LongHaul」、「eActros 300」の実走を目指す2024年以降に日本に再上陸するのでしょうか。
ダイムラートラック社の傘下に入った三菱ふそうトラック・バスの供給網を使い日本でもメルセデス・ベンツの冠を付けたトラックを走らせるのならばチャンスなのかも知れません。
燃料エンジンから電気モーターに駆動は変わり、大幅にトラックの部品数は少なくなり、整備は簡単に向かい、整備に必要な交換部品の数も減る方向に向かいます。
日本国内のトラックメーカー各社がこれから本格的に送り出してくる「eトラック」と大きな価格の違いは出てこないでしょう。
いくらベンツと言えども、高級乗用車ではない商用車両のトラックに必要以上の費用をかける企業はいないでしょうから。
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ベンツのトラックは日本から撤退
2006年の撤退の原因の一つは日本における市場競争の激化ではないでしょうか。
日本の商用車市場では国内トラックメーカーの激しい競争が繰り広げられています。
これに加えて、他の海外メーカーも参入して競争が一層激化しました。
その競争激化の中で、メルセデス・ベンツのトラックは日本市場でのシェア獲得に苦戦しました。
そして日本のトラック市場では、環境規制や技術要件が非常に厳格です。
特にディーゼルエンジンの排出ガス規制が厳しく、これに適合するための技術開発や投資が必要です。
メルセデス・ベンツのトラックは、これらの要件に対応するための投資や改良に追いつくことが難しく、競争力を維持するのが困難となったことも撤退の一因です。
さまざまな要因を考慮しての撤退だったのでしょう。
トラック事業のグローバルな販売戦略を見直す過程でメルセデス・ベンツは日本市場からの撤退を決定したのでしょう。
日本市場においての需要と競争力のバランスを考慮した結果トラック部門の営業活動を終了することが選択されましたのが2006年だったのです。
しかし、2006年に日本でのアクトロスの販売を終了したメルセデス・ベンツグループのダイムラートラック社は世界のトラック市場のなかで戦略は更新を続け、もちろんその世界戦略に日本も入っていたに違いありません。
三菱ふそうトラック・バスを傘下に従えたメルセデス・ベンツグループの今後の動きが気になります。
乗用車や商用バンなどの自動車を販売は続けてきたベンツのトラックをこの先日本で再び見ることが出来るのかは大いに気になるところです。
ベンツのトラック「アクトロス」の特徴
ダイムラートラック社のアクトロスの特徴はなんと言ってもメルセデス・ベンツグループの星をかたどるベンツのマークと、アクトロスという造語が意味する「力強さ・ハイテク」でしょう。
・トラックの寸法
日本で流通していないベンツのトラックの寸法はなかなか調べにくいのですが、見つかった寸法は以下の通りです。
アクトロス平ボディトラック 2軸4×2駆動車
全長: 約8.8m
全幅: 約2.5m
全高: 約3.8m
アクトロスダンプトラック 3軸6×4駆動車
全長: 約9.5m
全幅: 約2.5m
全高: 約3.8m
と、日本の車両保安基準に収まる寸法です。
「ジャパントラックショー2022」に出展されていたこれまでに無かったタイプのアクトロスはベルギーのSTXモーターホーム社とともに開発したモーターホームでした。
このモーターホームは日本では聞き慣れない言葉ですが、キャンピングカーの進化バージョンです。
車体左右に拡幅機能があり、ウォーキングスルー構造で広がるキャビン内は一般住宅での生活機能を備える優れものです。
車両価格が1.8億円とタワーマンションが買えそうな勢いです。
しかしながら、昨今の異常気象・自然災害の頻発を考えると、非難場所としての利用や、病院機能・災害援助機能を持つ移動ステーションとしての利用価値は大いにありそうです。
キャブは前後長2.3m、幅2.5mの寸法です。
・運転席
最高級と称されるだけのことのある運転席です。
デジタルディスプレイとナビは普通車同様です。
高級感のあふれる皮のステアリング。
鏡面のサイドミラーは無く、ディスプレイにカメラモニターが映し出します。
シートは普通車のような低めのポジションでスイッチ一つで簡単に微調整が可能です。
ドアーの開閉は高級自動車と同様な静かな開閉が可能です。
運転時以外に過ごすキャビン内の生活を快適にするためのさまざまな工夫がなされているのがメルセデス・ベンツのアクトロスです。
・内装
内装は手をかけ出したらきりがないでしょう。
でも、あれば便利で心豊かにしてくれるキャビン内の内装のすべては安全運転につながっていきます。
そのためにも限られた狭い空間での運転時も休憩や事務作業時にも余裕とゆとりを持って行えるために行き届いた内装は必須です。
複数のカップホルダー、複数の収納棚に大きなサイズの収納棚、テレビや電子レンジまで備え付けることのできそうなサイズです。
ベッドは日中に邪魔にならない折り畳み式です。
そして、Mirror Camと呼ばれる2台のカメラを搭載してサイドミラー・ルームミラーをカメラ・モニターにしてしまったアクロスにはドライバーが髭剃りや身だしなみを整えるための鏡も用意されています。
行き届いた最新の内装を用意したアクトロスです。
・機能
大きな機能はやはり搭載されたコンピューターによる各種の制御機能でしょう。
歩行者保護のための自動ブレーキ装置やドライバーが急病で気を失ってしまった時にトラックはゆっくり停車して自動開錠するシステム、スピードリミッター、前方の走行車両との車間距離を保つクルーズコントロールなど、もう今では当たり前になっているシステムからそうでないものまでもまだまだたくさんのシステムが搭載されています。
第三者の安全とドライバーの安全を考え抜いたシステムばかりです。
そして未来のアクトロスである水素エンジンの試作車はすでに登場しています。
一回の燃料補給で1000㎞の走行を可能にし、しかもその補給時間は10分です。
走行能力は40t積載で時速80㎞到達に28秒の高出力、急停止距離33mというブレーキ性能です。
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ベンツのトラックの動向
時代の要望とともにベンツはトラックの進むべき方向を見据えています。
メルセデス・ベンツグループは、電動化と持続可能性を重視する動向を示しています。
トラック部門においても、電動トラックの開発や燃料電池技術への取り組みが進められています。
持続可能な輸送ソリューションへの移行が注目されています。
そして、自動運転技術の開発にも取り組んでいます。
メルセデス・ベンツグループの乗用車部門のみならず、トラック部門においても自動運転機能の研究や実証プロジェクトが進行しています。
安全性や効率性の向上を目指して、自動化技術の導入が進められています。
デジタル化とコネクティビティにも注力しています。
トラックの運行データの収集や分析、ドライバーアシスタンスシステムの開発など、デジタルテクノロジーを活用した革新的なソリューションが開発されています。
ベンツのトラックを販売するダイムラー社とは
ダイムラー社の創業者であるカール・ベンツ(Carl Benz)とゴットリープ・ダイムラー(Gottlieb Daimler)は19世紀末にそれぞれ独立して自動車の開発を始めました。
カール・ベンツは1886年に最初の自動車特許を取得し、ダイムラーは同じ年に高速ガソリンエンジンを開発しました。
そして、ゴットリープ・ダイムラーは1890年にダイムラー・モーター社(Daimler Motoren Gesellschaft)を設立しました。
この会社はガソリンエンジンを搭載した自動車の生産を行い、自動車の先駆者としての地位を確立しました。
カール・ベンツもまた、自身の会社であるベンツ & カンパニー(Benz & Cie.)を設立して自動車の製造を開始しました。
ベンツはパテントモーターカー(特許自動車)などのイノベーションを通じて自動車業界で成功を収めました。
それから1926年、ダイムラー・モーター社とベンツ & カンパニーは合併し、ダイムラー・ベンツ(Daimler-Benz AG)が誕生しました。
この合併により、ダイムラー・ベンツは自動車業界のリーディングカンパニーとなりました。
合併後、ダイムラー・ベンツはメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)として知られる高級自動車ブランドを展開し、世界的な評判を築きました。
2022年、ダイムラー・ベンツ社はメルセデス・ベンツグループと社名を変更し、ダイムラートラック社はそのグループの一員としてトラック部門を担当しています。
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三菱ふそうとベンツのトラックの関係性
世界を相手にトラックを売る大手メーカーにとっては協力、合併に国境はありません。
かつて三菱自動車の応援に協力していたダイムラー社は、現在ではダイムラートラック社が三菱ふそうトラック・バスの親会社として、トヨタ・日野の2社と合わせて4社で経営統合の協議中です。
三菱ふそうトラック・バスは、三菱自動車とダイムラートラック社の共同出資によって設立された企業です。
三菱ふそうトラック・バスは三菱自動車のみならず、三菱グループの一員として電気、モーター制御などのあらゆる最先端の技術を得るチャンスを持ち、ベンツアクトロスにもその技術は共有されているのです。
そしてメルセデス・ベンツグループとしてのダイムラートラック社の世界における営業力で無駄な競争の無い住み分けが可能になるのです。
三菱ふそうとベンツのトラックの関係性は深いもので、よく考えればこのベンツアクトロスは非常に私たちに身近なものになってきます。
まとめ
トラック業界の未来を提示するかのようなメルセデス・ベンツグループダイムラートラック社のアクトロスです。
1回の充電で500㎞走行可能な「eアクトロス」が登場する頃には日本においても充電インフラは本格的に構築されていき、多くのシン・トラックが登場しているに違いありません。
それがもう目の前であること、これは世界各国の決めた方針ばかりではなく世界各国のトラックメーカーによるこれまで培ってきた技術の粋と努力であると、私たちは認めて称賛しなければならないでしょう。
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