エンジンのオーバーホール費用はいくら? 相場や実施の目安、メリット・デメリットまで詳しく解説

優秀な日本のトラックといえども、経年劣化に勝つことはできません。特に脱酸素世界に向かいつつある昨今、古くなったトラックをすぐに新車に買い替えるわけにはいかないかもしれません。大きな費用をかけずにトラックを復調させるために、エンジンのオーバーホールは注目に値する作業と言えるでしょう。
今回の『豆知識』ではエンジンのオーバーホールを費用相場からメリット・デメリットまで詳しく解説します。

 

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エンジンのオーバーホールとは?

トラックのエンジンのオーバーホールとは、部品単位まで分解し、点検・清掃・修理を行い、再組み立てをする作業です。定義としては、経年劣化による不調を解消し、新車時の状態に近づけるメンテナンスを指します。
作業工程は、まずエンジンを車両から取り外し、クランクケースを開けてピストンやバルブを外します。次に、各部品を洗浄し、摩耗や歪みを確認していきます。ノギスで精密に測定し、ガスケットやピストンリングなどの消耗品を交換します。
必要に応じてシリンダーの研磨や部品の修正を行い、最後に分解をした逆順で、組み立てて車両に再搭載します。エンジンのオーバーホールには高い技術が必要で、通常はプロの整備士が行います。エンジンのオーバーホールは、手間と時間がかかるのが特徴です。

 

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エンジンのオーバーホールを検討する時期の目安

トラックのエンジンのオーバーホールを検討する時期の目安は、走行距離が20万~70万kmを超えたころです。一般的に、エンジンの寿命は約20万~70万kmとされますが、サイズの違いや使用状況、普段のメンテナンス状態により異なります。トラックのエンジンは乗用車よりも大きく構造がシンプルです。
そのため、メンテナンスは容易で、定期的なメンテナンスを怠ることがなければ、平均以上に長くエンジンの健康状態を保つことも可能です。
そのためにも、エンジンオイルの減りが早い、マフラーから白い煙が出る、異音がする、オイル漏れが見られるなどの症状が出始めたら、早めに検討が必要です。

 

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エンジンのオーバーホールをした方がよいケースは?

トラックのエンジンオーバーホールが必要なケースは、エンジンの不調が顕著なときです。具体的には、以下のような症状が見られた場合に検討すべきです。

 

・エンジンオイルの減りが早い

エンジンオイルの減りが早い場合、エンジン内部のシリンダー内の摩耗が進んでいる可能性があります。ピストンとシリンダーの隙間が広がると、燃焼室に不要のオイルが入り込み燃焼し、消費量が増えてしまいます。
これは経年劣化によるもので、放置するとエンジンの摩耗は進行、加速してしまい、最悪の場合エンジンは焼き付きを起こして故障します。オイル交換後もすぐに減るようであれば、シリンダー内の摩耗を疑い、オーバーホールで部品の点検や交換を行い、隙間を調整することが必要です。

 

・マフラーから白い煙が出る

マフラーから白い煙が出る場合、トラックのエンジン内部に問題があるサインです。燃焼室にオイルが混入し、排気バルブから排出されることで白煙が発生します。これはエンジンオイルの減りが早い場合と同様で、ピストンリングやシリンダーの摩耗が原因で、シリンダー内に入り込んだエンジンオイルが燃焼しているサインです。
冬場は水蒸気の可能性がありますが、夏場でも白煙が見られるなら要注意です。放置するとエンジン性能が低下し、発火リスクも高まります。オーバーホールで摩耗部品を交換し、正常な状態に戻すことが求められます。

 

・エンジンから異音がする

エンジンから異音がする場合、トラックのエンジン内部の部品が摩耗または損傷している可能性があります。たとえば、ピストンやベアリングの摩耗によるカタカタ音、バルブの異常によるタペット音などが挙げられます。
異音を放置すると部品の破損が進み、エンジン全体の故障につながることもあるので早急な対応が必要です。オーバーホールで分解・点検し、問題のある部品を交換することで、異音を解消し、安全な状態に戻せます。

 

・エンジンオイルが漏れている

エンジンオイルが漏れている場合、トラックのエンジンパーツの劣化や破損が疑われます。外部漏れ(車両下にオイルが溜まる)や内部漏れ(燃焼室への混入)があり、ガスケットやシールの劣化が主な原因です。
オイル漏れを放置すると潤滑不足で摩耗が進み、エンジン発火の危険もあります。オーバーホールが必要ない場合もありますが、オーバーホールを行えば、正確な漏れ箇所を特定することができ、部品を交換することで、オイル漏れを防いでエンジンを保護できます。

 

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エンジンのオーバーホールにかかる費用目安

トラックはさまざまなサイズがあり、サイズによってエンジンの大きさは違います。トラックのエンジンのオーバーホールの費用目安は、50万円~200万円以上と幅広いです。
小型トラックで50万円~100万円、大型トラックでは100万円~200万円超が相場です。費用は「工賃+部品代」で構成され、エンジンの分解・洗浄・組み立てに多くの工数がかかるため、複数の部品代金にかかる高額代金ばかりか、工賃も高額になってしまいます。部品代は交換するパーツの数や種類で変動し、ピストンやクランクなどの大型部品が必要だとかなりの高額になる可能性もあります。
トラックのエンジンは大型のため、作業が大がかりになる点も高額な理由です。また、整備業者やディーラーによって料金が異なり、技術力や設備の違いも影響します。見積もりを取って比較することが大切です。

 

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エンジンのオーバーホールにかかる時間は?

トラックのエンジンオーバーホールにかかる時間は、通常1ヶ月~2ヶ月程度です。作業工程が多いため、短期間では終わりません。
まず、エンジンを車両から取り外し、分解して各部品を点検・洗浄します。劣化摩耗した部品の交換や修正が必要な場合、部品の調達に時間がかかることもあります。特殊なトラックの場合であれば、部品が特注になるためさらに日数が延びます。組み立て後、車両への再搭載と動作確認も必要になり、これに数日かかります。整備業者のスケジュールや混雑状況も影響するでしょう。年度末など整備業者の繁忙期であればさらに長引く可能性もあります。
そして、オーバーホール中はトラックが使えないため、運送業務に支障が出ないように、代車の手配やスケジュール調整が必要になります。

 

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エンジンのオーバーホールのメリット

トラックのエンジンオーバーホールには多くのメリットがあります。エンジンを分解して細部まで整備するため、以下のような効果が期待できます。

 

・点検や整備を兼ねている

オーバーホールは、トラックのエンジンを部品単位まで分解するため、通常の点検では見つけられない不具合を発見できます。点検や整備を兼ねているのと同様ですから、細かいパーツの摩耗や損傷を整備し、トラブルの早期発見にもつながります。

 

・エンジンの性能が回復する

トラックのエンジンオーバーホールでは、ガスケットやシールの交換、ピストンリングなどの摩耗した部品を交換し、汚れを洗浄することで、エンジンの性能が新車時に近い状態に回復します。加速や燃費が改善し、快適な安全走行が可能になります。

 

・エンジンの寿命が延びる

オーバーホールでトラックのエンジンを回復させることによって、エンジンの寿命が延びます。劣化した部品を交換し、摩耗を防ぐため、エンジンが故障するリスクが減り、長く使い続けることができます。

 

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エンジンのオーバーホールのデメリット

トラックのエンジンオーバーホールにはデメリットもあります。まず、費用が高額で、50万円~200万円以上かかる場合があるため、経済的負担が大きいことです。
作業時間も1ヶ月~2ヶ月と長く、その間トラックが使えず、運送業務に影響が出ることもデメリットと言えるでしょう。それを補うために代車費用も発生します。
また、高い技術力を持つ業者に依頼しないと、組み立てミスで性能が低下するリスクもあります。エンジン以外の部品は経年劣化が進んだままなので、車両全体が新車同様になるわけではありません。費用対効果を慎重に考える必要があります。

 

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エンジンのオーバーホールは自分でできるの?

トラックのエンジンオーバーホールは素人のご自身で行うには非常に難しい作業です。まず、高度な技術と専門知識、そして経験が必要です。
エンジンを分解し、部品の摩耗や歪みを精密に測定するには、ノギスなどの専用工具の用意が必須になります。また、ピストンやバルブの交換、組み立てには正確さが求められ、素人が行うと組み立てミスで性能が低下したりするばかりか、故障したりするリスクもあります。
トラックのエンジンは大型で構造が複雑なため、広い作業スペースや設備も必要となります。工具代だけで数十万円かかる場合もあります。さらには、部品調達や不要部品等の廃棄処理も難しいため、プロの整備士に依頼するのが安全で確実です。
エンジンのオーバーホールは素人が行う作業ではありません。

 

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エンジンのオーバーホールの依頼先

トラックのエンジンオーバーホールを依頼する先として、以下の選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、信頼できる依頼先を選びましょう。

 

・ディーラー

ディーラーはトラックメーカーの直営店で、純正部品を使用し、高い技術力を持つ整備士がオーバーホールを行います。品質が安定しており、安心感がありますが、当然のごとく費用は高めとなり、50万円~200万円以上になることもあります。
作業時間も長く、予約が詰まっている場合もあり、その間の台車の用意など負担費用はかさんでしまいます。ただ、ディーラーに依頼すれば充実した保証があるというメリットがあります。

 

・整備業者

整備業者は、ディーラーより費用が抑えられる場合があり、30万円~70万円が目安です。経験豊富な業者なら高品質なオーバーホールが可能ですが、技術力は業者によって異なります。
信頼できる業者を選ぶため、口コミや実績を確認することが重要になります。整備業者によっては部品調達に時間がかかる場合もあります。

 

・カーショップ

カーショップは一般的なメンテナンスを主に行う店舗で、オーバーホールに対応できるところは限られます。技術力や設備が不足している場合があり、トラックのような大型車両の作業は難しいこともあるでしょう。
費用は比較的安価ですが、品質に不安があるため、専門性の高いショップを選ぶ必要があります。

 

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エンジンオーバーホールと中古車購入、どっちがよい?

トラックのエンジンオーバーホールと中古車購入のどちらがよいかは、状況によります。オーバーホールは50万円~200万円かかり、作業に1ヶ月以上必要です。愛着のあるトラックであったり、特殊車両で代替が難しい場合ならば、寿命を延ばして乗り続けることができるので価値があります。
しかし、エンジン以外の部品の劣化が進んでいる場合、全体の性能回復は難しいでしょう。
中古車購入は、サイズやトラックの状態などにもよりますが、車両価格が100万円~500万円程度で、大きなメリットはすぐに使用可能なことです。輸送業務に支障をきたさないという意味では、オーバーホールより費用対効果が高い場合も少なくないでしょう。トラックが古く、エンジン以外の他のパーツも劣化しているなら中古車購入がおすすめです。
ただし、中古車の状態確認は慎重に行い、信頼できる販売店を選ぶことが大切です。

 

・「リビルト」という選択肢もある

トラックのエンジンオーバーホールの代わりに、「リビルト品の利用」という選択肢もあります。リビルト品とは、中古エンジンを分解・洗浄し、摩耗した部品を新品に交換して再組み立てしたオーバーホール部品です。
新品より安価で、費用は50万円~100万円程度です。品質が安定しており、すぐに使用できるのがメリットです。
ただし、リビルト品の品質は業者によって差があり、その業者の技術力が十分でなければ、満足いく性能でないこともあります。購入時には、リビルト内容や保証を確認することが重要です。信頼できる業者から購入すれば、オーバーホールより手軽で経済的な選択肢になります。

 

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まとめ

トラックのエンジンのオーバーホールは、分解・点検・修理でエンジンを新車時に近い状態に回復する作業です。メリットはトラックの寿命の延長や性能回復ですが、高額な費用や長期間の業務停止がデメリットとなる場合もあります。オーバーホールに頼らない選択肢の一つである中古車購入は、業務停止期間を含めた予算で判断をすれば有用なものとなるかもしれません。
ご使用のトラックをトラックファイブは高価買取をして中古トラック購入に協力させていただきます。
大切な愛車をオーバーホールによってこの先長くお乗りになるか、中古トラックの購入に踏み切り費用の出費を抑えるか、タイミングと費用対効果を重視してご検討ください。

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報をお届けしていきます。

 

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