UDトラックスの新型クオンの馬力は？性能や特徴を解説
目次
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UDトラックスのクオンとは
UDトラックスとは？
2022年にいすゞ自動車株式会社の完全子会社となったUDトラックスは埼玉県上尾市に本社を置く日本を代表するトラックメーカーです。
UD（ユーディー）の愛称、呼称は日産ディーゼルの時代から続きます。
このUDはかつてUDトラックスが製造していたＧＭ式の単流掃気方式2サイクルディーゼルエンジン”Uniflow Scavenging Diesel Engine”の頭文字のUDを商標としていたことに由来しています。また、Ultimate Dependability”（究極の信頼）の頭文字に由来しています。
トラック業界の世界地図を塗り替えはじめている海外と生き残りをかけた日本のトラックメーカーが戦略を講じている中でUDトラックスは、日産ディーゼルからルノー、ボルボ、そしていすゞと従う傘を変えてきました。、しかし、その間のすべての経験と知識を自らの強みとして成長を続けています。
そして、UDトラックスは日本のみならず世界のドライバーから愛され続けています。
クオンとはどんなトラック？
クオンとはUDトラックスの大型トラックです。
2004年からビッグサムの後継車として製造・販売されているUDトラックスを代表する大型トラックです。
エンジンの強さ、その馬力、そしてクラッチの強さに高い定評があります。
また、UDトラックス技術陣がボルボグループ時代に吸収した知識は数多く、ドライバーの視点に立っての安全性・燃費性能・運転性能にも高い定評があります。
ディスクブレーキと流体式リターダー、パワーも兼ね備えた燃費性能、エアサスとフルデフロック機能による運転性能など、これらは安全・安心をドライバーに与えてくれます。そして、これらのすべては大型トラックとしてのミッションを主体に考え抜かれています。
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クオンの年式
初代
初代モデル（2004年～2017年）
クオン（Quon）はUDトラックスの前身である日産ディーゼル工業がかつて生産していた大型トラック「ビッグサム」の後継車として2004年に登場しました。
以下、数々の名だたる賞を受賞しています。
・2005年グッドデザイン賞受賞
・2006年日経産業新聞賞（日経優秀製品・サービス賞2005）受賞
その後、2007年に日産ディーゼルの親会社である日産は株式をボルボに売却しました。
同年の2007年には、ESCOT-IV （ファイブ）ATにクイックシフトライトウェイト機能を搭載し、トラフィックアイブレーキ（衝突被害軽減ブレーキ）を新規設定しています。
更に、2010年には日本ボルボを吸収合併してUDトラックスとなっています。
同年にエンジンをABボルボ製ベースにマイナーチェンジしており、GH11（単車系）・GH13（トラクター系）に換装しています。
2代目
2代目現行モデル（2017年～）
2017年からは単車系、トラクター系共にフルチェンジが行われています。
エンジンは平成28年排出ガス規制に合わせ、国産大型トラックとしては史上初となる総輪ディスクブレーキ（ベンチレーテッドタイプ）が除雪車以外の全車に標準装備されました。
トランスミッションはESCOT-VI（電子制御式変速操作装置）が新たに採用され、シフトレバーがストレート式に変更されています。
同年、グッドデザイン賞を受賞しています。
2021年にCG後軸エアサスとGKにUDアクティブステアリングをオプション設定。UDアクティブステアリング装着車にはLDP（車線逸脱防止支援システム）も標準装備されました。
2023年にはいすゞ自動車との初の共同モデルとしてトラクターがマイナーチェンジを行っています。
これに合わせて、いすゞギガセミトラクタ、並びにギガフルトラクタ・フルキャブはクオントラクターをベースにフルモデルチェンジしています。
両者は双方の良い部分を取り入れてモデルチェンジをしています。
新型クオンの性能や特徴と「2024年問題」について
ECOモードの追加
GH11エンジン ESCOT-Ⅵ搭載車には「ECOモード」に「ECO+モード」が追加されています。
先を読み、さらなる省燃費運転をサポートするESCOTは従来のトラックには無かったトランスミッションです。
ESCOTはクラッチを操作しなくとも、シフトレバーの操作に応じてニュートラル状態からから後、右へと倒す操作のみで自動で動作します。
ハードウェアとソフトウェアの制御をさらに進化させて正確で迅速なギアチェンジを実現しています。
いつでも空車のような軽やかさ、スムーズな走行、ドライバーの負担軽減を実現し、追加された「ECO+モード」は道路状況（高速走行時、登降坂路）に応じて省燃費運転をサポートしてくれます。
状況に応じて「ECO+モード」、「ECOモード」、「ECO OFFモード」に切り替えて運転ができます。
運転性能の向上
ESCOT-VII搭載車に設定された運転性能の向上に努めるトラフィックアイクルーズ（車間距離制御装置）は、全車速域で前方車両との車間距離を測り、追従走行を可能にしました。
セットした車速を上限に事前に設定した車間距離で追従走行をします。
車間距離や車速の設定は、ドライバーが手元のスイッチで行うことが可能です。
時速15㎞未満まで減速して停車しても車間距離維持の制御は働きます。
全車速域での徹底した制御はミリ波レーダーで検知しています。
このように、ドライバーのストレスを大幅に減らし、運転性能の向上に貢献しています。
ディスクブレーキと流体式リターダー
UDトラックスは業界の中でも珍しく、ディスクブレーキをラインナップしています。
一般的に商用車では、耐久性とセルフサーボ効果のためにドラムブレーキを採用します。
しかしながらドラムブレーキは熱がこもりやすくフェード現象に弱いという弱点があります。
その弱点を解決するために、積載時の長い下り坂でも確かな制動性能を発揮するディスクブレーキを採用しています。
そして、安心の制動力を提供する補助ブレーキとして、最大ブレーキトルク3,250Nmを発揮する「大容量流体式リターダー」を採用しています。
リターダーなどの補助ブレーキを自動で協調作動させる「ブレーキブレンディング」や「EBS」（電子制御ブレーキシステム）など、複数の先進ブレーキシステムを組み合わせています。
エアサスとフルデフロック機能
車高調整機能を持つエアーサスペンションの採用は、走行時の安定と、荷物の積込み・荷降ろし作業でのドライバーのストレス・労力軽減をもたらします。
そして、不整地を走る場合に大きく力を発揮する「フルデフロック機能」を標準装備しています。
サードデフロックと左右輪間の差動も制限する左右輪デフロックの二つを同時に機能させることで、不正路面での駆動輪の空転を抑えることを可能にしています。
走行中には、デフロックON/OFF切り替えを設定し、ドライバーのストレスを軽減しています。
「2024年問題」への対策
2022年、いすゞの完全子会社となったUDトラックスの新型「クオン」はいすゞとの共同開発で生まれたトラックであり、いすゞ自動車の販売網では新型「ギガ」で発売されました。
この共同開発は、いすゞとＵＤトラックスが両社の技術を持ち寄りエンジンのダウンサイジングにより、高い積載効率を追求したばかりか、運転操作性の向上や安全装備の拡充などを十分に行って、ドライバー不足や労働環境の改善といった社会課題の解決を目指しています。
「2024年問題」への一番の対策は、物流の高い効率化を目指すことであり、どの経営者もその方法を模索しています。
しかしながらそれは、ドライバーへの負担を強いることにつながりかねません。
それでは「2024年問題」は解決せずに逆戻りしてしまうのです。
「2024年問題」解決の大きな手段の一つは大型トラックを中心とした商用車両のさらなる進化です。
「運ぶ」の未来を加速させるためには、物流の未来を担う大型トラックで人気車種「クオン」の今後のさらなる進化を期待したいものです。
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まとめ
1935年にUDトラックスの前身である日本デイゼル工業は設立されました。
それから100年近くの間に世の中ばかりかUDにも変遷があり、それを糧にしながらさまざまな新技術を取り入れ、大型トラック「クオン」も成長してきた歴史があります。
この先、大きくトラックばかりか日本社会、世界全体が変わっていくなかを「クオン」がさらにどのような成長をしていくか注目していきたいです。
親会社であるいすゞとの技術の相互供与・提携が進み、今後のさらなるUDトラックスとクオンの発展に期待いたします。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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