4t ウイングとは？開閉方法や代表的な車種まで解説
目次
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4t ウイングとは
4t ウイングの概要
4tウイングは数ある輸送を目的とするトラックの一つの形態です。
この輸送という業務は荷を積み走ることだけではありません。
この輸送業務で大きく時間を割くのは実は荷の積込みと荷降ろしなのです。
人間の力には限界があり、これを補うためにクレーンやフォークリフトなどの運搬補助機械があります。
しかしながら、平ボディのような積込み・荷降ろしに障害物が無いトラックの形態ばかりではありません。
ただし、平ボディでシートをかけるにしても積荷はむき出しの状態で短所はあります。
悪天候への対応を考えたバンボディのような形態のトラックは輸送中の防備は完璧ですが、荷の積込み・荷降ろしにはどうしても人間の力が必要となります。
「帯に短しタスキに長し」なのです。
こんな問題をウイング車が解決しました。
4t ウイングの使用目的
バンボディの側板を鳥の羽根（ウイング）のように左右に広げ、左右側面からフォークリフトで荷の取り扱いが可能です。
ウイングの種類によってはクレーンの利用も可能です。
4tウイング車は積荷を選ばず用途は広範に広がります。
冷凍・冷蔵仕様の4tウイング車では、段ボール詰めの乾いた荷だけでなく、冷凍食品や魚介類・青果などの生鮮食品を、長い輸送時間中を低温・定温に保ちながら運ぶことが可能です。
そして、ほこりや振動を嫌う半導体や精密機器の輸送にも4tウイング車はその力を発揮しています。
必要な免許
4tウイング車はウイングという特殊な装置を架装していますが、4tトラックが運転できる中型運転免許もしくはその上位資格となる大型運転免許が必要な免許となります。
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ウイング車の開き方
フレキシブルオープンタイプ
フレキシブルオープンタイプは作業状況に合わせてさまざまなウイングの開き方が選択可能なウイング車です。
作業環境に応じた使用が可能です。
天井が低い倉庫内では、サイドのみ全開して左右からフォークリフトでの荷の積込みや荷降ろしができ、クレーンを使用した荷役時や天井高さに余裕がある時にはウイングを垂直位置までオープンしたりと、あらゆる状況にフレキシブルに対応できるタイプのウイングの開閉方法です。
ターンオーバータイプ
ターンオーバータイプのウイングの開き方は天井のセンターラインを中心に開くのではありません。
左右一方のウイングが天井のセンターラインを超えて開閉できます。
天井部分が開くために大型機械のような積荷でもクレーンで吊って積込むことが可能です。
ウイング車両は平ボディとは違い完全に外部空気との遮断が可能なので、精密機器や半導体の輸送にも向きます。
上下開閉タイプのウイング車と同様に、倉庫内のように天井などで高さ制限がある場所で、荷物を積み下ろす際は扱いに注意が必要となります。
上昇開閉タイプ
上昇開閉タイプのウイングは、現在のウイング車では主流の開閉タイプとなっています。
荷台の天井がそのまま上昇してウイングが開く構造になっているため、トラックの天井までしっかり荷を積み込むことができます。
倉庫内などでの荷の積込み、荷下ろしの際には倉庫の天井などに気をつけて作業をする必要があります。
荷台の天井まで荷を積むことができるのが上昇開閉タイプのウイング車です。
代表的な4t ウイングを紹介
いすゞ「フォワード」
いすゞのフォワードにはオリジナルの完成車シリーズとして「Fカーゴ・ウイング」を用意しています。
必要な装備だけを厳選したフォワードの架装は日本フルハーフと日本トレクスが行っています。
新車納期が長い現在、子会社であるいすゞユーマックスが行う中古トラック流通事業会社を利用するのも一つの方法でしょう。
いすゞユーマックスはトラックの再循環で世界中の人々の暮らしを豊かにすることを目標に掲げています。
日野自動車「レンジャー」
世界のトヨタの傘下になる日野自動車「レンジャー」を紹介します。
日野レンジャーのウイング車の完成車は、トランテックス・パブコ・日本フルハーフで架装が行われています。
そしてレンジャーは積換えができるVQウイングを市場に送り出しました。
ニーズに合わせた、ボデーパッケージをその都度選択することが可能なVQウイングです。
荷役の作業効率を向上させて、2024年問題に向けての対応にもなるでしょう。
三菱ふそう「ファイター」
ダイムラー社の傘下にある三菱ふそうトラック・バスは、この先トヨタとダイムラー社が同率出資で作る持ち株会社で日野自動車とともに完全子会社になります。
三菱ふそうファイターの架装は、パブコと日本フルハーフで行われています。
ファイターは日本の自動車市場で31年という極めて異例の長寿モデルとなっており、ドライバーから非常に根強い人気を持つトラックです。
UDトラックス「コンドル」
いすゞ自動車の傘下にあるUDトラックスのコンドルは現在いすゞ自動車からOEM供給を受けています。
2024年に入ってフルモデルチェンジしました。
搭載するエンジン「4HK1」は2025年度燃費基準（JH25）に対して達成以上を実現しました。
先進安全装備はドライバーを安全・安心とともに目的地までの運行をサポートし、開放感ある視界と居心地良さを重視した内装はドライバーの疲労やストレスを軽減します。
ドライバーニーズの最適に応えるべく生まれ変わり続けてきたコンドルです。
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ボディ（荷台）の種類
トラックサイズの最大値は道路法（車両制限令）、道路交通法（道路交通法施行令）、道路運送車両法（道路運送車両の保安基準）において特別な指定がない限りは、全長12ｍ・全高3.8ｍ・全幅2.5ｍ、を一般的制限値として車両サイズの最大値を定めています。
さらに大型・中型・小型車両では、車両総重量・最大積載量・乗員定員が定められています。
中型トラックの車両総重量は7.5t以上11t未満、最大積載量は4.5t以上6.5ｔ未満となっています。
これらをもとにして各メーカーは、中型トラックにおいて利用者のさまざまな要求を満たすために各種サイズのボディを用意しています。
各社のサイズは異なりますので、下記のサイズはあくまでも目安としてご覧いただき、実際にはメーカーにお問い合わせください。
標準ボディ
車両サイズ：全長7.6ｍ 全高2.7ｍ 全幅2.2ｍ
荷台サイズ：長さ6.2ｍ 幅2.1ｍ あおり0.4ｍ
ロングボディ
車両サイズ：全長8.6ｍ 全高2.7ｍ 全幅2.2ｍ
荷台サイズ：長さ7.2ｍ 幅2.1ｍ あおり0.4ｍ
スーパーロングボディ
車両サイズ：全長9.6ｍ 全高2.7ｍ 全幅2.5ｍ
荷台サイズ：長さ8.2ｍ 幅2.1ｍ あおり0.4ｍ
ワイドボディ
車両サイズ：全長8.6ｍ 全高2.7ｍ 全幅2.2ｍ
荷台サイズ：長さ6.2ｍ 幅2.3ｍ あおり0.4ｍ
ショートボディ
車両サイズ：全長6.1ｍ 全高2.7ｍ 全幅2.2ｍ
荷台サイズ：長さ4.7ｍ 幅2.1ｍ あおり0.4ｍ
まとめ
2024年問題が間近に迫った現在、これまでドライバーに科せられていた契約外の積荷の取り扱いは無くなる方向であることが、日々のニュースで報じられるようになりました。
ウイングを開けばフォークリフトで荷の積込み・荷降ろしを行うことができます。
ドライバーは本来の仕事である「走り」に徹することができるのです。
4tウイング車は、ドライバーの強い味方ということですね。
今後使い勝手が良い4tウイング車はますます評価が高まることと思います。
トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報を皆さまにお届けします。
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