グリスアップとは?日々の点検・管理とその必要性を解説

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グリスアップとは

なぜグリスアップが必要?

グリスはトラック・車両・重機の金属部品同士が擦れ合う部分に使用します。

その部品を摩耗から保護するために使う油脂類の潤滑剤の一種がグリスです。

グリスはオイルよりも粘度が高い半固体です。

そしてグリスアップはそのグリスを交換することです。

グリスを交換し、潤滑状態を適切に維持するメンテナンスをグリスアップと言います。

金属部品同士が擦れ合う部分のグリスアップを行うことで、その部品の摩耗による焼き付きを防ぐことができます。

 

異音はどこから?

トラック下部の駆動部周辺、リーフスプリング、装備機器であるパワーゲートなどにおいて、グリス漏れ・グリスの変質・グリス不足で金属同士が擦れて乾いた異音がする場合があります。

ギア部分、ベアリング部分、部品接合部のギア部分や蝶番部分であったりします。

金属の部品同士が組合って動き、擦れ合う部分で異音は発生します。

 

グリスアップに必要な用具

場所によってはグリスアップに特別な用具を必要とせず、そのまま塗り込むことが可能です。

しかし、ギアボックスやシャフトなどで、金属ボックスのなかで金属部品が擦れ合う部分にはグリスの注入口であるニップルがあります。

ニップルからはグリスガンを使用して強い圧力でグリスを押し込みます。

ニップルは一方向の挿入のみ可能で一度挿入されたグリスはニップルから漏れ出ることはありません。

グリスガンで圧力をかけて挿入されたグリスは古く汚れたグリスを押し出します。

必要以上のグリスは、ギアボックスやシャフトなどで金属のボックスから漏れ出ることが可能です。

漏れ出た古い汚れて変質したグリスはウェスや古新聞で拭き取ってください。

グリスアップに必要な用具は、グリスを打ち込むグリスガン、余分な漏れ出たグリスをふき取るウェスなどです。

 

いつが最適?

鉄道のレールは真夏の暑い時期に敷設するのが最適な時期です。

鉄は熱さでわずかですが膨張します。

冬期に短く縮んだレールを敷設すると夏場の暑さでは膨張して長くなり、レールの歪みを誘発します。

それと同様にグリスアップには最適な時期があります。

グリスも外気温で粘度が下がり柔らかくなります。

これは新品のグリスでも古くなった汚れたグリスでも同じことです。

強く固化したグリスがニップルの入り口で新しいグリスの挿入を妨げる場合もありますが、夏場に行うと意外とスムーズに挿入できたりします。

近年、猛烈に熱い夏が続きますが、夏の暑さでグリスが液化することはありません。

足回りで使うシャーシグリスで80度、トラクターヘッドのカプラーに使うモリブデングリスで150度の温度まで耐えられます。

金属の摩擦による高温にもグリスは耐えます。

適度な軟度になったグリスを挿入できる暑い時期がグリスアップに最適な時期です。

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グリスの取り扱い方

異なる種類のグリスを混ぜない

グリスは使う場所によって耐熱温度が違います。

用途によって使用する増ちょう剤やちょう度(硬さ)も異なります。

当然使い分けが必要になります。

それぞれ最適な使用箇所が決まっていますので、異なる種類のグリスを混ぜないでください。

性能低下をひき起こして故障の原因を作ってしまうこともあります。

 

異物混入を防ぐ

グリスの管理を怠って、異物がグリスに混入しないようにしてください。

管理不備があってグリスに砂やほこりが混入してしまえば、スムーズな機器の動きを助けるグリスが金属機器の摩耗を促進させて、故障の原因を作ってしまいます。

 

過不足が発生しないように注意する

グリス使用の量に注意してください。

目一杯グリスを充填する場合も、規定量にとどめる場合もあります。

過不足なく、ちょうどよい量のグリスを充填することが求められます。

 

加熱しない

グリスの粘度が高いからと言って加熱はしないでください。

加熱によって品質が落ちてしまい本来のグリスの性能を果たすことができなくなってしまいます。

夏の暑さに耐えうるグリスは冬の低温時には硬く感じ、グリスガンでの挿入に力が必要かも知れませんが、だからと言って加熱はしないでください。

ちなみに足回りで使うシャーシグリスで80度、トラクターヘッドのカプラーに使うモリブデングリスで150度の温度まで耐えられます。

 

エアーに注意

グリス挿入時にエアーが入らないように注意してください。

エアーの混入は金属同士の直接摩擦を引き起こして、故障の原因となる場合があります。

給油ポンプの圧送不能や給油不足などの原因にもなりますので十分注意してください。

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グリスの管理方法

屋内かつ温度を徹底管理する

グリスの品質を維持して使用するためには日常管理を欠くことができません。

まずは保管時の温度が大切です。

温度管理を怠ることでグリスの酸化や、増ちょう剤が持つ網目構造が破壊されてしまい、グリスが持つ本来の機能を失ってしまいます。

一般的なグリスは、70度以上に加熱してしまうと質は落ちてしまい、もとに戻ることはありません。

 

漏れに注意

グリスの充填・給脂時の漏れやはみ出しは仕方のないことです。

配管の接続部分やシール部分から漏れ出るグリスや、給脂ではみ出してしまったグリスは、ウェスなどで拭き取ってください。

 

気体が入らないように注意

ポンプタンクに給脂する場合、空気が入らないように注意してください。

グリスが持つ本来の機能を落としてしまいます。

従来の手順にしたがって給脂を心がけてください。

 

水分が入らないように注意

金属に水は大敵です。

グリスに水が混入するとグリスは白濁し乳白色に変わってしまいます。

グリスの性質が変わってしまい本来の機能である潤滑機能を低下させてしまったりします。

なによりもサビをひき起こすのが水です。

水分の混入には十分気をつけてください。

 

異物が入らないように注意

グリスの給油部分に異物が混入することは一番避けたいことです。

グリスにはエンジンオイルのような異物を排除し洗浄する機能はありません。

管理の悪さによる異物の混入は、金属部品の摩耗ばかりか、破損につながる可能性もあります。

グリスの使用後にはすぐにしっかり蓋をして砂やゴミの混入がないようにしてください。

砂やゴミの侵入は管理者・作業者の責任です。

 

異なる種類が混ざらないように注意

グリスは種類ごとで性能が違います。

違う性能のグリスを混ぜてしまうと、その性能を低下させてしまう恐れがあります。

十分注意して使用してください。

 

適切な種類を選ぶ

用途に合った適切な種類のグリスを選択してください。

用途に合わせて増ちょう剤やちょう度が変えられています。

最適な種類のグリスが機器類の最適な状態を維持してくれます。

グリスの使用環境も考慮して、適切な使用最高温度や滴点(液状化する温度)のグリスを選ぶことも大切です。

 

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まとめ

グリスは裏方でまったく表舞台には出てこない縁の下の力持ちのような存在です。

しかし、このグリスを大切に考え、適切に使うことで整備点検の費用を抑えることができ、トラックの寿命は伸びるのです。

「たかがグリス」と考えがちですが、「されどグリス」なのです。

ワンランク上質なグリスを使用して、下取時にそのグリス代金以上の買取価格アップを実現してみてはいかがでしょうか。

 

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