トラック用荷台ロープの結び方4選!さらに効果を高める方法とは?
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はじめに
トラック輸送の最大のミッションは安全輸送です。
安全輸送を実現させるためにはお客様の荷物を大切に扱い、交通事故や労働災害を未然に防がなければなりません。
それらを実行するには正しい荷の積み付けと、正しい固縛方法をマスターすることが必要です。
トラック輸送においてロープでの積荷の固縛は基本中の基本です。
今回『豆知識』ではトラックへの積載時の固縛に欠かせないロープの結び方を紹介し、ロープの効果を高める手法にも触れるので参考にしていただければ幸いです。
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ロープの結び方
人間が作り出したロープは、高価ではないものの単純な構造のために使い方が自在です。
長い歴史のなかで生まれたロープの結び方は確実に積荷を固定し、絶えず振動のかかるトラック輸送でもほどけてしまうことはありません。
そして、必要に応じて簡単にほどくことができます。
そのトラックロープの結び方として使われる代表的なものを紹介します。
・もやい結び
船を綱でつなぎ止めることを『もやい』と言います。
港に停泊する船を波止場のボラード(係船索を取り付けるための強い柱)につなぎ止めるため輪の形に結ぶのがもやい結びです。
自在結びとも呼ばれる、このもやい結びの輪は、引っ張っても伸びたり縮んだりすることもなく、使用目的を達成すれば簡単に解くことができます。
この『簡単に解ける』ことがトラックロープの結び方には重要なことなのです。
◎もやい結び手順
①左手のロープを数字の6の形にします。
②右手のロープの先をその6の下から通してください。
③右手のロープを左手側に持っていき、そのロープを左から右に入れてください。
④ロープの上と下をしっかり引っ張って輪を固定させてください。
ロープの向き、輪の向き、輪に指を挟まないことに注意してください。
・南京結び
南京結びはロープ1本でトラックの荷台にしっかり固定することができる結び方です。絶えず続く振動でも緩むことがなく、建築資材や大型家具などの輸送に適しています。
そして、ロープを解く時には一度に簡単に外すことができます。
◎南京結び手順
①まずはロープの一方をトラックのフックに固定してください。
そして荷物の上を通してロープを左手で握ってください。
②左手に握るロープの先を右手に持ち、輪を作ってください。
③作った輪を左手のロープの上から通してください。
④右手の輪を左手のロープにくぐらせてください。
⑤左の輪を縦に交差させて、右のロープを下の穴から出してください。
⑥右のロープ下に引っ張り、新しい輪を作ってください。
⑦新しい輪をトラックのフックなど固定したい場所に引っかけて、余ったロープは荷台に入れて固縛したロープに挟み見栄えを整えてください。
走行中に緩まないように締付けを強くしてください。
そして、最後にロープの張りのチェックを必ず行ってください。
・輸送結び
輸送結びは滑車の原理を応用した、複数の積荷をトラックに固定する際に有用な結び方です。
ロープ1本で複数の荷物を同時に固定できるため、ダンボールなどをまとめて運搬したい時に役立ちます。
◎輸送結び手順
①ロープの片方をトラックのフックに固定して、荷物の上を通して左手で握ってください。
②左手の下にあるロープを右手に持って、二つに折ってください。
③二つに折った部分を左手にあるロープの上に交差させ、左にできた輪に入れてください。
④右手で握っている輪を後ろから回してください。
⑤輪を回したことによってできたスペースに右手の輪を通してください。
⑥ロープを上下に引っ張り固定を行ってください。
⑦下側の輪を下まで伸ばして荷台のフックに掛けてください。
⑧ロープの端を引いて締めてください。
滑車の原理を応用した輸送結びは非常に強い力がかかり、注意しないと積荷の角を破損させてしまう可能性があります。
十分気をつけて養生を行ってください。
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ロープの結び方が重要な理由
トラックはさまざまな形状の積荷を載せています。荷崩れを防いで安全輸送を確実に行うためにロープによる固縛が行われています。
その時、積荷には後ろ方向に強い重力がかかります。
そして、走行中には工事中の道路に段差、橋梁と道路の継ぎ目の段差、マンホールを乗り越える時の段差などがあります。
トラックはそれらの段差に出会うたびに上下方向の大きな振動にあってしまいます。
カーブでは大きな遠心力がかかり、積荷がカーブする外側に引っ張られます。
積荷は輸送中に絶えず外部から受ける振動や遠心力などに耐えなければなりません。
その結び方とともに強い1本のロープが振動や遠心力から積荷を守り、荷崩れを防いでトラックの安全輸送を守ってくれるのです。
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ロープの効果を高める手法
ロープによるトラックの積荷の確実な固縛を果たすために重要なのは結び方ばかりではありません。
ロープによる固縛の効果を高めるその他の対策方法を紹介します。
ロープは、ただ結ぶだけでなく他の対策方法と組み合わせることでより強固な効果を発揮します。
・崩れにくい積荷を作る
荷崩れを防ぐためにまずは崩れにくい積荷を作ることが大切です。
急ブレーキ、急発進、急旋回走行等は積荷に大きな力をかけてしまい、積み荷を変形させてしまうことで固縛のゆるみを作ってしまいます。
まずは崩れにくい積荷を作りましょう。
積まれた荷物は崩れないようにロープをかけることによって、ロープによる固縛の効果が高まるのです。
・適切なロープを選ぶ
大きくて重い荷物を荷台に固定するときは南京結び、複数の荷物を荷台に固定するときには輸送結びが効果的ですが、南京結びに使うロープは、丈夫でありながらも柔らかいビニロン製が良いなど、適切なロープを選ぶことで確実に固縛し、安全な輸送を可能にします。
・運転方法にも気を配る
運転方法で積荷に与える重力や遠心力は変わってきます。
急発進、急ブレーキ、急旋回は決して行わないでください。
運転方法に気を配るだけで、ロープの効果は大きく上がります。
・ロープの素材を厳選する
ロープの素材を厳選することも大切です。
積荷を守ることのできる高い強度は必要ですが、ほどきやすい素材であることもロープの効果を高めることにつながります。
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まとめ
お客様の大切な荷を預かり安全輸送を果たすことは、ドライバーに与えられた当たり前のミッションです。
それを確実に果たすためにロープの結び方をマスターしてください。
初心者には難しく感じるロープの結び方ですが、慣れてしまえばルーティン業務となります。
先人が考え出したロープという便利な道具と簡単に外すこともできるロープの結び方は安全輸送を果たすばかりか、私たちの身も守ってくれます。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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