
トラックのトランスミッションとは? 構造や仕組み、種類などを徹底解説
トラックのトランスミッションは、エンジンの力を車輪に効率的に伝える心臓部です。重い荷物を運ぶトラックでは、坂道や高速走行など多様な条件に対応するため、適切な仕組みが不可欠です。
今回の『豆知識』では、トランスミッションの基本的な役割や構造、種類(オートマチック、マニュアル、セミオートマチック、無段変速機)を詳しく解説します。特に近年増加傾向にあるセミオートマチックトランスミッションの特徴やメリット・デメリットに焦点を当て、技術革新との関係も探ります。
さらに、故障時の症状と対策、予防方法、買い替えのタイミングについても解説します。これにより、トラック運転者やオーナーがトランスミッションの重要性を理解し、適切なメンテナンスや選択が可能になります。
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目次
- 1 トラックのトランスミッションとは
- 2 トラックのトランスミッションの構造
- 3 トラックのトランスミッションの種類
- 4 大型トラックにマニュアルトランスミッションが採用されていた理由
- 5 大型トラックにオートマチックトランスミッションが採用されなかった理由
- 6 近年セミオートマチックトランスミッションのトラックが増加傾向
- 7 セミオートマチックトランスミッションのメリット
- 8 セミオートマチックトランスミッションのデメリット
- 9 【種類別】トラックのトランスミッションが故障したときの症状と対策方法
- 10 トラックのトランスミッションの故障を防ぐ方法
- 11 トラックのトランスミッションが故障したら買い替えも選択肢の一つ
- 12 まとめ

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トラックのトランスミッションとは
トラックのトランスミッションは、エンジンから発生した動力を車輪に伝達し、速度やトルクを調整する装置です。エンジンの回転数を車両の走行条件に合わせて最適化し、発進、加速、減速をスムーズに行う役割を果たします。クラッチやギアを介して力を変速し、トラックが重い荷物や急な坂道でも安定して走行できるようにします。この仕組みは、ドライバーの操作や自動制御によって作動し、車両の性能を最大限に引き出します。
トランスミッションの構造についての詳細は後述します。トラックでは長時間・長距離の使用が一般的であり、トランスミッションの信頼性が安全や経済性に直結します。たとえば、低速で強いトルクが必要な場面ではローギア、高速走行ではハイギアを選択し、燃費や耐久性を保ちます。適切なメンテナンスと使い方が、トランスミッションの寿命を左右する重要な要素です。
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トラックのトランスミッションの構造
トランスミッションの構造は、エンジンの力を効率的に伝達する複雑な仕組みです。主な構成要素として、入力軸、出力軸、ギア群、クラッチ、シンクロナイザーがあります。
入力軸はエンジンから動力を受け、ギア群を通じて速度やトルクを調整し、出力軸を通じて車輪に伝えます。クラッチはギアの切り替え時に動力を一時的に遮断し、スムーズな変速を可能にします。シンクロナイザーは、ギアの回転数を同期させ、衝撃を軽減します。
オートマチックトランスミッション(AT)では、油圧システムや電子制御ユニットが加わり、自動でギアを切り替えます。マニュアルトランスミッション(MT)では、ドライバーがクラッチペダルとシフトレバーで操作し、機械的な連結が特徴です。セミオートマチックトランスミッション(AMT)は、MTをベースに自動化を部分的に導入し、アクチュエーターで変速を支援します。無段変速機(CVT)は、ベルトとプーリーを使い、滑らかな変速を実現します。これらの部品は、トラックの高負荷に耐えるよう強化されており、定期点検で摩耗や油漏れを確認することが重要です。
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トラックのトランスミッションの種類
トラックにはさまざまなトランスミッションが存在し、それぞれ特徴が異なります。以下で主要な種類を紹介します。
・オートマチックトランスミッション(AT)
ATは、ドライバーの操作なしに自動でギアを切り替える仕組みです。油圧や電子制御により、走行条件に最適な変速を行います。トラックでは長時間運転の負担軽減に役立ち、特に都市部で頻繁な発進・停止に適しています。メリットやデメリットについては後述します。
構造が複雑なため、整備には専門知識が必要ですが、快適性と安全性が評価されています。近年では、大型トラックでもATの採用が増加傾向にあり、技術革新が進行中です。
・マニュアルトランスミッション(MT)
MTは、ドライバーがクラッチペダルとシフトレバーで手動によりギアを操作する方式です。トラックでは6~12速の多段ギアが一般的で、坂道や重荷に柔軟に対応します。メリットは耐久性や燃料効率が挙げられ、デメリットとしては操作に熟練が必要で、詳しくは後述します。
ノンシンクロタイプではダブルクラッチが求められ、熟練ドライバーに適しています。トラック用MTはシンプルな構造でメンテナンスが容易ですが、長時間操作は疲労を伴います。MTは中古市場で依然として需要があります
・セミオートマチックトランスミッション(AMT)
AMTは、MTをベースに自動変速を補助する仕組みです。クラッチ操作を自動化し、シフトレバーでギア選択を行うか、完全自動化も可能です。AMTの採用によって、トラックではドライバーの負担軽減と効率化が図られます。メリットやデメリットの詳細は後述します。
電子制御により変速タイミングを最適化し、坂道発進支援機能も搭載されています。2025年時点で導入が拡大中で、特に中型トラックで採用が進んでいます。
・無段変速機(CVT)
CVTは、ベルトとプーリーを使い、段階のない滑らかな変速を実現します。トラックでは軽量車両や特定用途に使用され、燃費効率が特徴です。構造がシンプルでメンテナンスが容易ですが、高負荷には不向きな場合があり、普及は限定的です。2025年現在、大型トラックではほとんど見られず、特殊車両に特化して採用されています。
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大型トラックにマニュアルトランスミッションが採用されていた理由
現在も多くの大型トラックにはマニュアルトランスミッション(MT)が採用されています。
・オートマチックトランスミッションに比べて高燃費
大型トラックにミッションが搭載されていたことには、いくつか理由があります。その中で一番大きな理由は燃費の違いでしょう。ATは構造が複雑なだけ燃費のロスが生まれてしまいます。その分、燃費が悪くなります。
ATに比べて非常にシンプルな構造のMTは、適切なギアチェンジが可能であれば効率よく燃料消費を行うことが可能です。日常の経費となる燃料消費を抑えることのできる燃費の良さは、大型トラックにミッションが搭載されていた大きな理由になります。
・安い車両価格
これも構造のシンプルさが起因することですが、シンプルなので当然車両価格が安くなります。ミッションは、ドライバーがクラッチを踏んでミッション操作をする手間があり、オートマにはその手間がない代わりに機械装置が自動でギアチェンジをしてくれます。その機械装置の価格が車体価格にプラスされます。当然価格が安いトラックを経営者は求めますので、ミッションが搭載された大型トラックを選んでいたのです。
・維持費や修理費
大型トラックにミッションが搭載されていた理由には、必要になる費用のうち変動費となる維持費や修理費が関係します。構造が複雑なATの維持費も、故障した場合の修理費もMTと比較すると大きく違います。トラックの台数が増えれば維持費や修理費は増え、そして年数とともにトラックは経年劣化し維持費や修理費は増加していきます。維持費や修理費が安く、車両価格も安く、燃費が高ければユーザーはミッションを選ぶようになります。
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大型トラックにオートマチックトランスミッションが採用されなかった理由
ここでは、大型トラックにオートマチックトランスミッション(AT)が採用されなかった理由を紹介します。安全性・操作性の高さはあるものの、維持費の高さが理由でした。しかし、今後のドライバー不足問題解消のために変わっていくことでしょう。
・エンジンブレーキへの影響
大型トラックにATが搭載されなかったのには理由がありました。まずはエンジンブレーキが効きにくかったからです。ただでさえ車両が重いのに、さらに荷物を載せて走る大型トラックに高価なオートマシステムを設置しても、効きにくかったエンジンブレーキをさらに効きにくくするだけです。
重量のある荷物を積む商用車両は、余計な負荷により積み荷に衝撃をかけないために、きめ細かな運転が必要になります。安全走行のための操作性を考慮したことに加えて、ドライバーがストレスをためないためにも大型トラックにATが搭載されなかったのです。
・クラッチ操作の有無
重量がある大型トラックではクラッチ操作が重要でした。そのクラッチ操作に変わるような加速や急な減速がATではできません。クラッチを踏む、というATと異なる一つの動作は慣れなければ煩わしさにもなりかねないです。しかし慣れてしまえば早めのシフトアップ、高速段の活用、エンジンブレーキの活用はミッション車特有のメリットです。
クラッチ操作にはATにないメリットがあることが、大型トラックにATが搭載されなかった理由の一つだったのです。
・ギア選択が不可
ドライバーの思いに任せたギアの選択ができないことも、大型トラックにATが搭載されなかった理由の一つでした。さまざまな環境で、多種多様の荷を積み、運転するドライバーは安全だけでなく低燃費運転を行うことが求められます。始動時もそうですが、特に坂道発進する時などは、エンジンに過負荷を与えないように低速段から徐々に高速段にシフトアップします。
また、高速道路の走行では高速段で定速度走行をして、安全・低燃費運転を実現可能なのです。しかし、ATではそれが不可能でした。
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近年セミオートマチックトランスミッションのトラックが増加傾向
近年、セミオートマチックトランスミッション(AMT)を搭載したトラックが増加しています。以下でその背景を説明します。
・技術革新で導入促進
クラッチ操作が不要で、状況に合わせて任意でシフトチェンジが可能なのがAMTです。ATとMTのメリットをあわせ持つ変速装置がAMTです。セミオートマチックトランスミッション(AMT)が正式名称です。トラック業界における技術革新で近年導入が進んでいます。
電子制御技術の進化が背景にあり、センサーとアクチュエーターの精度向上によって変速タイミングが最適化され、ドライバーの負担が軽減されていることも導入が加速されている理由です。
・乗用車のオートマチックトランスミッションとの差異
大型トラック等に搭載されるAMTは乗用車のATとは異なります。乗用車や小型トラックに搭載されているATはトルクコンバーターで、AMTは機械式セミオートマと呼ばれるミッションシステムです。ATのトルクコンバーターシステムは、車重が大きく積荷を満載した大型トラックには不向きのシステムでした。
乗用車・小型トラックのATでの変速はシステムが行い、大型トラック等のAMTは状況に応じて任意でドライバーが変速できるという大きな違いがあります。
乗用車ATは快適性を優先するのに対し、トラックAMTは耐久性と経済性を重視しています。
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セミオートマチックトランスミッションのメリット
AMTには多くの利点があり、トラック運転に適しています。以下でそのメリットを説明します。
・操作作業の減少
AMTにはミッション車にはないいくつかのメリットがあります。AMTのトラックにはMT車に必要なクラッチ操作が必要ありません。しかし、必要であればクラッチ操作も可能です。
クラッチ操作というトラックの運転での操作が減ることにより、運転時の安全確認などに注意を向けることができるので、ドライバーの注意散漫防止とストレス軽減にもつながります。そして、トラックの運転に慣れていない初心者にもクラッチ操作が減ったため、楽に安全に運転を行うことができるようになりました。
・安定した燃料消費
MTのトラックでは、その状況に応じた適切なギアチェンジを行えば安定した燃費消費が可能になります。しかし、MTトラックの運転経験が浅く、不慣れなドライバーの場合には適切なギアチェンジを行うことができずに燃費が悪くなることもあります。
AMTのトラックであれば、ドライバーの運転技術は関係なく安定した燃料消費が期待できます。
・AT限定免許で運転可能
以前はMT免許保有が主流でしたが、普通自動車のAT車の普及によってAT限定免許取得者が増加しました。AT限定免許しか保有していないドライバーがAMTの登場でトラックの運転が可能になりました。慢性的なドライバー不足の運送業界にとっては朗報でした。
若者や女性ばかりではなく、AT限定免許のみ保有している男性にトラックドライバーとしての門戸が広く開かれたのです。AMTによって幅広い人材の確保が可能になりました。
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セミオートマチックトランスミッションのデメリット
AMTにはいくつかの課題もあります。以下でデメリットを説明します。
・熟練ドライバーとの燃費の差
若者や女性、AT限定免許のみ保有の男性など幅広いドライバーにトラック運転の可能性を与えたAMTですが、熟練ドライバーの燃費走行にはおよばないというデメリットがあります。AMTは高度な運転技術を持っていても、初心者でも、同じAMTで走行すれば燃費性能は大きく変わらないのです。
しかし、MTのトラックを走らせる熟練ドライバーの燃費は非常によく、AMTではおよばないのです。
・車両価格が割高
誰が運転してもほぼ変わらない燃費性能を約束してくれるシステムを搭載するAMTは当然車両価格が高くなってしまいます。この車両価格の問題も熟練ドライバーのMT車運転の燃費におよばない問題も、デメリットとしてとらえるか否かは使用者の考え方次第でしょう。
費用対効果でAMTに利点を感じるのであればメリットと考えることもできるでしょう。ただ、変速装置の構造が複雑になることによってMTよりもAMTのほうが故障の要因が多くなることはデメリットと言えるかもしれません。
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【種類別】トラックのトランスミッションが故障したときの症状と対策方法
トランスミッションの故障には種類ごとの症状があります。以下で対処法を説明します。
・オートマチックトランスミッションが故障した場合
AT故障の症状は、変速ショックや異音、ギアが固定されることです。油圧システムやソレノイドの劣化が原因で、走行不能になる場合もあります。対策として、まず運転を停止し、整備工場で診断を受けます。オイル漏れや汚れが疑われる場合、交換で対応可能ですが、内部部品の損傷なら修理費用が50~100万円かかることもあります。予防策として早期点検が推奨されています。
・マニュアルトランスミッションが故障した場合
MT故障の症状は、ギアが入りにくい、異音、抜けなどです。シンクロナイザーやベアリングの摩耗が主因で、ダブルクラッチが効かなくなる場合もあります。対策は、運転を中止し、専門家に点検を依頼します。
軽度ならオイル交換で改善する可能性がありますが、摩耗が進むと部品交換(20~80万円)が必要です。定期点検の実施によって多くの故障が防げると報告されています。
・セミオートマチックトランスミッションが故障した場合
AMTの故障は変速不良などになります。警告灯点灯で故障を知らせてくれます。その際には整備工場でアクチュエーターの点検が必要になります。
・無段変速機が故障した場合
CVT故障はベルト滑りや異音が特徴です。プーリーやベルトの摩耗が原因で、ベルトが摩耗する前に交換が必要です。金属のチェーンをベルトの代わりにする機種も登場して耐久性は上がっています。
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トラックのトランスミッションの故障を防ぐ方法
トランスミッションの長寿命化には予防が重要です。以下で方法を説明します。
・定期的にオイルを交換する
トランスミッションオイルは、熱や摩擦で劣化し、変速不良や摩耗を招きます。ATやAMTでは2万kmまたは1年ごと、MTは4万kmまたは2年ごとにオイル交換が推奨されます。2025年ガイドラインでは、純正オイルの使用で効果が上がるとされています。
交換時はフィルター清掃も行い、汚れや金属片を除去してください。怠ると内部部品が損傷し、修理費用が数十万円に膨らむリスクがあります。毎回点検記録を残し、整備士に相談するのが賢明です。
・負担の少ない運転を心掛ける
急発進や急ブレーキはトランスミッションに負担をかけます。スムーズな変速と適度な回転数(2,000~2,500rpm)で運転し、寿命を延ばしてください。丁寧な運転は故障率を30%減らすとされています。
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トラックのトランスミッションが故障したら買い替えも選択肢の一つ
トランスミッションの故障が頻発する場合、修理より買い替えが経済的です。修理費用が50~100万円かかる一方、中古トラックは200~300万円での購入も可能です(2025年市場価格)。走行距離20万kmを超える車両は、部品劣化が進行し、修理が繰り返されるリスクがあります。
買い替えなら最新の燃費性能や安全装備が得られ、長期的コストが削減されます。事業規模や予算を考慮し、買い替えを選択肢の一つとすることも正しい経営判断につながることでしょう。
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まとめ
トラックのトランスミッションは、AT、MT、AMT、CVTの4種類があり、構造や仕組みで特徴が異なります。近年AMTが増加し、技術革新で操作性が向上しています。故障予防にはオイル交換と負担軽減運転が有効で、故障時は症状に応じた対策が必要です。経済性を考慮し、買い替えも選択肢です。トランスミッションの適切なメンテナンスで安全な運行を確保しましょう。
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