
ポールトレーラーとは? 構造や寸法、資格・免許から運転時の注意点まで解説
ポールトレーラーは、長尺物を運ぶための特殊な車両です。鉄道車両や鉄骨、橋梁の橋桁など、通常のトラックでは運べない長大な荷物を運搬する際に活躍します。
今回の『豆知識』では、ポールトレーラーの構造、寸法、必要な免許、運転時の注意点を詳しく解説します。安全かつ効率的な運搬を実現するための知識を、初心者にもわかりやすくお伝えします。
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目次

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ポールトレーラーとは?
ポールトレーラーとは、長尺物を運搬するために設計された特殊なトレーラーです。トラクター(牽引車)とトレーラーが連結され、積荷に応じて長さを調整できるのが大きな特徴になっています。
例をあげれば、切断や分解のできない鉄筋や鉄骨などの鋼材、長さばかりでなく非常に重量もあるPC製品の橋桁や高速道路の床板、重量もありながら運搬に繊細な注意が必要な風力発電装置の各部材や完成した鉄道車両やロケットなど、長さ20mを超える積荷も運びます。
トレーラー部分は前後に車軸があり、ターンテーブルやステアリングドローバーで操作性を高めています。長大な積荷を安全に運ぶため、特殊車両通行許可が必要な場合が多く、建設やインフラ整備で重要な役割を果たします。
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ポールトレーラーの構造
ポールトレーラーは、車長を伸ばすことができる特殊な構造のトレーラーで長尺物を運びます。そのポールトレーラーを構成している主な部品を以下に紹介します。
・トラクター
トラクターはポールトレーラーを牽引する車両で、エンジンと運転席を備えた部分です。強力なエンジン(300~500馬力)で重い荷物をけん引し、連結部(カプラー)でトレーラーと接続します。
シングルタイプ(後輪1軸)またはダブルタイプ(後輪2軸)のトラクターがあり、荷台があるタイプと、ないタイプが存在します。ポールトレーラーでは、長尺物に対応するため、荷台がないトラクターが一般的です。
・トレーラー
トラクターに連結してけん引され、積載物を運搬する車両部分のことです。トレーラーは、エンジンなどの動力はなく、トラクターにけん引されなければ走行することはできません。
ポールトレーラーは長尺物を載せるための特殊な構造になっています。前後に分かれ車台にはそれぞれ車軸があり、ステアリングドローバー(牽引パイプ)でつながって、長い積荷を安定して支えることができます。長さは積荷に応じて調整が可能で、20m~40mにもおよびます。架台やターンテーブルが備わり、積荷の固定や操作性を確保します。重く長大な積荷を運ぶため、頑丈な設計がなされています。
・ターンテーブル
ターンテーブルは、トレーラーの前部と後部に設けられた回転機構です。トラクターとトレーラー、またはトレーラー同士を連結し、旋回時にトレーラーがスムーズに動くようサポートしています。
長尺物運搬では、カーブや交差点で荷物が安定するよう調整されています。耐久性が高く、重い荷物にも対応できる設計が特徴です。
・ステアリングドローバー(牽引パイプ)
一般的なトラックや他のトレーラーでは見ることのない機構が、このステアリングドローバー(牽引パイプ)であり、ポールトレーラーの一番の特徴になっています。ステアリングドローバーは、トレーラー前部とトラクターを連結する棒状の部品です。長さの調整が可能で、荷物の長さに合わせて伸縮させることができます。
旋回時には角度を調整し、トレーラーの向きを制御することもできます。長尺物運搬時の安定性や操作性を高める重要な部品なため、ハイテンションスチールなどの強度の高い頑丈な素材で作られています。
・架台
架台は、トレーラー上に長尺物を固定するための台座です。積荷(鉄道車両や鉄骨などの重量ある長尺物)を安定して支え、運搬中のズレを防ぎます。形状や高さは積荷に応じて調整可能で、固定用のボルトやベルトが備わっています。
長距離運搬でも荷物が動かないよう、頑丈で耐久性のある設計が施されています。
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ポールトレーラーの寸法
ポールトレーラーの寸法は積荷や道路条件で異なります。以下に、一般道と高速道路、許可の有無での寸法を表でまとめます。
条件 | 全長 | 全幅 | 全高 |
一般道(許可なし) | 12m以内 | 2.5m以内 | 3.8m以内 |
一般道(許可あり) | 25mまで | 3.5mまで | 4.2mまで |
高速道路(許可なし) | 17m以内 | 2.5m以内 | 3.8m以内 |
高速道路(許可あり) | 25mまで | 3.5mまで | 4.2mまで |
・道路通行許可が必要な場合
ポールトレーラーが一般道や高速道路の寸法制限(一覧表の全長12m/17m、全幅2.5m、全高3.8m)を超える場合、「特殊車両通行許可」が必要になります。たとえば、全長25mの鉄道車両を運ぶ場合に許可申請が必要になります。車両詳細、経路図、荷物図面を添付し、運輸支局窓口に提出します。そして、審査には数週間かかります。
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ポールトレーラーの積載重量・最大積載量
ポールトレーラーの積載重量は、トレーラーの構造やトラクターのけん引能力で決まります。最大積載量は20t~40tが一般的で、鉄道車両(約30t)や鉄骨(約20t)を運搬することが可能です。
トレーラーの車軸数(4~6軸)や第5輪荷重(10トン~20トン)で制限は変わります。過積載は道路交通法違反(罰則:懲役3年以下または50万円以下)となるため、事前確認が非常に重要です。
トラックでの輸送業を行うにあたって、事業者にとって過積載ほど注意を払わなければならないことはありません。過積載によって大事故につながり、お客様から預かった大切な商品を失い、お客様からの信用も失ってしまいます。それだけでは済まず、ドライバーの健康や生命にまでかかわります。過失行為としてドライバー、運送事業者、荷主であるお客様にまで罰則がおよぶ場合もあります。
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ポールトレーラーの連結点の数・位置
ポールトレーラーの連結点は、荷物の長さや運搬条件に応じて複数設けられます。基本的にトラクターと、トレーラーの前部、トレーラー前部と後部の2~3箇所が連結点です。
トレーラーヘッドのカプラーとトレーラーのキングピンで接続され、ターンテーブルが回転を補助します。
ステアリングドローバーが前後のトレーラーを連結し、荷物の長さに合わせて調整します。たとえば、40mの荷物の場合、前後2つのトレーラーを連結し、ターンテーブルで安定性を確保します。連結点は荷重バランスを考慮して配置され、運搬中の振動や旋回に耐えられる設計が求められます。
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ポールトレーラーのトラクターは2種類
ポールトレーラーのトレーラーヘッドには、荷台があるタイプとないタイプの2種類があります。用途や荷物の特性に応じて使い分けられます。
・荷台があるトレーラーヘッド
ポールトレーラーのトレーラーヘッドの種類として『荷台あり』と『荷台なし』があります。荷台のあるなしで、ターンテーブルの設置場所やトレーラーとの連結方法が変わってきます。
トレーラーヘッド部分に小型の荷台を持つタイプがあります。ポールトレーラーと連結しながら、荷台に資材や工具を載せられます。構造は、トレーラーヘッド後部にカプラーを備え、ステアリングドローバーでトレーラーと接続します。荷台は2t程度の積載が可能で、運搬効率を高めます。
たとえば、建設現場で鉄骨を運びつつ、補修資材を載せる場合に非常に重宝します。連結はカプラーとキングピンで行い、安定性が求められます。
・荷台がないトラクター
荷台がないトレーラーヘッドは、トレーラーのけん引に特化したタイプです。構造はシンプルで、カプラーとキングピンでトレーラーと接続します。荷台がない分、車両が軽く、けん引能力が高いです(第5輪荷重20t程度)。
長尺物の運搬に集中でき、たとえば鉄道車両(30t)を運ぶ際に適しています。旋回時の操作性が高く、長距離運搬に活躍します。積荷を降ろしての回送の際は、荷台がないためポールトレーラーを積むことはできませんので、トレーラー側にあるステアリングドローバーとトラクターを接続して運搬しなければなりません。
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ポールトレーラーの運転に必要な運転免許
ポールトレーラーの運転には「大型免許」と「けん引免許」が必要です。両方の免許を取得することで、安全に運転できます。
・大型免許の取得条件・方法
大型免許の取得条件は年齢21歳以上、普通免許または中型免許保有、運転経験3年以上(免許停止期間を除く)、視力0.8以上(矯正可)となっています。
取得方法は、教習所で教習(技能教習34時間、学科教習1時間)を受け、卒業検定に合格後、運転免許試験場で適性検査と筆記試験(95問中90問正解)を受けます。費用は約30万円~40万円、期間は約1ヶ月かかります。
合宿免許なら2週間程度で取得可能です。一発試験での取得方法もあります。
・けん引免許の取得条件・方法
けん引免許の取得条件は、年齢18歳以上、普通免許以上を保有、視力0.8以上(矯正可)です。ポールトレーラーのような車両総重量750kgを超えるトレーラーをけん引する場合に必要な免許です。
取得方法は、教習所で講習(技能教習12時間、学科教習なし)を受け、卒業検定に合格する必要があります。運転免許試験場で適性検査を受け、免許交付となります。費用は約15万円~20万円、期間は約1週間が目安です。
合宿なら3~4日での取得も可能です。一発試験の場合、運転免許試験場で技能卒業検定を受験し、合格後に受ける適性検査もクリアすれば、けん引免許を取得できます。トレーラーけん引の安全性を確保するための免許です。
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ポールトレーラーを運転する際の注意点・コツ
この特殊な形状のポールトレーラーを運転する際の注意点・コツを紹介します。
・直進するとき
ポールトレーラーでの直進時に特に注意するべき点としては、連結による「幅」「長さ」「高さ」「重さ」があります。直進時は、ポールトレーラーの長さと重さを意識し、車間距離を多めに取ります。長尺物は後方まで伸びるため、急ブレーキや急加速を避け、一定速度で走行することを心がけます。そして、道路の段差や凹凸で荷物が振動しないよう、ゆっくり走ることがコツです。
・カーブするとき
長尺の重量物を積載しているポールトレーラーは、スピードを出していなくても非常に大きな遠心力を生み出します。カーブ時は、ポールトレーラーの後部が大きく外側に振れるため、広めに旋回します。速度を落とし、ターンテーブルがスムーズに動くよう調整します。内輪差を考慮し、対向車や路肩に接触しないよう注意が必要です。
・交差点での右左折のとき
長い車体と内輪差があるために右折や左折をする際は、前方向に深く進入したのちに、旋回する必要があります。長尺物を輸送できることはポールトレーラーの長所であり、短所でもある部分です。
交差点での右左折は、トレーラー後部が大きく振れるため、十分なスペースを確保します。右折なら左側、左折なら右側に大きく膨らむよう走行してください。信号や周囲の車両を確認し、ゆっくり旋回することが重要です。
・左バックするとき
目視確認のできない箇所が多いポールトレーラーの運転操作の中でもこの左バックが一番難しいのではないでしょうか。左バックは、トレーラーが右側に振れるため、運転席から後方を確認しながらゆっくり操作します。
ステアリングドローバーの角度を調整し、トレーラーが曲がりすぎないように注意してください。ハンドルを右に切るとトレーラーが左に寄るので、ミラーで確認しながら微調整が必要です。障害物に接触しないよう慎重さが求められます。
・右バックするとき
右バックは、トレーラーが左側に振れるため、左側ミラーで後方を確認しながら操作します。ハンドルを左に切るとトレーラーが右に寄る動きを理解し、ゆっくりバックする必要があります。長尺物の後端が障害物に当たらないよう、スペースを確保してください。助手や誘導員と連携し、複数人で安全に進めるのがコツとなります。
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ポールトレーラーの運転で注意したい危険現象
ポールトレーラーの運転では、危険な現象に注意が必要です。以下に代表的な現象を紹介します。
・ジャックナイフ現象
ジャックナイフ現象は、トレーラーヘッドが急ブレーキをかけたり、急ハンドルを切った際、トレーラーに対してジャックナイフが閉じるような状態に折れ曲がる現象を言います。
急ブレーキや急ハンドルでトレーラーヘッドは減速したり方向が変わったりしてもトレーラーは慣性の法則で直進します。そのままの勢いでトレーラーは突っ込んできて、トレーラーヘッドは横滑りするのです。これは急ブレーキや急ハンドルで発生しやすく、トレーラーがトレーラーヘッドに衝突する危険性があります。ポールトレーラーでは、長尺物の慣性でリスクが高まるため、速度管理が重要です。
トラックメーカーはこの対策として、横滑り防止装置や逆位相操舵機構を搭載するようになっています。
・トレーラースウィング現象
トレーラースウィング現象は、トレーラー後部が左右に大きく振れる状態です。トレーラーヘッドのヨー角がトレーラーのヨー角より大きくなってしまうことによって、トレーラーが連結ピンを中心にして横方向に振り出される現象を言います。
旋回中にブレーキや減速をした時、トレーラー側の車輪が先にロックすると、トレーラーが横滑りを起こして外に振り出される現象がみられます。旋回時などでわずかでも左右方向の力の差があれば起こります。
トレーラーヘッド側が横滑りするジャックナイフ現象と対比される現象です。制御不能になるリスクがあるため、低速走行と安定したハンドル操作が求められます。
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ポールトレーラー以外のトレーラーの種類
ポールトレーラー以外にも、さまざまなトレーラーがあります。代表的な種類を紹介します。
・セミトレーラー
セミトレーラーは、後輪のみで前部がトレーラーヘッドに支えられるトレーラーです。コンテナや資材運搬に使用され、最大積載量20t前後。小回りが利き、日本の物流で主流のトレーラーです。トラクターとの連結が簡単で、荷物の積み下ろし効率が高いのが特徴です。
・フルトレーラー
フルトレーラーは、前後に車軸を持つ自立型のトレーラーです。全長25mまで対応可能で、大量輸送に適しています。バック操作が難しいものの、複数の荷物を一度に運べるため、長距離輸送で活躍しています。ポールトレーラーより汎用性が高いトレーラーです。
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まとめ
ポールトレーラーは、長尺物運搬に特化した車両です。トレーラーヘッド、トレーラー、ターンテーブルなどで構成されることによって、長さの異なる重量物の輸送を可能にしています。
運転には大型免許とけん引免許が必要で、ジャックナイフ現象などに注意しながら安全に操作することが重要です。セミトレーラーやフルトレーラーと使い分けて、効率的な運搬を実現しましょう。
トラックファイブは『豆知識』でお客様にこれからもさまざまな情報をお届けします。
