トラック運転手の夏は過酷！ 夏のトラック運転時のリスクや熱中症対策・便利グッズを解説
夏場のトラックの運転は、灼熱の車内や長時間労働でドライバーにとって非常に過酷です。冷房完備のキャビンは快適そのものに見えますが、長時間停車中にはアイドリングストップでエンジンを停止しなければならず、炎天下での積み荷作業も行うトラックドライバー稼業は、それほど生やさしいものではありません。
車両トラブルがリスクとなり、熱中症や疲労で安全運転が脅かされることもあります。地球全体の気温上昇が加速する現在、対策が急務です。
今回の『豆知識』では、夏場の車内高温やトラブルの実態、疲労蓄積や熱中症の危険性、予防策、そして便利なグッズを詳しく解説します。読み終えれば、熱中症を防ぎつつ安全に運転する知識が得られ、長時間労働も乗り切れるヒントが見つかるでしょう。
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夏場のトラック運転の過酷さ
夏場のトラック運転は、車内温度が異常に高くなるためドライバーにとって過酷な状況です。JAFの調査（2012年8月）では、車内温度が外気温より10～20℃高く、夏場は45～60℃近くまで達するケースもあります（現在は気温上昇でさらに厳しい状況）。
厚生労働省データ（2023年）によると、業務中熱中症患者数は年間約700人以上にものぼり、20人強の方が亡くなっています。業種別に見ると建設業、製造業に次いで運送業はワースト3位という不名誉な地位に就いています。トラック運転手も熱中症罹患の高リスク群に入っています。
外部での作業と長時間運転で身体に熱がこもり、汗での体温調節が追いつかず、湿度の高い酷暑続きの日本の暑さは特に危険です。運転手の労働環境改善が強く求められる現在、特に人材不足が叫ばれているこの業界で、老若男女問わず新しい人材を取り込むには、この過酷な状況を知る必要があります。そして改善・改革をしていく必要があります。
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夏場のトラック運転時に発生しやすいトラブル
夏場のトラック運転では、高温が原因でさまざまなトラブルが発生しがちです。以下で代表的な問題とその影響を詳しく見ていきます。
・アイドリングストップ中は車内がサウナ状態に
トラックキャビンの構造は１枚のガラスと鉄板と断熱材で形成されています。アイドリングストップ中、エンジン停止でエアコンが効かなくなり、直射日光が大きなガラスを通して降り注ぎ、車内がサウナ状態になってしまいます。
騒音や排出ガス対策で都市部や住宅地では停止が求められ、夏の暑さの中でその状況は特に顕著となります。直射日光で温度が急上昇し、15分で40℃を超えてしまいます。窓を開けても換気不足で熱がこもり、汗は止まらず脱水リスクが高まります。長時間待機では耐えきれず、集中力低下や熱中症の危険が顕在します。
ドライバーは涼しい場所への移動を優先し、アイドリングストップは短時間に抑える工夫が必須です。
・高温状態のキャビンは非常に危険
高温状態のキャビンは、ドライバーの安全を脅かす危険な環境に変化します。直射日光を浴びるダッシュボードやハンドルは冷房を稼働させていても温度60℃を超え、冷房がなければ80℃近くまで上昇してしまいます。触れると火傷する恐れがあります。
食料や飲料が腐敗し、食中毒の原因にもつながる可能性を持っています。ガス缶やライターは高温で破裂する危険性を持っています。過去には、ガラスに付けた吸盤が集光しフロントガラスに焦点を当て火災を起こした事例も報告されています。車内物品の管理が不十分だと事故に直結する危険性があります。
ドライバーは出発前に温度チェックをこまめに行い、危険物の除去や日よけの使用を心がける必要があります。安全運転のため、キャビン内での熱管理が不可欠です。
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夏場のトラック運転は疲労蓄積と体力消耗で夏バテも加速
夏場のトラック運転は、長時間労働で疲労が蓄積し、暑さによる体力消耗が激しいです。それによって夏バテが加速し、集中力低下や判断ミスが運転に支障をきたす恐れが出てきます。以下では、疲労が増す要因とその影響を詳しく見ていきます。
・行楽シーズンで交通量増加、運転ストレスが増す
夏は行楽シーズンで観光地や高速道路の交通量が急増します。交通量の増加は、渋滞や急ブレーキの頻発を招き、運転ストレスを倍増させます。長時間同じ姿勢で神経を張り詰め、疲労が蓄積します。休憩が取りづらく、イライラや判断ミスも起こってしまいます。
トラック運転手は大型車両の操作に加え、周囲の車両への配慮が必要で、精神的なストレスがどうしても増えてしまいます。少しでもそれを抑えるために、ドライバーは渋滞予測を事前に確認し、休憩を確保してストレスを軽減しましょう。
・キャビン内外の温度差で体への負担も大きい
キャビン内外の温度差は激しく、身体に大きな負担をかけます。冷房内の20℃代から外の35℃超への出入りが繰り返され、血圧変動や体調不良を誘発します。頻繁な温度変化は自律神経を乱し、疲労感を増大させてしまいます。長時間運転でさらに体力消耗が加速し、夏バテの原因になります。
ドライバーは温度調整を徐々にし、適度な水分補給で身体をケアする必要があります。ドライバーはさまざまな方法を自ら意識して、負担を軽減することが安全運転のカギとなります。
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夏場のトラック運転中は熱中症にも十分注意を
夏場のトラック運転中は、車内高温や長時間労働で熱中症リスクが急上昇します。その理由と対策を以下で詳しく解説します。
・トイレを避けた水分制限がリスクに
トラック運転手は、長時間運転でトイレを避けるため、水分を制限しがちです。これが熱中症発症につながる大きなリスクになっています。
酷暑の中、脱水症状が進行し、頭痛やめまいを引き起こしてしまいます。休憩が少ないルートではトイレの我慢が常態化し、体温調節も崩れてしまいます。ドライバーはこまめに水分を摂り、トイレ休憩を計画的に確保しなければなりません。水分補給のみならずスポーツドリンクで電解質も補給し、熱中症を予防しましょう。
・車内に冷房が効いていても油断禁物
車内には冷房が効いているから熱中症とは無関係だという考えはやめましょう。夏期の強い日差しとともに、大きな窓から熱が侵入します。運転に集中し、自身の熱の蓄積に気づかず、冷房で汗が引くことによって水分補給を忘れがちです。ルールを決めて外部での作業が終わったら必ず水分補給を行う必要があります。
長時間運転で体温が上昇し、熱中症リスクが高まることを忘れないでください。窓の日よけやUVカットフィルムで対策を行い、ドライバーは定時間ごとの水分摂取を怠らず、体調のチェックを心がけてください。冷房頼みは危険です。まず予防が重要です。
・熱中症は自覚症状がないまま進行する危険性が高い
熱中症は自覚症状がないまま進行する危険性が高く、気づいた時には重症化している恐れがあります。暑さの中で、初期の倦怠感や軽いめまいを見逃しがちです。体温上昇が脳や臓器に影響し、突然意識を失うケースもあります。
長時間の運転は知らず知らずのうちに体力を消耗するために、周囲の観察や定期的な休憩が不可欠です。ドライバーは体調モニタリングを習慣化し、異常を感じたら即休憩することが大切です。自覚症状がないまま進行する熱中症には早期対処が不可欠です。
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トラック運転手のための熱中症予防策
夏場のトラック運転で熱中症を防ぐためには、具体的な予防策が欠かせません。以下に効果的な方法を紹介します。
・こまめな水分・塩分補給を徹底する
こまめな水分と塩分補給が熱中症予防のカギとなります。夏の暑さで、汗と共に失われる電解質を補うため、スポーツドリンクを活用しましょう。待機・休憩は日陰や冷房のある場所で取り、脱水を防ぐ必要があります。
1～2時間ごとに250ml程度を目安に摂取し、喉が渇く前に飲むことが推奨されます。ドライバーは水筒を常備し、こまめな摂取を習慣化しましょう。長時間運転でも体調を維持し、安全を確保しましょう。
・待機・休憩は日陰や冷房のある場所で取る
待機・休憩は日陰や冷房のある場所を選び、熱中症の予防に努めましょう。夏の暑さで、直射日光下の休憩は熱中症予防に逆効果となります。コンビニやサービスエリアなどエアコンが設置されている施設を利用し、体温を下げることを心がけましょう。
定時間ごとに5～10分の休憩を挟み、熱の蓄積を防ぐ対策は効果的です。ドライバーはルート上に涼しいスポットを事前確認し、計画的に休むことをこの夏場には特に考えなければなりません。体調管理は運転の質を左右します。
・日頃の健康管理を習慣化する
日頃の健康管理を習慣化することは非常に大切で、夏場の過酷な暑さに備えることにもつながります。夏の暑さの中、基礎体力不足は熱中症リスクを高めてしまいます。
睡眠はしっかり6～8時間取り、バランスの良い食事を心がけることが必要です。可能であれば、運動で体力をつけ、疲労回復を促してください。ドライバーはオフ日に体調チェックを行い、夏期前に健康診断を受けることを大切にしてください。日常のケアが長時間運転の安定感を支えてくれます。
・熱中症対策グッズを活用する
熱中症対策グッズを活用し、夏場の運転を快適・安全にすることが可能です。ポータブル冷蔵庫で飲料を冷やし、冷却スプレーで首や顔を冷やす。車載扇風機はキャビン内の空気を循環させ、発汗した汗の乾燥を促して気化熱とともに体温を下げてくれます。ただし、バッテリー消費に注意し、電源管理を行ってください。
日よけカーテンは窓の熱を遮断し、UVカットの効果もあります。クールタオルを濡らして首に巻けば長時間冷感効果が続き、持ち運びにも便利です。ドライバーは熱中症対策グッズを車に常備し、状況に応じて使用しましょう。
コンビニで入手可能な塩キャンディも塩分補給に最適です。熱中症対策グッズで快適さと安全を両立させましょう。
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まとめ
夏のトラック運転は高温により普段の運転では感じないほど疲労が蓄積しており、車内50℃や熱中症リスクが急増しています。アイドリングストップやキャビンの高温化、行楽シーズンが引き起こす渋滞のストレスがトラブルや夏バテをさらに加速させています。誤った考え方からの水分制限や冷房過信で熱中症が進行し、自覚症状の遅れが熱中症の危険につながります。
予防には水分・塩分補給、日陰休憩、健康管理が必須です。ポータブル冷蔵庫や日よけカーテンなど熱中症対策グッズも有効です。運転ストレスや温度差に注意し、定時間ごとに休憩をとることは必須です。ドライバーは計画的な対策で安全を確保し、この夏の長時間運転を乗り切りましょう！
トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報をお届けしていきます。
