トラックのエアブレーキとは? 仕組みや使い方、油圧との違いも解説

目次

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エアブレーキとは

そもそもエアブレーキとは?なぜトラックで使われるのか

エアブレーキとは高圧な圧縮空気でブレーキシリンダを動かす作用を使ったとても制動力の高いブレーキです。多数の人員や重量物を運ぶため強い制動力を必要とする電車やバス、中型・大型のトラックなどに使用されているブレーキシステムです。
トラックの場合、最大積載時の制動可能能力に設定されているために、空車や積載量の少ない場合には効きすぎてしまうこともあり、このエアブレーキの使用方法には慣れるまで注意が必要で、ブレーキペダルの踏み方にはコツがあります。

 

エアブレーキにも種類がある

大型車で主流の「フルエアブレーキ」<フルエアブレーキ>

油圧を使用せず空気圧のみで制御されているブレーキです。このフルエアブレーキが大型トラックの標準設定のブレーキになっています。
理由は制動力の強さです。その強い制動力を持つ反面、ブレーキペダルの踏み方のコツをつかむことが必要で、空気油圧複合式ブレーキが主流の時期もありました。
しかし、フルエアブレーキのメンテナンス性が非常に高いことから改良され、空気油圧複合式ブレーキでの踏み方程度までに改造され誰にでも使いやすいブレーキになりました。

中型車に多い「エアーオーバーブレーキ」<空気油圧複合式ブレーキ>

空気油圧複合式ブレーキ(エアオーバーハイドロリック、AOHとも呼ばれます)は、空気圧で油圧式のマスターシリンダーのピストンを押すシステムのことを言います。改良前のフルエアブレーキよりも扱いがやさしかったのですが、ブレーキを踏み続けてしまうと加熱によって油圧システム内に気泡を生じてブレーキ機能に不調をきたすペーパーロック現象を起こしてしまう可能性があります。

 

 

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エアブレーキが作動する仕組み|空気の流れで徹底解説

ステップ1:空気を作り出す「エアコンプレッサー」

エアブレーキシステムの最初の段階は、エアコンプレッサーから始まります。これは、エンジンの動力を利用して大気中の空気を取り込み、高圧縮するポンプの役割を担っています。
このコンプレッサーによって生み出された圧縮空気が、ブレーキを作動させるためのエネルギーの源となるのです。

ステップ2:空気中の水分を取り除く「エアドライヤー」

エアコンプレッサーが取り込んだ空気には、水分が含まれています。この水分がそのままエアブレーキシステム内に入り込むと、配管や部品のサビ、冬季の凍結による作動不良を引き起こす原因となります。
エアドライヤーは、圧縮空気がシステムに入る前にこの水分を徹底的に除去し、常に乾燥したクリーンな空気を供給する重要な役割を担っています。

ステップ3:圧縮空気を溜めておく「エアタンク」

エアドライヤーで乾燥させられた圧縮空気は、エアタンクに送られ蓄えられます。ブレーキは連続して使用されるため、必要な時にいつでも十分な圧縮空気を供給できるよう、常に一定の圧力が保たれています。
エアタンクは、エアブレーキシステムの「予備バッテリー」のようなものであり、安定した制動力を維持するうえで不可欠な存在です。

ステップ4:ペダルの踏み込みを空気圧に変換する「ブレーキバルブ」

運転手がブレーキペダルを踏み込むと、その動きがブレーキバルブに伝わります。このバルブは、ペダルの踏み込み量に応じてエアタンクからの空気の量を細かく調整し、各ブレーキへと送り出す「司令塔」の役割を果たします。
ペダルを深く踏み込めば多くの空気を送り、弱い踏み込みであれば少量にとどめることで、制動力を繊細にコントロールしています。

ステップ5:空気の力でブレーキを動かす「ブレーキチャンバー」

各タイヤの近くに設けられたブレーキチャンバーは、ブレーキバルブから送られてきた空気圧を受け取ります。このチャンバー内部にはダイヤフラムという膜があり、圧縮空気の圧力で押し出されます。この力がプッシュロッドと呼ばれる棒を押し出し、空気のエネルギーを物理的な「押す力」に変換する重要な役割を担っています。

ステップ6:タイヤに制動力を伝える「Sカムとブレーキシュー」

タイヤに制動力を伝える強い「押す力」はSカムとブレーキシューによってタイヤに伝えられ、制動します。ブレーキチャンバーから押し出されたプッシュロッドは、スラックアジャスターを介してS字型のカムシャフト(Sカム)を回転させます。Sカムが回転することで、ブレーキシューが外側に押し広げられ、車輪と一緒に回転するブレーキドラムの内側に圧着されます。
この強い摩擦力によって制動力が生み出され、車両が減速・停止する最終的な動作となります。

 

 

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仕組みからわかるエアブレーキのメリット・デメリット

エアブレーキのメリット

メリット1:強力で安定した制動力

エアブレーキの最大の強みは、その制動力の高さにあります。空気の圧縮力を利用するため、大型トラックやバスのような重量のある車両でも、少ない力で非常に強力なブレーキ力を得ることができます。これにより、満載時でも安心して車両を停止させることが可能です。

メリット2:配管の簡素化と整備性

油圧式ブレーキの配管は複雑になりがちですが、エアブレーキは空気を通すホースを使用するため、配管の取り回しが比較的簡単です。また、ブレーキフルードのような液体を使用しないため、エア抜き作業が不要で、メンテナンスの手間が軽減されるという利点もあります。

メリット3:フェード現象が起きにくい

油圧式ブレーキで起こりうる、熱によるブレーキフルードの沸騰(ベーパーロック現象)や、熱でブレーキの効きが悪くなるフェード現象は、空気を利用するエアブレーキでは原理的に起こりません。連続したブレーキ操作でも、安定した制動力を保つことができます。

エアブレーキのデメリット

液体と比べて圧縮されやすい空気は、ペダルを踏んでから実際にブレーキが効き始めるまでにわずかなタイムラグがあること、また、エンジン始動直後はエアタンクに空気が溜まるまで発進できないことなどを説明します。

デメリット1:応答性(レスポンス)の遅れ

液体と比べて圧縮されやすい空気は、ブレーキペダルを踏んでから実際にブレーキが作動するまでにわずかなタイムラグが生じます。この応答性の遅れは、ドライバーがブレーキの効き具合を体感で掴み、慣れることが必要となる点です。

デメリット2:エア漏れのリスクとエアチャージの時間

エアブレーキシステムは空気圧に依存するため、ホースや配管から空気が漏れるリスクがあります。また、エンジン始動時には、エアコンプレッサーがエアタンクを満タンにするまで待つ必要があり、すぐに発進できないという欠点も持ち合わせています。

 

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エアブレーキの踏み方のコツ

・エンジンブレーキと組み合わせて使う

エアブレーキには圧縮した空気が必要ですが、踏み方を間違えその回数が多すぎると圧縮空気がなくなってしまい、制動力不足に陥ってしまいます。そうならないためにも必要に応じてエンジンブレーキと適切なブレーキペダルの踏み方による制動力を組み合わせることが大切です。

・足はかかとを支点にする

エアブレーキは油圧ブレーキと比べると数倍もの制動力があるため、踏み方を注意しないと急ブレーキになってしまいます。トラックのブレーキペダルは踏み込み方式のオルガン式なので、かかとを支点にして足首で強さを調整しながらブレーキのかかり具合を確かめてください。
シートの位置を自分の身体に合わせて調整してブレーキを踏みやすくしてください。そうすることでブレーキを調整しやすくなります。

・積載量に気を配る

積載量をいつも意識してください。当然満載と空車の場合では車両総重量が違いブレーキの効き方は変わってきます。積載量をいつも意識することで、どれくらいの力でブレーキを踏めばどの程度ブレーキが効くかを体得することができます。そうすることによって積載量はブレーキの力を判断する基準として考えることができます。

・荷物の積み方に気を付ける

積荷はできるだけ一か所に集中させるのではなく、重さが分散されるよう、荷台に対して重量が均等になるような積み方を意識することが大切です。それによってブレーキのかかり方が均等になるよう心がけたいものです。
なお、この積荷の均等は急ブレーキや急カーブで積荷を崩さないことにもつながり非常に大切です。

 

 

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エアブレーキの注意点

・ばた踏みしない

ばたばたとブレーキペダルを踏むのは避けてください。圧縮してためられた空気がコンプレッサーから抜けてしまいます。ブレーキを動かすのに必要な空気がなくなってしまうばかりか、タイヤや車体へも悪影響があります。

・スピードを出しすぎない

当然のことではありますが、スピードを出すとブレーキに必要な力も大きくなるので、できるだけスピードを出しすぎず安全運転を心がけることが大切です。

・エアブレーキを使いすぎない

エアブレーキも多用しすぎるとブレーキに必要な空気が減るため、ブレーキが利かなくなってしまうリスクがあります。エンジンブレーキやリターダー等を上手に併用してください。

・コネクト技術の利用

AIを活用した自動運転による先読みなどができる車種の場合、目的地までの道路状況、渋滞状況、運転手の休憩まで計算したうえで速度コントロールをしてくれるので安全かつ運転しやすいです。しかもトラックにも必要以上の負担がかからず燃料費、整備費用も抑えられることになります。

・エアの残量に注意する

エアコンプレッサー内の圧縮空気はブレーキ以外にも使用されています。パーキングブレーキやクラクション、トランスミッション、サスペンション、クラッチなどにも使われています。こまめに残量を確認しておくことが大切です。

 

 

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まとめ

現在のトラックのエアブレーキは改良され非常に使いやすい優秀なブレーキになっています。エアブレーキに限らずその技術や仕組みを知り、適切な使用方法を知ることでトラックの寿命を伸ばし、一番のミッションである交通安全とお客様の満足・安心につなげていただきたいと思います。

年間13,000台以上の買取実績を持つトラックファイブは、皆さまのご不要になったトラックや重機の高価買取に役立たせていただきます。

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報をお届けしていきます。

 

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