『脱炭素社会2050年』に向けて商用車両の動き 日本の現状と進む方向

2021年、戦後76年目を迎える現在、世界とともに日本は大きな岐路に直面しています。

第二次世界大戦で何もかもを失った日本は焼け野原から見間違えるような現在の近代国家日本を築き上げました。
日本の国内総生産GDPは世界第3位を誇り、敗戦国であった日本は自国のみならず世界に向かって発言をしなければならない立場となっています。

世界中がITでつながり物流網は世界中にめぐらされ、今日注文したものが明日には届く世の中となっています。
しかしながら、その代償としてかけがえのない私たちの地球はこの半世紀で傷つき病み出しています。

昨年、菅首相が世界に向けて発信した『脱炭素社会の2050年達成』宣言は私たちの子供たちや地球における人類、すべての生物の未来のために必ず達成しなければならない課題です。

しかしこれだけ複雑に高度化された社会の基盤である原動力を変えていくことにもなる『脱炭素』を達成することは容易なことではありません。
まずは世界中の人間が思いを一つにして出来ることからやっていかなければならないでしょう。

物流、運送業界に携わる我々も現況を認識し、出来ることを推し進めなくければなりません。
それが持続可能な社会を作ることであり、現代社会から利益を享受する私たちの企業人としての使命でもあるのです。

◎日本の現状、未来

世界における日本のCO2の排出量は5番目、中国、アメリカ、インド、ロシアについでいます。
実にこの5か国だけで世界におけるCO2の約60%も排出しています。
世界での全体排出量328億トン(2017年)のうち日本の排出量は3.4%です。
世界に200か国近くある国での3,4%の責任は軽いものではありません。

全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト  世界の二酸化炭素排出量(2017年)

そしてその内訳、日本国内の産業別排出量を見ると運輸部門で約18%の年間排出量となっています。

全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト  日本の部門別二酸化炭素排出量(2018年度)

日本で一番大きなCO2排出量を占めるのは発電部門であり、産業部門です。
日本の発電はまだ7割以上を化石燃料である石炭・石油・天然ガスに頼っています。

CO2排出の元になる化石燃料から自然エネルギーへの転換をニュースでも最近耳にするようになりましたが、ここまで多くを化石燃料に頼っている現在、それをゼロにするのは簡単なことではありません。

化石燃料を代替えする新エネルギー生産施設の新設にはその建設から既設施設に従事していた人員の次の雇用まで考えれば、民間企業だけでは簡単に行えない大きな社会変革へとなっていきます。
SDGsを考慮しながらグリーン投資を行いながらの『脱炭素社会』への移行期がこれからの30年です。

中長期で解決していくこと、早期に解決していくことを両立しながら目に見える成果を上げていかなければならない日本国の立場を考えれば、車両を変えることによって解決に結び付く運輸部門の18%が一番即効性の上がる分野だと思われるのかも知れません。

本来であれば日本の部門別排出量の40%を占めるエネルギー転換部門、そのなかの温暖化ガス排出の元凶となる化石燃料である石炭・石油・天然ガスを使う火力発電をストップしてネルギー政策の大変革を行うべきでしょう。
日本の部門別排出量の40%の7割が火力発電ということは40%×7割、排出量の約3割を占めることになります。

半官半民とも言える火力発電に早期変換の命を与え、純民間の運輸部門へもう少し時間を与えてもよかったのではないでしょうか。

しかし、自民、公明両党がまとめる2021年度の与党税制改正大綱内で、車検時にかかる自動車重量税に適用するエコカー減税で、より高い環境性能を求める新基準を導入し電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などの次世代車の導入を促すのもこれからの30年を見据えての第一歩として推し進め出しています。

◎そして、物流・運送業界の今後は

今では当たり前になったハイブリッド車(HV)の先駆けであるトヨタのプリウスは発売当初は賛否両論ですぐに社会に受け入れられたわけではありません。
しかしながら燃費の良さに加えて『環境』というブランドに乗り、世界のプリウスになっていきました。

日本を底から支える基幹産業である運送業界はAIと新エネルギーの力で『脱炭素』に向かわなければなりません。
今後一足飛びにすべてを電気自動車(EV)へ転換とはいかず、段階を経て進める中、ハイブリット車(HV)を残しつつ電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)へと変わっていくのでしょう。

そして、世界中の物流・運送業界が一度に変わるわけではありません。
タイムラグがあって現在の開発途上国が先進国の力を借りながら私たちの後を追ってきます。

日本での国をあげての『脱炭素社会の2050年達成』宣言です。
必ずその時々の環境適応車両の買い替えには公的な補助・助成が用意されるはずです。
しかし、あくまでも『補助』であり『助成』です。
その時のまとまった投資への資金繰りを今から計画しておくべきです。

日本の商用車両は皆さんご存じのように優秀です。
開発途上国の商用車両に比べて燃費もよく、排気ガスは少ないです。

皆さまから買い取らせていただいた商用車両は開発途上国で二度目の人生を送ってもらいましょう。
その国の環境改善の役に立ち、それまで以上の生産性も上げることでしょう。
第二の人生を送る商用車両たちは日本でただスクラップになるのを待つばかりではなく、開発途上国で再び持続可能性のある社会づくりに寄与できるのです。

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