トラックのパワーゲートとは? 種類や操作時の注意点を解説

トラックのパワーゲートは安全に、そしてドライバーが健康を損なうことなく荷物の積み降ろしを可能にしています。トラックの荷台後部に取付けられた荷物用昇降装置で、重量物や大量の荷物の積込み、荷降ろしをスームーズに行うことができます。
今回の『豆知識』ではパワーゲートの特徴・種類・操作上の注意点を解説します。

 

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パワーゲートとは?

パワーゲートはトラックの後部に装着し、荷物の積込み、荷降ろしに使用する荷役省力化装置です。パワーゲート付きトラックはドライバーにとって一番の重労働となる荷物の積込み、荷降ろし作業を省力化します。
物流に欠かすことができないロールボックスパレット(カゴ車)を地上から荷台まで容易に移動させることができます。ロールボックスパレット(カゴ車)は、EC事業の発展で増えた多品種多量のこまごました商品の輸送に非常に適しています。そして、パワーゲートは重量があるガスボンベや引越しでの家具、工事現場での重量物(資材・機械工具など)の輸送にも適します。このパワーゲートは、初めからトラックに取り付けられている場合もありますが、あとから取り付けることも可能で、極東開発工業株式会社が商標登録した製品名です。
テールゲートリフターやリフトという言い方もありますが、言いやすかったり聞いて一度で理解のできる通称が、一般的な呼び名になったりすることが多いです。
今回の『豆知識』はこのパワーゲート付きトラックを取り上げました。パワーゲートの特徴をよく理解していただき、安全に効率的な作業に当たっていただきたく思います。

 

トラックの昇降設備の設置義務とは?

2023年10月以降、最大積載量2t以上のトラックには、パワーゲートなどの昇降設備を設置することが義務づけられています。これは、ドライバーの負担軽減と労働災害の防止を目的とした労働安全衛生規則の改正によるものです。
以下の表がトラックの設置義務に関する概要です。

最大積載量 昇降設備の設置義務
2t未満 望ましい措置(設置推奨)
2t以上5t未満 設置義務(2023年新設)
5t以上 設置義務

 

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パワーゲート付きトラックが果たす役割

パワーゲート付きトラックが果たす役割はなんと言っても省力化と安全性の向上です。日本の産業は運送業なくして発展することも持続させることもできません。運送業は日本の基幹産業なのです。
しかし『3K』の代表選手として揶揄されることもあり、慢性的に若い世代を中心とした働き手が不足している状態です。そこで、女性にも高齢者にも働きやすい職場にするために活躍しているのがこのパワーゲートなのです。
ひと昔前ならば、人間が荷台に運ぶには多くの人の手で一つひとつの荷を手渡ししながら運び入れていたものを、ロールボックスパレット(カゴ車)に積み入れ、力のない女性一人でもこのパワーゲートを使用することで積み込みが可能になりました。ガスボンベや機械類など単体での重量が大きいものも、このパワーゲートがあれば一人でトラックの荷台や荷室に運び込むことは可能です。倉庫内で揚重機やユニックトラックのクレーンも必要ないのです。
EC事業の発展と共に形が揃わないさまざまな商品の配送が、運送業の小口業務として年々右肩上がりに増加しています。多品種大量の商品輸送にパワーゲートとロールボックスパレット(カゴ車)は不可欠です。
国土交通省による『中小トラック運送事業者向けテールゲートリフター等導入支援事業』が毎年予算化されており、公益社団法人全日本トラック協会が窓口となって実施されています。このことは国が目指す『働き方改革』において、パワーゲートの必要性・重要性の裏づけにもなると思います。

 

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パワーゲートの種類

パワーゲートは平ボディトラックにもバンボディタイプのトラックにも装着できます。昇降の仕方(構造)と、昇降板の格納の方法で大きく5種類に分類されます。

 

パワーゲートの構造の種類

パワーゲートの構造は、主に荷台へ荷物を昇降させる仕組みの違いで2つに分けられます。それぞれの特徴を理解することで、用途に合ったタイプを選ぶことができます。

 

垂直式

垂直式は、左右の支柱が垂直になっていて、荷台に対して昇降板が地面と平行に、文字どおり垂直に上下するタイプです。シンプルな構造のため故障が少なく、積載スペースを広く確保できるのが特徴です。
ロールボックスパレット(カゴ車)の積み込みに適しており、多くのトラックに採用されています。

 

アーム式

アーム式は、パワーゲートの両サイドのアームが『腕』のように上下して、昇降板を昇降させるタイプです。垂直式に比べて昇降板を斜めにも動かせるため、傾斜地での積み降ろしも比較的安定して行えます。ただし、アームの分だけ荷台のスペースを多少占有するのが特徴です。

 

パワーゲートのリフト格納方法の種類

使用しないときの昇降板の格納方法によっても、いくつかの種類に分けられます。トラックの用途や荷物の種類に合わせて最適なタイプを選びましょう。

 

後部格納式

後部格納式は、トラックの荷台の後部に昇降板を跳ね上げて格納するタイプです。最も一般的な形式で、構造がシンプルで扱いやすいのが特徴です。使用しないときは荷台後部の壁のようになるため、トラックの全長に影響を与えません。

 

床下格納式

床下格納式は、荷台の床下に昇降板をスライドさせて格納するタイプです。これにより、トラック後部の扉を完全に開閉できるため、フォークリフトによる積み降ろしが必要な場合に便利です。ただし、格納スペースを確保するため、床下の部品配置に工夫が必要です。

 

引き出し式

引き出し式は、昇降板をトラックの後部から引き出して使用するタイプです。昇降板は垂直式で稼働します。主にバンタイプのトラックに多く見られ、狭い場所での荷物の積み降ろしに便利です。昇降板が車体側面に格納されるため、後部扉の開閉を妨げません。

 

 

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パワーゲートの操作には「特別教育」の受講が必要

トラックのパワーゲートは、その操作に専門的な知識と技術が必要です。そのため、労働安全衛生法により、パワーゲートの操作は「特別教育」を受講した者でなければ行うことができません。
2024年に新設されたこの教育は、学科教育と実技教育で構成されており、パワーゲートの構造や正しい操作方法、安全な作業手順などを学びます。受講要件は特になく、誰でも受講可能です。

項目 内容
受講要件 なし
教育内容 学科:パワーゲートの知識、トラック荷役の知識、関係法令など

実技:パワーゲートの操作方法、点検方法など

教育時間 学科:4時間  実技:2時間  合計:6時間

 

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パワーゲート操作時の注意点

パワーゲートは便利な装置ですが、安全な作業のためにはいくつかの注意点を守る必要があります。ここでは、具体的な注意点を紹介します。

 

最大積載量を守る

パワーゲートには、それぞれ最大積載量が定められています。この積載量を超える荷物を載せてしまうと、パワーゲートが正常に作動しなかったり、最悪の場合、機器が破損して荷物が落下したりする危険性があります。必ず最大積載量を守って使用しましょう。

 

ヘルメットや安全靴などを着用する

パワーゲートを操作する際は、必ずヘルメットを着用してください。2023年10月の労働安全衛生法改正により、最大積載量2t以上5t未満のトラックでパワーゲートが設置されている場合は、作業時にヘルメットの着用が義務付けられています。それまでは5t以上のトラックが対象となっていました。
頭上から荷物が落下したり、機器の作動部分に頭部がぶつかったりする事故を防ぐことができます。また、安全靴を着用することも重要です。足元に荷物が落下しても、重傷を避けることができます。作業環境に応じた安全装備を身につけ、万が一の事態に備えましょう。

 

使用場面別のルールを守る

パワーゲートの使用時には昇降板の大きさや動き方をよく認識しなければなりません。下記が使用場面別のルールです(ロールボックスパレット取り扱いを例としています)。

①荷台の高さにある時、地面を背にして後退りしない。
②荷台の高さにある時、昇降板上で作業できるスペースを確保する。
③荷台の高さにある時、昇降板は揺れやすいので注意する。
④荷台の高さにある時もしくは地面に設置している時、昇降板の傾きによる荷の動き出しに注意する(荷が動き出したら無理に支えない)。
⑤荷台の高さにある時もしくは地面に設置している時、昇降板のストッパーを踏みながら運搬しない。
⑥荷台の高さにある時もしくは地面に設置している時、昇降板の先端部と地面の段差に注意する。
⑦昇降・展開・格納している時、作業者は原則として昇降板に乗ったまま移動しない。
⑧昇降・展開・格納している時、移動するときは昇降板と地面と荷台の中間で止めてステップとして昇り降りする。
⑨昇降・展開・格納している時、昇降板から荷がはみ出さないようにする。
⑩昇降・展開・格納している時、昇降板から少し離れた横に立ち、昇降板の周囲から目を離さない。
⑪昇降・展開・格納している時、動作中の昇降板には触らない、近寄らない。

 

作業は二人以上で行う

確実な安全を確保するために、荷物の積み降ろしは、原則として二人以上で行うことが推奨されます。一人がパワーゲートを操作し、もう一人が荷物の動きや周囲の安全を確認することで、不慮の事故を防ぐことができます。二人以上での協力体制で作業することによって、より効率的かつ安全に作業を進められます。

 

周辺の安全確保を行う

パワーゲートを操作する際は、必ず周囲の状況を確認して安全確保を意識してください。通行人や他の車両がいないことを確認し、安全な場所であることを確認して作業を行いましょう。
また、雨天時など路面が滑りやすい状況では、より慎重な操作が求められます。荷物が滑り落ちないよう、特に注意が必要です。

 

定期メンテナンスを実施する

パワーゲートは、機械であり、定期的な点検とメンテナンスが必要です。油圧系統の点検や、各部品の摩耗具合、ボルトの緩みなどを定期的に確認し、異常があれば早めに修理しましょう。故障したまま使用を続けると、重大な事故につながる可能性があります。

 

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パワーゲートの代表的なメーカー

日本においてトラック架装メーカー各社が永年の経験をもとに独自のパワーゲートを開発しています。パワーゲートを開発する代表的なメーカーを紹介します。

 

日本リフト株式会社

1973年、リフトゲートの製造販売を日本で最初に行った東京建設興業、東建リフトゲート販売株式会社より引き継ぎ、東建リフトゲート株式会社として東京都稲城市で発足しました。そして1978年、東建リフトゲート株式会社より、日本リフト株式会社に社名変更しています。
テールゲートリフター専業業者として半世紀、国内のパワーゲート(テールゲートリフター)業界を牽引しています。後部格納式の昇降板格納タイプは日本リフトが創業時に製品化しています。パワーゲートによってさまざまな問題解決を行っています。
従来ならば定地点で使用せざるを得なかった重量のある清掃機器などを巡回サービスで有効活用するための運搬に使用します。重さ2,500㎏まで揚重可能なリフターは、安全に精密機械を荷台に固定させて輸送し荷下ろしすることを可能にします。そして、トラックで取り付けなくとも地上の移動ができてリフトアップ可能な移動式安全リフトの開発も行っています。トラックの燃費を向上させ、環境負荷を和らげて、さらにトラックの積載量を増やすこともできます。

 

新明和工業株式会社

兵庫県宝塚市に本社がある新明和工業は、100年以上前の1920年に川西機械製作所が飛行機部を設置したところからスタートです。戦後航空機製造が禁止され、それまでに培ってきた技術を航空機以外のさまざまな事業に活かしてきました。そして、航空機製造が解禁になり、航空機の開発を続けながら私たちの生活に欠かすことのできないダンプトラックやごみ収集車など特装車両の開発を手がけてきました。
パワーゲート(テールゲートリフター)においては、「積み卸しの負担軽減」「積み卸しの時間短縮」「余裕のある安全配送」を行う『スマート配送』の実現を可能にしています。運ぶ荷の種類や重量に合わせて様々なパワーゲート(テールゲートリフター)を開発しており、日本のトラック輸送を支える一翼となっています。

 

極東開発工業株式会社

大阪府大阪市に本社を置く極東開発工業は、1955年設立以来培ってきた技術力・信用・和協の精神を礎に「サステナブル社会の実現・発展に貢献するグローバルな総合インフラメーカー」を目指しています。そして『パワーゲート』は極東開発工業で商標登録された製品名です。
垂直式、アーム式の昇降タイプ、後部格納式、床下格納式の昇降板格納タイプの2タイプ2方式全4種類のパワーゲートを製作しています。

 

日本フルハーフ株式会社

1963年、日本軽金属株式会社といすゞ自動車株式会社の折半出資により、米国フルハーフ社の技術を導入し設立された神奈川県厚木市に本社のある会社です。バンボディ・ウィングボディの架装を行い、それに対応して後部格納式・床下格納式のパワーゲート(テールゲートリフター)開発・製作も柔軟に行っています。

 

 

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まとめ

パワーゲートは、ドライバーの重労働を軽減し、作業効率と安全性を高めるための画期的な装置です。しかし、その操作には「特別教育」の受講が義務づけられており、正しい知識と安全な使用方法が不可欠です。どんなに素晴らしい省力化ツールがあろうとも、安全を無視した作業では意味がありません。
今回の『豆知識』で解説した種類や注意点を理解していただき、日々の業務に活かすことで、安全かつ効率的な荷役作業を実現してください。毎日の作業前、作業時に点検を行い、事故無く安全にパワーゲート付きトラックを活用してください。

年間13,000台以上の買取実績を持つトラックファイブは、皆さまのご不要になったトラックや重機の高価買取に役立たせていただきます。

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報をお届けしていきます。

 

 

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