
クレーン付きトラック(ユニック車)の故障原因と対処法は? 点検・メンテナンスと修理費用も解説
クレーン付きトラック(ユニック車)は、運送と積み下ろしを効率化する頼もしい相棒ですが、故障リスクを無視することはできません。過酷な作業環境下で、PTOやブーム、アウトリガーのトラブルが頻発しています。放置すると重大事故や業務停滞につながるため、原因と対処法を知ることは必須です。
今回の『豆知識』では、ユニック車でよくある故障(PTO動作不良やラジコン障害など)とその原因、対処法を詳しく解説します。さらに、日常点検・メンテナンスの方法や法令に基づく点検義務、修理か載せ替えかの判断ポイント、修理費用の目安も紹介します。読み終えれば、故障を未然に防ぎ、適切なメンテナンスでユニック車の長寿命化を実現する知識が得られます!
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目次

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クレーン付きトラック(ユニック車)のよくある故障と原因・対処法
ユニック車は、その特殊な構造なために、さまざまな故障が発生します。以下で、ユニック車によくある代表的なトラブルと、その原因と対処法を詳しく見ていきましょう。
・PTOの動作不良
PTO(パワーテイクオフ)の動作不良は、動力伝達が途切れるユニック車における代表的な故障です。オイル不足やクラッチ摩耗、配線の断線が主因です。作動時に異音や振動がすれば要注意で、クレーンが動かなくなるリスクもあるので要注意です。
対処法は、まずエンジンを停止し、油圧レベルと配線を点検します。オイル漏れや摩耗部品があれば交換し、整備士に診断を依頼します。大型ユニック車はPTOにかかる負荷が高いため、動作不良が起こりやすく、定期的な点検を実施することでその予防が可能です。放置することによってギア破損が進行し、修理コストが跳ね上がってしまうため、早急な対応が重要になります。
・ブームの動作不良
ブームの動作不良は、伸縮や旋回がスムーズでない状態です。油圧シリンダーの摩耗やバルブ詰まり、シール破損が原因となります。動作が遅くなったり、途中で停止する場合もあります。
対処法は、油圧系統の点検とフィルター清掃を行い、さらに異常があればシリンダー交換を検討しましょう。大型ユニック車は重荷で各部品の摩耗が進むため、負荷管理を徹底し、決して無理な作業は行わないことです。ドライバーは異音や油漏れに注意し、万が一の異常時には整備工場に連絡する必要があります。放置することでブームが固定化してしまい、作業不能につながる恐れがあります。
・アウトリガーの動作不良
アウトリガーの動作不良は、安定性を失う重大なトラブルです。油圧ポンプの故障やピンの摩耗、油漏れが原因です。伸縮が不完全だと揚重中の負荷に耐え切れず、転倒リスクが高まります。
対処法は、アウトリガーを収納し、油圧系統とピンの点検を実施することです。摩耗部品や漏れがあれば交換し、整備士にオーバーホールを依頼してください。大型ユニック車は作業負荷が大きいため、毎回使用前に確認を行うことを忘れないでください。動作不良を放置したまま作業を続けることで構造的な損傷が進み、安全基準を満たせなくなるため、即対応が必要です。
・ウインチドラムやワイヤーの故障
ウインチドラムやワイヤーの故障は、巻き上げ不能や断線を引き起こす可能性があります。ワイヤーの摩耗やドラム内部の油汚れ、揚重作業での過負荷が原因となります。ワイヤーが絡まったり、異音がすれば危険信号だと思ってください。
対処法は、まずは電源を切り、ワイヤーの緩みや切れ目を点検します。ワイヤーの摩耗が激しい場合は全交換を、ドラムは清掃後整備士に点検を依頼してください。大型ユニック車は重荷で劣化が早まるため、定期的な張力チェックを行う必要があります。ウインチドラムやワイヤーの不具合を放置することで荷崩れ事故に繋がるため、早急な対応が重要です。
・ラジコン操作時の動作不良
ラジコン操作時の動作不良によって、遠隔操作が効かなくなってしまいます。バッテリー切れや受信機の故障、信号機器の不良が原因となります。操作ボタンで機器が反応せず、クレーンが停止するケースもあります。
対処法は、バッテリー残量とアンテナ接続をチェックし、動作不良原因を排除して、消去法で原因を特定することです。異常が続くのであれば、受信機交換や修理を検討しなければなりません。大型ユニック車は長時間の操作が多いため、予備バッテリーを用意しておくことが安心につながります。動作不良の放置で作業効率が落ち、事故リスクも増大するため、即点検が必要となります。
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クレーン付きトラックの故障を防ぐ日常点検・メンテナンス方法
ユニック車の故障を未然に防ぐには、日常的な点検とメンテナンスが不可欠です。以下で、具体的な方法を詳しく解説します。
・給脂(グリースアップ)
給脂(グリースアップ)は、動作部品の摩耗を防ぐ重要作業です。ブームピンやアウトリガーヒンジにグリースを塗布し、金属同士の摩擦を軽減させます。月1回または100作業時間ごとに実施し、異音や硬直をチェックします。
大型ユニック車は重荷で摩耗が速く、専用グリース(高温対応)を使用します。ドライバーはグリースガンを正しく扱い、過剰塗布を避けましょう。汚れや古いグリースは拭き取り、清潔に保つことも大切です。給脂(グリースアップ)を怠ると部品寿命が短くなり、故障リスクが上がります。
・給油
給油は、油圧系統の動作を安定させるメンテナンスです。油圧タンクのオイルレベルを毎週または作業時間50時間使用ごとに確認します。必ず指定オイルを補充し、汚れや混入した水を除去します。
大型ユニック車は作業における負荷の高さによって、油質劣化が早く、半年ごとの全交換が推奨されます。ドライバーはオイル漏れや異臭に注意し、フィルターも同時に清掃しましょう。オイル不足や劣化で動作不良が起きるため、定期的な管理が安全作業継続の鍵となります。
・点検・確認
点検・確認は、クレーンの全般状態を把握する基本作業です。毎日使用前にブーム、アウトリガー、ワイヤーの外観を目視点検してください。異音、油漏れ、緩みがないかチェックし、動作テストを実施してください。
大型ユニック車は荷重試験も含め、整備士と連携しての点検も必要です。毎月一度はPTOやラジコンの電波干渉を確認し、記録を残す必要もあります。ドライバーは点検表を活用し、異常の早期発見を行いましょう。現在では、デジタル診断ツールの導入で点検・確認の精度が向上しています。
怠ると小さな不調が大きな故障に発展し、安全性や業務効率が損なわれる可能性があるため、点検・確認は非常に重要な作業です。
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法令で義務付けられたクレーン付きトラックの点検とは?
ユニック車は法令で点検が義務付けられており、安全確保が求められます。以下で、具体的な点検内容を説明します。
・作業開始前の点検
作業開始前の点検実施は、労働安全衛生法のクレーン等安全規則で義務づけられています(クレーン等安全規則第78条)。その日の作業を開始する前に、クレーンの動作(ブーム伸縮、アウトリガー展開)を確認し、ワイヤーの摩耗やピンの緩みをチェックします。油圧ゲージやラジコン電池残量も点検し、異常があれば使用中止が求められます。ドライバーは点検記録を残し、異常時は管者へ報告しなければなりません。
現在、チェックリストの電子化が推奨されています。安全第一で毎日の実施が必須です。
・月次自主検査
月次自主検査は、クレーンの定期点検として一月以内ごとに一回義務化されています(クレーン等安全規則第77条)。PTO、油圧系統、ブームの摩耗などを専門家が点検、ワイヤーやドラムの損傷、油漏れも詳細に確認し、記録を残さなければなりません。
点検者は基本的には「自主検査資格講習を修了した者」が行うことが推奨されますが、法的な規定はありません。大型ユニック車は使用頻度に応じ、追加点検を行いましょう。ドライバーは検査結果を保管し、異常があれば即修理が必要です。検査結果を大切に保管し、違反では事業停止リスクもあります。月次自主検査を怠ると重大事故につながる可能性があるため、徹底が求められます。
・年次自主検査
年次自主検査は、クレーンの総合点検として労働安全衛生法のクレーン等安全規則で定められています(クレーン等安全規則第76条)。この検査には専門の資格を持つ事業者か、自主検査資格講習を修了した者が行う必要があります。
構造部品(ブーム、アウトリガー)の耐久性や油圧ポンプの性能の評価、ワイヤーの張力やラジコンの電波状態も含め、全般を点検・検査します。年次自主検査では、耐荷重試験も実施されます。ドライバーは検査記録を3年間保管しなければなりません。
この年次自主検査には認可を受けた整備工場などの第三者機関の関与が推奨され、未実施には50 万円以下の罰金や、営業許可取り消しの処罰があります。事故を起こさない安全作業のために、法令遵守が不可欠です。
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修理か載せ替えか、判断のポイントは?
ユニック車の故障の状況で、修理かクレーンの載せ替えかを判断します。吊上げ荷重以上の重量物の吊り上げでブームを破損させてしまう事故が時々あります。
修理費用が50~150万円(PTO交換やブーム交換)となり、クレーンの載せ替えの場合500~1,000万円が必要となります。トラックの走行距離数や経年を考え合わせて対応が変わってくるでしょうから、まずは修理にかかる見積りを取っての判断となるでしょう。修理か、載せ替えか、車両自体の買い替えかはドライバーや事業者の今後の事業計画や資金状況と修理費用の兼ね合いとなることでしょう。
また、価値の下がった中古トラックに乗り替えで対応するのか、故障したまま買取に出し、資金を作って新車購入を行うかは、その時のタイミングによって変わるでしょう。経済性と安全性の両面からより良い方向を見つけてください。
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まとめ
ユニック車予定の故障は、PTOやブーム、アウトリガーの不良が主で、油圧や摩耗が原因となります。対処には点検と修理がカギとなります。修理費用には50~150万円かかります。
故障予防には給脂、給油、日常点検が有効で、月1回や100時間使用ごとの実施が必要です。法令では作業前・月次・年次の点検が義務化され、違反は罰則対象となります。
修理かクレーンの載せ替えかは費用と車両状態で判断します。故障車をそのまま買取に出して新車購入資金とする選択肢もあります。そのような際に、トラックファイブは高価買取に努めさせていただきます。
ドライバーはユニック車のメンテナンスを徹底し、安全と業務効率を両立させましょう!
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